福岡県の皆さんに訴えます。
30人学級と私学助成の拡充でゆきとどいた教育を
私たちは、すべてのこどもたちが学校で大切にされ、楽しく学び、すこやかに育ち、しあわせなこども時代をすごしてほしいと願っています。
しかし、いま学校は、「学級崩壊」、不登校、中途退学、非行、いじめ、高い教育費、受験戦争などなど、たくさんの問題を抱えています。
その根は深く、学校、家庭だけでなく、社会のゆがみからもきているものと思われます、目の前に迎えた21世紀をつくりあげていくこども達を考えるとき、一日も早く、教育や社会を変えていかなければならないと思っています。そのためにはさまざまな課題がありますが、当面、みんなの願いである30人学級(少人数学級)に実現と私学助成の拡充が基本であると考えます。
少人数学級になれば、
☆一人ひとりが、先生によく理解され、ていねいな指導を受けられます。授業も、グループの話し合いなど、少人数のよさを生かしたものになります。
☆授業がわかり、勉強が楽しくなり、本当の学力が身につきます。
☆こどもどうしや先生達とのふれあいが深まります。先生はゆとりを持って教育ができます。
☆若い先生方がたくさん採用され、学校が元気になります。
いま日本では、小・中・高等学校で40人学級です。欧米諸国では、20〜30人以下が普通ですから、国際的に見ても低水準の状態です。
昨年の参議院選挙では、ほとんどの政党が「30人以下学級の実現」を公約に掲げました。また、中央教育審議会の答申では、「県などの自由裁量で決めてよい」としています。
福岡県でも12市33町3村で30人学級の意見書が採択(4月26日現在)されています。
こどもたちの状況を一刻も早く改善するために「こどもの権利条約」に謳われているように「こどもの最前の利益を実現する」ことが国や自治体のつとめではないでしょうか。
さて、福岡県では高校生の40%が私立学校で学んでいます。
私立高生の割合は、全国3位の高さですが、生徒一人当たりの経常費補助は全国第36位という低い状況に抑えられています。
入学した年の納入金は、公立の約5倍、50万円を超えています。失業率4.9%、倒産、給与カットなど苦しい経済状況の中で、授業料の滞納や中途退学も増えており、父母負担は限界を超えています。
また、私立の学級人数は45人以上というところも相当数あるのが現状です。
96%のこどもが高校に進学しています。公立・私立ともに平等な教育条件の下で教育を受けられることが必要不可欠です。
小子化を迎えた今、教育条件を整える絶好のチャンスです。多くの県民が声をあげれば「30人学級と私学助成」の実現は、夢ではありません。私たちは、国と福岡県にむけて「30人学級と私学助成拡充を求める請願」署名を始めます。多くの皆さんに署名行動への参加を訴えます。
福岡県の皆さん、21世紀を担うすべてのこどもたちが、人間性豊かに育つ教育実現のため、いっしょに力を合わせましょう。心から呼びかけをさせていただきます。
1999年9月4日
30人学級と私学助成拡充を求める福岡県実行委員会