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茨城県県庁で 希望の会代表と意見交換
2010年6月18日(金)午前10時から12時まで県庁にて保険福祉部の障害福祉課、保険予防課5名の担当官と会代表4名による意見交換会が行われました。
これは昨年12月17日(木)の県と茨城難病団体連絡協議会(9団体)との懇談会の席において、質疑時間が少ないという理由もあって、当会については特別に意見交換の機会を設けたいとの県側の意向による開催でした。
県側からはその後の新たな施策や提案はなく、会としては家族の現状を説明し、差し迫った事柄について要望書にまとめて要請しました。このため会から沢山の資料を提示し、少しでも改善されるよう他県の先駆的な例も加えて要望しました。
例えば、18歳を1日でも過ぎると介護保険が適用される65歳になるまで交通事故や不慮の病で障害を負うと、いわゆる「法の谷間」にあって国の法的な施策が全くないと云えます。長年、国がやらないから自治体はやらないで済ましてきた面が多く、「宮城県方式」のように県が遷延性意識障害を「難病」と同じく指定して全額補助していること、東北6県がこれを見習い独自の施策を行っております。仙台市ではさらに上乗せして「ジョクソウ」予防費の名目で支援事業を行っていることも取り上げ、茨城県として何が出来るのか?検討をお願いし、その実施のために全県的調査が必要であると判断されれば直ちに行って欲しいと訴えました。
「遷延性意識障害者などの実態調査」で、全国でもっとも先駆的で有名なのは、2006年の長野県が行った事業です。若年脳損傷者の家族会「しなの」が全面的にフォローし、調査項目は今までになく詳細で綿密なものであり、副知事がプロジェクトチ-ムを編成し県を挙げての実施でした。さらに遷延性意識障害者を受け入れている拠点病院の医師や看護師、関係者が協力し、全県的なネットワークを組んで調査を支え、これにより全県下でくまなく行われたとのことでした。さらに希望があれば在宅患者・家族を複数の県職員が訪問し、2-3時間も聞き取って事情を把握したものです。これが実態調査の裏づけにもなり、実情を十分反映したものであることからその後の施策に役立つものでありました。これらの調査は、2006年の第16回日本意識障害学会(大阪)において長野県の主担当者により発表されたことも画期的なできごとでした。
これに対して、県は同じような実態調査は到底困難との見解でしたが、私たちの要望を少しでも実現する見通しを得るためには県として実態を知らなければ施行出来ないという観点に立ち戻り、今後も引き続き協議を重ねていくこととなりました。
一方、遷延性意識障害者の定義から引用し、それが身体障害者福祉法(別表)に示されている、
@視覚障害 A聴覚や平衡機能障害 B音声・言語・そしゃく(咀嚼)障害 C肢体不自由 D心臓・腎臓又は呼吸器の機能障害で日常生活が著しい制限を受ける程度、の夫々全ての項目に「遷延性意識障害」が該当していることを具体的な事実に基づいて説明させていただきました。
私たちの家族は、極めて重度の身体的、精神的、知的障害を三重に持っており、これがために病院でも施設でも容易に受け入れていただけません。県内で受け入れてくれる近くの病院や福祉施設の拡充と充実は今もっとも切実な願いであり、以前から安心して対応できる病院や施設の実名公表を要求してきました。
入院3ヶ月を過ぎて転院-検査-転院を繰り返し、やむなく在宅介護になっても、近くにリハビリ病院も訪問リハビリが受けられずその結果、硬直や機能低下が進みます。運よくリハビリが出来ても180日以内の日数制限があり、回復の機会が閉ざされてしまいます。1日24時間、1年365日休むまもなく介護する家族が病気で入院したり、介護する者亡き後はいったい誰が面倒を看てくれるのか?いつもいつも不安にかられています。国が方針を示さないとか、茨城県は医師も少なく、リハビリ関係者の養成機関が足りないとの認識を示すのみでは、いつまでたっても私たちの現状は改善されません。
茨城県は本年1月に「神経難病等患者の入院確保に関する調査を実施し、114医療機関のうち95%の回答率を得てこれまでに64ヶ所が受け入れた実績を持ち、気管切開患者を含む遷延性意識障害患者については24ヶ所が受け入れた、との事です。また、今後は重症の人工呼吸器装着患者の受け入れ可能医療機関は19ヶ所であり、うち遷延性意識障害患者については11ヶ所との調査結果が示されました。残念ながら具体的な医療機関の名称や所在地は明らかにされませんでした。これについては、各地の保健所や県保健予防課に問い合わせにより一時的な情報を知ることも可能との回答でした。
また、在宅療養を支える「訪問看護」のステーション事業所一覧表として、土浦、つくば、取手・龍ヶ崎ちくの保健医療圏に限ってのパンフレットを本年4月に作成県南地方に配布されているとのことです。県南地方の該当者には有益な資料です。
(連絡先:(社)茨城県看護協会 土浦訪問介護ステーション内
電話 090−2748−5991(コディネーター直通)
今回の要請項目は担当課以外にもまたがるので、秋頃を目安に
回答する機会を持ち、再度意見交換を行うことで2時間弱の話し合いを終了しました。
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第19回日本意識障害学会が下関で開かれる
2010年7月23日(金)から24日(土)までの2日間にわたり、山口県下関市の「海峡メッセ下関」を会場に標記の学会が開催されました。
山口大学大学院医学系研究科 脳神経外科学教授の鈴木倫保会長のもと、今大会は「意識障害の医療ー深遠にある科学ー」をテーマとし、最先端の再生医療のホットなニュースから身近な介護の実践に至る、様々な研究や技術の成果・工夫などが発表されました。
本会は、医師・看護師・理学療法士・介護福祉士などの医療・福祉関係者だけでなく、行政関係者や一般、さらに障害患者・家族も参加できるユニークな学会と知られております。
年1回の開催ですが、私たち家族にとってこれらの発表はまさに「福音」であり、「精進」の時であり、また多種・他分野の先生方や見知らぬ家族とも「交流」できる貴重の場でもあります。
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第19回 日本意識障害学会 第一会場の様子
第一会場(国際会議場)と第二会場に分かれた関係から、聴講した各セッションのうち印象的な演題の主な内容を次に紹介示します。
初日の一般演題:第一会場
「病態・診断法1」 9:40〜10:50
@ 脳FDG-PET所見では、重度頭部外傷の慢性期患者の両側の視床部に糖代謝の集積変化から患者のレベル判定、治療効果の判定、予後予測の可能性が示唆された。(千葉療護センター)
A 蘇生後脳症患者の急性期から亜急性期において、放射性炭素-11で標識したフルマゼニル(FMZ)を中枢性のある種(Bz-R)の拮抗薬のトレーサに用いるFMZ-PET画像から大脳皮質神経細胞の残存を評価できるから、意識障害の回復や予後予測の指標となりうる。(香川大学)
B 視床(中央部)に着目し意識障害の重症度がCT,MRI画像上の損傷部のみでなく、その他の部位では視床前核傷害も相関しているとの結論を得ている。(弘前大学)
「脊髄刺激療法・バクロヘン療法」 10:50〜12:00
@ SCS(spinal cord stimulasion:脊髄刺激療法)による遷延性意識障害者の治療の有効性(大垣市民病院)
A SCSと長期(1年半)のリハの併用による改善(熊本託麻台病院)
B 脳血流に及ぼす上昇傾向などの経年変化(京都武田病院)
C 痙縮治療に有効性のあるバクロフェン髄腔内持続注入療法(ITB:intrathecal baclofen)とSCSを併用して痙縮を改善し両下肢の児童運動などが見られた例(山口大学)
D び慢性軸索損傷などにより意識障害を呈した患者の異常な筋緊張の病的な亢進は関節拘縮が要因であり、その抑制と関節の可動域を維持させるためには、療法士が直接患者の皮膚に触れるよりは、物品(ペン)と患者の皮膚を接触(握らせながら)させ、療法士は物品(ペン)を介して他動的伸展力を伝えると緊張が緩和されるという「触感の違い」のおよぼす影響を評価(木沢記念病院)
「神経症候」 16:40〜17:20
@ 遷延性意識障害の回復後も高度の認知機能障害を残す2つの症例にについて回復の指標を乳幼児の認知機能発達と類似していることを見出し、症例間および分野間の回復差は損傷の部位や範囲、水頭症の有り無し等の影響が関係している(中村記念病院)
A 遷延性意識障害者の回復に紙屋らのプログラムにリハ専門職として
1ヶ月間集中的なアプローチにより機能を改善した報告(リハビリテーション花の舎病院)
B 車椅子の左側ブレーキを忘れる、歩行中に左側の壁に衝突するなど半側空間無視(USN)は、日常生活行動(ADL)を阻害する要因で監視〜軽介助を必要とし、理学療法以外の病棟内での看護師等の関わりが重要。同じく、症状が回復期に残存している患者の音読や写字課題においては、単に「左側に注意しなさい」という促がし方でなく左側に赤線を引くなどの注意喚起が効果的(東北療護センター:2件発表)
C 左片麻痺・感覚性失語の後遺症のある注視困難患者に対し、落下速度の遅いヘリウム風船を用いることで注視時間が延び、風船を捉えようとする原始的な反応が反映・促進されて有効。(木沢記念病院)
「各種治療法」 17:20〜18:00
@ 脳挫傷やび慢性軸索損傷などの意識障害者の上下肢の筋緊張を軽減するため、誘発筋電図(H反射)や経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位(MEP)を用い、鍼治療前、治療中、後の波形の振幅の度合の変化を運動反応の指標として検討、異常な筋緊張の減少・運動促進効果が見られ鍼治療が有効(木沢記念病院)
A 対象70名(受傷時の平均は約38歳)のうち、受傷時年齢が低く、治療導入まで短期間で、筋弛緩薬・向精神薬を使用せず、脳室シャントのない患者で高気圧酸素療法(HBO)の適応が有効(岡山療護センター)
B 交通事故外傷後、最小意識状態(MCS:minimally conscious state)を呈する患者2名にL-dopaの投与により意識障害および運動機能が回復し、1年後に家庭内動作軽介助レベル(46歳)または半年後に家庭内動作自立レベル(59歳)にて独歩退院(滋賀医科大学)
C ER(emergency room:救急室)の意識障害患者の初期診療手順を標準化する上に意識レベルとその内容を「生命機能」と「中枢神経機能」のモニターとして捉え、呼吸・循環および中枢神経の蘇生を行って危険な疾患を鑑別し、原因検索により根本的治療に繋ぐとして、基本骨格を三段階の定型的な手法を紹介(日本臨床救急医学会)
D 脊髄後索電気刺激(ADS:dorsal column stimulation)療法を受けた意識障害患者の看護ケアにおいて、保護具を用いる背面開放座位訓練で刺激を与えることにより経口摂取が可能となり、意識や生活行動が向上(藤田保健衛生大学)
第二会場では、「慢性期の管理」「精神症状」「各種リハビリテーション」「嚥下・口腔ケア」のセッションで研究発表がありました。
ランチョンセミナーは、大阪大学大学院の下瀬川恵久先生の「意識障害の脳循環代謝:PET/SPECTによる研究」と題する講演で、最新式高分解能・高感度PET装置を用いることで脳幹網様体や神経諸核の可視化が実現された。これは、CTをPETに置き換えた新しいイメージングモダリテイPET-MRIの開発と応用であり、ラット頭部外傷モデル実験から軽度の外傷でも受傷直後から脳幹部の代謝が広汎に低下することを明らかにされました。また、核医学的手法としてSPECT(単一光子放射断層撮影:single
photon emmision computed tomography)脳血流測定用の脳死ファントムを用いた検証では、適切な画像収集時間と画像再構成法により脳血流量ゼロ状態が正確に診断できるとされました。
特別講演は、脳を鍛える「脳トレーニング」ブームで有名な川島隆太先生で、独自に開発した超高磁場MRI装置や脳磁図装置(MEG)等を用いてヒトの心の働きを画像化し、「無意識の脳機能イメージング研究」に関する現状と今後の動向等を示されました。また、小動物の脳神経細胞代謝や微小循環動態の調査から脳の動作原理を究明する基礎研究から自然科学&社会科学を複合した新しい分野の展開を模索するチャレンジ精神溢れる・興味ある内容でした。(東北大学 加齢医学研究所)
教育講演は、「急性期から看護の実際やリハビリテーションに関する4つのテーマで各先生の講演がありました。
@ 看護の役割はには「回復に寄与する看護」があり、生命が危機的な状態の急性期では救命への看護と救命後の生活を回復するための看護が必要で、
二日目は午前中のみでしたが、一般演題として、「病態・診断法2」「認知・高次機能」「慢性期合併症」「教育・指導1,2」「社会支援・医療制度」の研究発表がありました。
特に、「教育・指導1」では、東京地区の家族の会「わかば」の会員から、「在宅における”紙屋プログラム”の実践と効果」と題して、在宅介護の体験が発表されました。
教育講演は、日本大学山本隆充先生による「遷延性意識障害者に対する脊髄刺激法:治療方法、治療効果と患者選択」の1件、
次いで、第一会場に移って、筑波大学名誉教授(現静岡県立大学)の紙屋克子先生らによる「蘇生後脳症の看護実践と課題」と題して特別講演がありました。
また、別会場では併設講習会として9時半から12時まで、「遷延性意識障害患者に対する喀痰吸引講習会」があり、関西地区の「若者と家族の会」の会員が、介護家族としてたんの吸引に関する実際の体験などを発表されました。
ランチョンセミナーでは「リハビリテーションから看た意識障害」と題し、中国労災病院の豊田章宏先生の講演がありました。その後、鈴木倫保会長による閉会の挨拶につづき、来年9月2,3日に青森県弘前市で開催の弘前大学大熊洋揮教授による次期会長の紹介と参加歓迎の挨拶をもって終了しました。
引き続き、午後1時過ぎより第二会場に移動し、サテライトシンポジウム第一部の「再生治療」をテーマに座長の神野理事長挨拶の後、2名の演者による講演がありました。
第二部は午後3時から5時まで、「政権交代後の変化ー期待される前進ー」をテーマとして、3名の演者の発表がありました。三番目の演者として中部地区(愛知、岐阜、三重県)の家族の会「ひまわり」の会員より、「もの言えぬ家族に代わって〜私たちが今、政治に期待すること〜」と題する切実で緊迫した要望などが出されました。
(更新中)
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「希望の会」について
患者を抱える家族は、医療からも福祉からも冷たい扱いを受け精神的不安・肉体的疲労・経済的負担を強いられ、将来の不安・介護者亡き後の不安はつきません。
私たちは、独りで悩んでいても暗くなるばかり、同じ境遇の者同士で慰めあい、励ましあう「癒」と交流による情報交換、自治体や政府など行政に救済を要請する、などを目的に1996年に茨城県遷延性意識障害患者・家族の会「希望の会」を発足させ、県内の遷延性意識障害者の実態調査を要請しました。県は初めて1999年現在、656人いるなどの結果を明らかにしました。
医療と福祉の谷間に置き去りにされた遷延性意識障害者の患者と家族の実態・苦悩、入院療養と在宅看護における深刻な問題点を家族だけに押し付けることは許されません。老人介護などが「社会問題化」されている現在、社会的弱者を世の中全体で支えあう仕組みが必要です。
患者・家族は会員、医療関係者や一般賛同者は賛助会員として県内外からも「希望の会」に加わり、これらの目的のために活動しております。
希望の会は、2007年から茨城県難病団体連絡協議会に団体加盟しました。
規約(17年度改正)をご承認いただき、あなたも一緒に参加しませんか?
問い合わせ |
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・ 「希望の会」のあゆみ
・ 植物状態の原因は
・ 遷延性(せんえんせい)意識障害とは
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・ 高次脳機能障害患者とその家族も同じ悩みを
・ あなたもぜひ「会員」 になって下さい |
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第28回茨難連総会&講演会、開催される
2010年5月9日(日)10時半から県総合福祉会館大研修室において午前に総会、午後に講演会が開かれました。
第14回 希望の会定期総会が開かれる
2010年4月24日(土)10時から16時頃まで東海村「舟石川コミュニテイセンターにおいて2010年度総会が開かれました。
茨城県との懇談会(1/13)
2009年1月13日(火)午後1時から、茨城県と茨難連との懇談会が県庁にて開催されました。
希望の会からは、会長、事務局長ほか1名が参加しました。
平成20年度 希望の会 要望事項
1.医療行為を伴う患者が利用できるショートステイやレスパイト入院の受け入れが可能な施設を市町村単位で確保して下さい。
2.居住地の診療圏に、通院でリハビリ治療の出来る施設の設置を促進して下さい。
3.障害当事者の生涯入所施設を作り、「介護者亡き後」に備えてください。
4.地震・風水害や原子力事故などの災害時に、避難の方法と場所について、考え方(方針)を示してください。
茨城県ピア相談事業
小児慢性疾患のお子さまを子育て中のご家族の皆様へ
問い合わせ先
茨城県難病団体連絡協議会
TEL 029-244-4535
水戸市千波町1918
茨城県総合福祉会館 4F |
第6回 全国遷延性意識障害者・家族の会・総会、東京で開かれる
2010年6月6日(日)12時〜17時、秋葉原の東京中小企業振興公社秋葉原庁舎(第一会議室)において、総会(12時〜15時)と会員の介護体験発表(15時〜17時)が行われました。
出席者は会員、関係者、来賓あわせて約70名、今までの総会人数に比べ多く、かつ充実した討議となりました。役員から提案の議事を承認、会費納入方法については継続審議となり、新しい役員も決定、秋の横浜市での講演会成功に向け取り組むことを確認しました。
日高筑波大学准教授および松田先生から、日常の在宅介護調査の依頼がありました。アンケートの同意書と、現在利用している各種サービスの状況資料(訪問介護や訪問リハ、訪問看護などや施設の利用計画書など)のコピーを提出し、これを基にいくつかの地域の家族を先生らが訪問して24時間介護の実態を調べるとのことです。これらのデータを詳細に分析し、厚労省の施策に役立てるのが目的だそうです。
続いて、3名の会員(川浪:中部ブロック、谷口:九州、桑山:大阪)によるビデオ映像と資料による詳しい在宅介護の体験が発表されました。参加した家族会員にとっても有益な情報交換となり、これまでの記念講演会と異なる家族的な雰囲気で好評でした。
総会終了後、会員40名以上による親睦交流会が近くの店で行われ、和やかな内にも日頃の介護の問題などが話されました。
厚生労働省、国土交通省、(独)自動車事故対策機構との意見交換
翌日の6月7日(月)は、午前10時から午後6時頃まで、各地区の役員と会員代表が標記の機関を訪れ、意見交換を行いました。
○ 厚生労働省
遠く北陸ブロックから参加した中島さん(富山県)姉妹と障害を負っている息子さんを含め、総勢12名が「家族会からの要望書」を基に意見を交換しました。厚労省側の担当者も12名が参加され、夫々の部署から口頭での回答とそれに対する質疑がありました。
介護職の経管栄養や痰の吸引などのケアについては、法律上の業務として検討するが、安全性や現場のニーズなどで法的整備のための検討会を早期に立ち上げ、来年の通常国会には関連法案に持っていきたいとの見解が示されました。これに対し、検討会議メンバーに現場を熟知している家族や施設の関係者を参加させること、医療専門職のみでは現場の実態が反映されず、「安全性」のみを危惧され損保会社などからも責任を負えないと反論されるおそれがある、などの意見がありました。
また、リハビリにより回復する機会があるのに、緊急でも3ヶ月で切られるし、その後は自分でリハ病院などを探さなくてはならないこと、回数も週に1から2回に下がり、骨折とは違って長期間が必要なのに期間限定されてしまうこと、かつ最近では病院での「成果主義」が重んじられ、顕著な成果が認められない患者・障害者はうとんじられる傾向があり、家族としては到底納得できないとの訴えがありました。
これらの要望に対し、「医療保険の限られた財源でいろいろな要望があり全て応えられない、今分かっていることはやらざるを得ないから、データを持って詰めての公正なスタンスが必要である」がある、そのための検討会を準備している、などと応じられました。
障害福祉分野では、ショートステイは昨年4月に改定し短期入院に加えて宿泊せずとも可能となったが、今後もサービスの拡充に努めたい、「介護者亡き後」問題ではケア・グループホーム、NPO、社会法人など幅広い対応を実施したい、具体的には各都道府県、市町村など個別のところに相談されたいとのことでした。
これに対し、ヘルパーの報酬が低く、痰の吸引などもヘルパーに責任転嫁される仕組みで、かつ単価として認められていないので訪問施設の責任者も消極的になる。これでは折角制度として用意されも広がらないこと、「医療も介護も必要としている障害者のサービスを何とか充実して欲しい」こと、国は民間の行うことに口を出さないとしてまかせっきりにせず、行政が関与しないと困難な面が多く例えば、社会福祉協議会などの協力も経て総合的な施策をとの意見が強調されました。
現場の実情を踏まえ改善に努めること、今後とも逐次意見交換の場を持って欲しいこと、などをお願いしました。最後に、障害者代表の富山県の中島さんの車椅子のそばに近寄って担当官らが挨拶を交わし、家族を労っておられてました。障害を負われている息子さんも飛行機での長旅で疲れていると思われるのに2時間弱もの間眠りもせず、じっと同じ姿勢で聞き入っておられたのが印象的でした。
○国土交通省
午後一番に家族会代表ら4名が国土交通省を訪れ、交通事故の被害者対策などについて意見を交換しました。国土交通省からは課長以下4名の担当官が対応され、最近の(独)自動車事故対策機構(NASVA)の事業仕分けでは「被害者対策事業」のみ残ったなどについて言及されました。
自動車交通局の新たな取り組みとして、九州地方を拠点に「自動車事故による遷延性意識障害者のための在宅介護支援セミナー」が来る8月29日(日)13時半から福岡県中小企業振興センターで開催されるとのことです。
第一部は紙屋克子筑波大学名誉教授(医学博士)による「要介護者の自立のための生活介護技術」の講演、第二部は「遷延性意識障害者の在宅介護の実態と課題」をテーマに当事者家族、医師、看護師らによるパネルディスカッションが16時半まで予定されています。詳細は、別途チラシなどでお知らせします。
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○自動車事故対策機構(NASVA)
午後3時から5時頃まで、家族会「わかば」の会員3名も加わり、NASVAの首脳陣との直接の面談がありました。
NASVAの事業仕分けで唯一残された自動車損害賠償法に基づく被害者支援についてもNASVAではなく、各市町村窓口で代行できないかという事業仕分けでの無責任な問いかけに意見交換が集中しました。
平成13年度に自賠法で決定した2兆円の特別会計から1.1兆円をユーザに還元、残り9千億円が被害者保護にまわされておるもので、保険事業であり査定や支払い基準は国土交通省で行っていること、貴重な積立金(約2千3百億円)の利子で療護センターの運営などに活用しているものの、これを使い切ると在宅介護料の資金も無くなります。この約2千3百億円の積立金が一般会計になり国の財源が逼迫すれば、各市町村での窓口でも自動車事故被害者のみが支援を優先されることはありません。
これら積立金と財務省に貸し付けてある5893億円の財源の合計9千億円は「隠し財源:埋蔵金」ではなく、元々保険事業そのもので昭和30年代から自動車免許を持つ私たちの祖父母、父母が残してくれた貯蓄であることも新たに認識しました。交通事故の被害者救済制度として確保し、この目的のための財源でなくてはならないものです。そうでないと、保険料で集めた労災保険の財源3兆円なども埋蔵金として予算転用される危険性があります。これらは税金として徴収されたものではなく、保険料として使途が決められていることを多くの人が知る必要があり、私たち家族もしっかりと把握していかないといつ一般財源化されるか分からない危惧を感じました。 |
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