Yukio |
ロニー・ホーキンスの次は、ドクター・ジョンだね。 |
Buddy |
彼の登場はインパクトあるよねえ。ベレー帽に、でっかい蝶ネクタイ。そんで、スツールに座るやおもむろにピアノを弾き出して「サッチャア・ナイ〜」だもんなあ。チャーミングといえばチャーミング。 |
Yukio |
でしょでしょ。ちょうど3月の「フェーバリットアルバム」で『ガンボ』を取り上げたばかりだけどその時もその話しになっちゃったなぁ。印象強すぎ。 |
Buddy |
画像見ているとさ、演奏が終わった時にリチャード・マニュエルがドラムセットから笑顔でおりてくるシーンが瞬間あるけど、あれも印象的だなあ。リヴォンとのダブルドラムなんだよね。 |
Yukio |
おっ、流石見てるところが細かいね。リチャードはリヴォンがマンドリン弾く時なんかはドラムなんだよね。ここはダブルドラムでしたか。 |
Buddy |
で、この[SUCH A NIGHT]は、どのアルバムに収録されてるのかな? |
Yukio |
ハイハイ。彼の'73年のアルバム『In The Right Place』に収められておりますよ。
あれ?けっこうドクター・ジョンのアルバムあるなあ。14〜5枚あるね。初期のヴードゥー・スタイル、ニューオーリンズ・ファンクといわれるものから近年のジャズカバーものまで。
「In a Centimental Mood」や「Duke Ellington」だね。これがまたいいんだわ。'40年生まれだからジャズの影響も大きいんだね。「THE BLUES Movie Project」の中の「Piano Blues」で自らそのあたりを解説しているよ。 |
Buddy |
ふむふむ、奥深いねえ。Yukio君は来日ライブも体験してるんだよね。 |
Yukio |
う〜ん、けっこう回数行ってるよ。楽しいんだわこれが。ライブ記録もあるよ。僕がライブに行きだしたのは20歳頃を除いて461オープンしてからだから、そうそう多くのミュージシャンは見てないけどドクター・ジョンとネヴィルは来る度行ったかな。でも「雨の後楽園グランドファンク」からツエッペリン、クラプトン初来日まで行ってるバディが行ってないとは意外。 |
Buddy |
アハハ。後楽園GFRは隣のビルの外階段に昇って音聴いてただけどね。正直な話、ドクター・ジョンはあまり聴いてこなかったんだよね。ジャケットが激しすぎてさ(笑)。さっき話に出た『ガンボ』とマイケル・ブルームフィールドとジョン・ハモンドとトリオ組んだ『三頭政治』くらいのもの。で、『ガンボ』だけど、ニューオリンズ音楽シーンの定番曲のカバー・アルバムなんだよね、あれ。 |
Yukio |
そうなんだってね。聴いた時にはそんなこと知らずに声とリズムにイカレちゃったんだ。一曲目の[IKO IKO]のリズムね。セカンド・ラインなんて言葉も後から知ったな。でも未だにこの言葉の定義ってはっきりしないなあ。葬列の行進の後に続くからセカンド・ラインだって説もあれば、行きがファースト・ラインで帰りがセカンド・ラインて説もある。んで帰りにゃ生きてる人間様のために陽気にやろうやってんで、ブラスバンドがファンキーに演奏する。ダーティー・ダズンのようにね。日本じゃ大滝詠一さんかね、早くから取り入れたのは。『ナイアガラムーン』でセカンドラインを世に知らしめた(?)。啓蒙していただきました。 |
Buddy |
そうだね。大滝さんのレコード聴いていると、トニー・ジョー・ホワイト的なところも、あったりして宝庫だね。ま、これも今だから分かる事だけどさ。で話を元に戻すと、ニューオリンズのミュージシャンというと、『ラストワルツ』にも登場するボビー・チャールスにアラン・トゥーサン、そんでもって大御所のファッツ・ドミノやプロフェッサー・ロングヘア。ミーターズも忘れちゃいけないか。 |
Yukio |
フムフム。 |
Buddy |
でさ、ファッツは、放ったヒット曲の数がエルヴィス、ビートルズの次というからすごいやね。ドクター・ジョンはファッツのバンドのギタリスト、パプース・ネルソンからギターを習ったというし、ニューオリンズのR&Bシーンをかじるならファッツのベストアルバムくらいは聴いておきたいよね。
これがまたいいんだ。ナンバー1ヒットも数多くあるけど、1956年の[Blueberry Hill]は特に有名だよ。ビーチボーイズも、ブライアンを無理矢理?復帰させた『15 ビッグ・ワン』でカバーしてる。僕のファッツ体験は、実はこのビーチボーイズ経由なんだけどね。 |
Yukio |
そういうの大事だよね。リアルタイムで好きになったミュージシャンからルーツを辿るってのね。 |
Buddy |
そういう聴き方もまた楽しいもんね。でさ、前から疑問なんだけど、ドクターとザ・バンドの接点って、どこにあるんだろうね。たくさんセッションをこなしている人だけど、ザ・バンドとの関係のアルバムを見てもさ、ラストワルツの翌年1977年にリリースされたリヴォンのファースト・ソロアルバム『リヴォン・ヘルム&RCOオールスターズ』に参加したくらいしか目に付かない。それ以前だと、カーリー・サイモンの『ホットケーキ(1974年)』収録の[MOCKINGBIRD]という曲かなあ。ギターがロビーで、ドクターはピアノとオルガンで参加している。 |
Yukio |
ん〜正確な接点というのは判らないけどドクター・ジョンは本当に交友が広いからね。お祭り的なセッションには必ずといっていいほど顔出してるんじゃないかな。マディ・ウォーターズとの共演もあるし「レイヴォーン・トリビュート」にも出演してるよ。 |
Buddy |
そういう意味で推測すると、表には出ていないところでザ・バンドとは知り合いだったんだろうね。いずれにしてもニューオリンズはロックの歴史を探るときには絶対にはずせない土地だよね。だから、『ラストワルツ』でも、ドクター・ジョン、ボビー・チャールスと名を連ねて、そのミュージックシーンの偉大さを再認識できるようなステージ構成にしたんだろうね。 |