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  遺言とは                                                すがぬま法務事務所 

 
   目 次  
  遺言とは   遺言を取り消したいとき
  遺言できること(遺言事項)
  遺言書の保管
  遺言はだれでもできるのか(遺言能力)   
  遺言の方式・種類   

  遺言とは
 遺言がない場合、民法が相続人の相続分を定めていますので、これに従って遺産を分けることに
なります。これを 法定相続 といい、その相続人のことを
法定相続人 といいます。
 
 本来、相続とは被相続人の財産を承継することですから、被相続人自身が自ら築いた財産の行方
については、被相続人自身が決めることです。また、それを尊重するのは当然のことです。
 遺言とは、被相続人が亡くなる前に、その最終の意思表示を形にし、死後に実現を図るものです。
 
 しかし、遺言は人の死後に効力が生じるものであるため、一定の厳格な方式に従わなければなりま
せん。つまり、
死人に口なしということで、せっかくの遺言が無効とならないためにも、かならず法律
で定められた方式によらなければならないとされています。
 
 世間ではよく、相続問題で親族同士が骨肉の争いをしていることを耳にしますが、そのような遺産争
いを未然に防ぐためにも、遺言をしておくことは大事なのてす。

 また、その人が事業家である場合には、その承継をスムースに行うためにも、遺言しておくことが必
要です。

 

  とくに遺言しておくべき場合
  
 
子供がいないので、妻にすべて残してやりたい。
 
先妻との間に子がいて後妻を迎えている場合。
 
亡き長男の嫁にも分けてやりたい。
 
内縁の妻に財産を与えたい。
 
孫にも財産の一部をあげたい。
 
家業を継ぐ子に農業や事業用の財産を残したい。
 
相続人がなく、世話になった人に遺贈したい。

  遺言できること遺言事項
  遺言は民法その他の法律で定められた事項についてのみ、なすことができます。形式的に有効な遺
 言であっても、すべて法的効力があるとは限りません。たとえば、「兄弟が協力し仲良くし母を助けるよう
 に」と遺言書(
世上遺言 という)に書いても、被相続人の希望としての意味はありますが、法律上の意味
 はもちません。


  
ただし、遺言内容の一部にこのような効力のない遺言が書かれていたとしても、その部分について
 法的効力がないだけで、それによって遺言全体が無効になることはありません。

 遺言事項は、民法ほかの法律で定められた次の事項に限られます。これら以外の事項については、
遺言としての法的効力は生じません。
 相続に関すること
 
1. 推定相続人の廃除 又は廃除の取消し(893・894)
  2.
相続分の指定又は指定の委託(902)
  3. 遺産分割方法の指定又は指定の委託(908)
  4. 特定の遺産を特定の相続人に
「相続させる」旨の遺言
  5. 特別受益の持戻し免除(903B)
  6.
遺産分割の禁止(908)
  7.
遺贈の減殺方法の指定(1034但書)
  8. 相続人相互の担保責任について指定(914)


 相続財産の処分に関すること
 
8. 遺贈(964)
  9. 財団法人の設立(寄付行為)(41A)
  10. 信託の設定(信託法2)

       
 身分に関すること
 
11. 子の認知(781A)
  12. 未成年後見人、未成年後見監督人の指定(839・848)
 
 
遺言の執行に関すること
  13.
遺言執行者の指定又は指定の委託(1006)
  14. 遺言執行者の職務内容の指定(1016@但書・1017@但書)

 
 その他
 
15. 祭祀承継者の指定(897@但書)
 
16. 遺言の取消(1022)
 
17. 生命保険金の受取人の指定・変更(保険法44@)
   

 
 
特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言
   
最高裁 平成3.4.19判決      相続させる旨の遺言

   
<判示の要旨>
      
   
@ 特定の遺産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言は、遺言書の記載から、その趣旨
       が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、当該遺
       産を当該相続人をして単独で相続させる遺産分割方法が指定されたものと解すべきである。
       
    A 特定の遺産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言があった場合には、当該遺言におい
      て相続による承継を当該相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何
      らの行為を 要せずして、当該遺産は被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継される。

            
      
  遺言は誰でもできるのか(遺言能力) 
       
      
遺言者が遺言をするときには、遺言の意味・内容を理解し、判断することができる能力(遺言能力)
       を有していなければなりません。高齢になって判断能力がなくなってからした遺言は、相続人の間で、
       有効無効の争いが起きないともかぎりません。したがって、遺言は、元気なうちに備えとしてしておく
       べきです。
        なお、遺言は制限能力者であるからできないということはありません。制限能力者であっても、遺言
       するときに意思能力(判断能力)さえあれば有効な遺言をすることができます。
      
      制限能力者の遺言能力

     
未成年者でも15歳になっていれば親(法定代理人)の同意がなくても遺言することができます。
     
成年被後見人でも遺言するときに、正常な判断ができる状態に戻っているときは遺言できます。
        ただし、この場合は二人以上の医師の立会いが必要です。
       ●
被保佐人、被補助人は、保佐人・補助人の同意がなくても、単独で遺言することができます。

   遺言の方式・種類
    
      
民法には、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、これをすることができない」と定められ
      てい
ます。その方式を遵守していない遺言は無効です。つまり、「死人 に口なし」といったことにならない
      ように厳格に方式を定めているのです。
 遺言の方式には 普通方式 特別方式 とがあります。




自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言



危急時遺言
(一般危急時、難船危急時) 

隔絶地遺言
(伝染病隔離者、在船者)
  特別の方式は、病気などのために死期の近い者や伝染病のために隔離されている者などに認められ
 た特別な遺言方式です。

 
一般危急時遺言の方式
  
@ 証人3人以上の立会いで
  A 遺言者が証人の一人に遺言の趣旨を口授する
  B その者がこれを筆記する
  C これを遺言者と他の証人に読み聞かせる
  D 各証人がその筆記が正確なことを確認した後に署名・捺印する
  E 20日以内に家庭裁判所で「確認」を受ける

   
 危急時遺言は、遺言者が普通の遺言ができるようになってから6ヶ月以上生きていたときは失効
     します。また、確認を受けた遺言書であっても、遺言者死亡後、遺言書の検認のを受ける必要が
     あります。

     

 
普通方式による遺言には、三つの種類があります。
  @自筆証書遺言、 A公正証書遺言、 B秘密証書遺言

◆普通方式遺言の長所と短所
長  所 短  所
自筆証書遺言 □ 一人で、いつでも簡単に作成できる。
□ 遺言をしたことを秘密にしておける。
□ 費用がかからない。
□ 何回でも書き直すことができる。
□ 遺言書を紛失したり、死後に発見され
  ないおそれがある。
□ 第三者によって変造・偽造されるおそ
  れがある。
□ 執行にあたって検認手続きが必要。
□ 方式に不備があると無効になるおそれ
  がある。
公正証書遺言
□ 公証人が作成してくれるので、方式
  不備で無効になることはない。
□ 原本を公証人が保管するので安全。
□ 文字の書けない人も遺言できる。
□ 検認手続きが不要。
□ 遺言書の存在と内容を秘密にしておけ
  ない。

□ 費用を要し、手続が多少面倒である。
□ 証人二人以上の立会いが必要。
秘密証書遺言 □ 遺言書の内容の秘密を守れる。
□ 代筆や、ワ−プロ書きも構わない。
□ 作成に若干の費用と手間がかかる。
□ 執行にあたって検認手続きが必要。
□ 証人二人以上が必要。


遺言書の検認手続
 
  
「自筆証書遺言書」と「秘密証書遺言書」を保管している者あるいは発見した者は、遅滞なく、これを家
 庭裁判所に提出してその検認を受けなければなりません。「公正証書遺言」については検認手続する
 必要はありません。
検認申立てには戸籍謄本等の書類を揃える必要があり、申立てから検認までに1ヶ月
 程度の期日が必要です。
  遺言書の検認

共同遺言の禁止

  二人以上の者が同一の遺言書で共同して遺言することを共同遺言といい、民法で禁止されています。
 たとえば、夫婦が「夫が先に死亡すれば、夫の遺産を妻に遺贈し、妻が先に死亡すれば妻の遺産を夫
 に遺贈する。」という遺言を一枚の遺言書ですることです。作成しても無効です。
 
   遺言を取り消したいときは

       
       いちど作った遺言書でも、遺言者が生きている間は、いつでも遺言の全部または一部を取り消し(正し
      くは撤回)したり変更することができます。撤回権を予め放棄することはできません。
   
       遺言の内容を取り消し(撤回)たいときは、自筆証書遺言であれば、それを破棄すればそれだけで遺
      言は撤回できます。あるいは、新たに遺言書を作成し、「平成○年○月○日にした遺言の全部(または
      ×××の部分を撤回する」と書けばよいのです。
       公正証書遺言を撤回する場合には、その原本は公証役場に保管されていて破棄することができませ
      んので、この場合には、遺言を撤回する旨、又は変更する遺言書を作成しておくことが必要です。

       なお、撤回の遺言も法定の方式にそってしなければなりません。必ずしも前の方式でなくてもかまい
      ません。しかしながら、公正証書遺言を自筆証書で撤回しているような場合には、後日相続人間で紛争
      が発生するおそれがありますので、やはり、元の公証役場で撤回の公正証書遺言を作成してもらうの
      が賢明です。

       次のような場合は撤回したものとみなされます(これを
法定撤回 といいます)

      
前の遺言と内容的に抵触する遺言がのちになされた場合
       
例) 「Aに甲土地を相続させる」旨の遺言をしたのちに、「乙にA土地を遺贈する」との遺言書を新た
          に作成した場合です。

        
遺言の内容と抵触する生前処分などをした場合
       (例) 「Bに甲土地を遺贈する」旨の遺言をしたにもかかわらず、その後、遺言者が生前に甲土地をC
          に売却した場合です。

        
遺言者が遺言書を故意に破棄した場合      
       (例) 遺言者が遺言を破り棄てたり、燃やしたりした場合です。

       
遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄した場合    
       (例) 「Cに建物を与える」旨の遺言をしたのちに、これを遺言者が取り壊したような場合です。

        遺言が複数ある場合、日付の新しいものが優先します。ただ、日付の新しいものが有効といっても、
       日付の古い遺言全体が無効というわけではありません。
古い遺言と新しい遺言の内容がくい違う部
       分についてだけが新しい遺言の内容が優先するということです。その他の部分については、なお古い
       遺言が有効です。


   遺言書の保管

       遺言書でもっとも気を使うのは、「保管」です。大切にしまいすぎて、発見されないというのでは困りま
      す。適当に発見されにくく、遺言者の死後はたやすく発見される、という場所がよいのです。
       一般には、配偶者その他の相続人が保管しているケースが一番多く、友人、共同経営者、弁護士に
      預けるという例もかなりあるようです。
       また最近では、銀行の貸金庫を利用することも増えているようです。ただ、この場合どこの金庫に保管
      しているかは、相続人か誰かに知らせておくか、メモを残しておくべきでしょう。

       公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管され、遺言者には正本及び謄本が交付されます。
      正本や謄本は遺言執行者や受遺者などに保管させることが多いようです。また、信託銀行が行ってい
      る遺言信託の場合には、正本を信託銀行が預かることにしています。

                             
                              

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