ショートアイアンは振りすぎにご注意
ゴルフクラブのロフト
ゴルフクラブのロフトには「50°の壁」というものがあると言われています。
ロフトが50°以上になると、思い通りのゴルフスイングをするのが困難になるという意味です。
ロフトは、シャフトに対するクラブフェースの傾斜角度のことで、9番アイアンは44~45°、サンドウェッジで56~58°ぐらいです。
サンドウェッジのようにロフトが大きいゴルフクラブは、インパクト時にクラブヘッドのフェース面をボールが滑り、距離や打ち出し方向を自分のイメージどおりにショットすることが難しくなります。
また、「ダフりそうだ」というイメージがつい湧きやすいですし、「どこを向いていいかわからない」という風に方向性の感覚も鈍りやすいのです。
それに対して、ロフトが50°を切ってくるショートアイアンを選んだ場合、こうした悪いイメージがないですから素直に思い通りのゴルフスイングができます。
ショートアイアンは振りすぎ
特に今回お伝えしたいのは、ショートアイアンの振りすぎには注意すべしということです。
バックスイングからフォロースルーまで、一連のスイング動作においてグリップの位置が常に視界に入る程度の振り幅でスイングすることがポイントです。
それ以上振ったら、ショートアイアンでは振りすぎになります。もちろん、ゴルフスイング中にグリップを目で追うことはしてはいけません。
あくまでイメージとして、グリップが視界に入る位置まででスイングを収めるという意味です。
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ドライバーのような長いゴルフクラブはリズム、タイミング、バランスといった要素が非常に大切なものです。
その一方で、ショートアイアンは、体全体で一気に振り抜くイメージのゴルフスイングが基本になります。
コンパクト重視
アイアンのゴルフスイングについてもう少し説明を加えましょう。
一番気を配るべきことは、アイアンはボールを、目標地点まで正確に運ぶためのゴルフクラブであるという点です。
そのため、ゴルフスイング自体もは飛距離を出すドライバーショットのような大きなゴルフスイングにするのではなく、あくまでコントロールを重視したコンパクトなものでなくてはいけません。
今さら指摘する必要もないことですが、アベレージゴルファーが「170ヤードを8番で打った」などと得意そうに語っているのを見ると、つい気になってしまいます。
アイアンショットでは、ピンをデッドに攻めるといった、より絞り込まれたターゲットを狙っていくため大振りは絶対避けなければいけません。
ゴルフスイングは「shoulder to shoulder」といわれつトップで手が肩の高さ、フィニッシュでも肩の高さの感覚でコンパクトにまとめることを考えましょう。
ドライバーショットと低くするとトップはかなり小さくなります。コンパクトなイメージを先行させると、今までドライバー同様のゴルフスイングをしていた間違ってとらえるかもしれません。
どうしても不安感があるから腕を速く振ろうとしますが、それは逆効果になります。ゴルフスイングをコンパクトにするという意味は、誤差が生じやすい腕の動きを極力減らして、体の回転運動だけでボールを正確に運ぼうという考え方が適当だからです。
コントロールを重視したゴルフスイングでは、ウェートシフトをできるだけ控えめにするのがコツです。
アドレス時のウェート配分(左右5分5分が基本)をゴルフスイング中も維持するくらいの意識で臨んでちょうどいいくらいでしょう。
その気持ちだけでも実際には十分にウェートシフトしたゴルフスイングになっているものなのです。
ボールの位置は、番手が大きくなりクラブが短くなるほどスタンスのセンターに近くセットしていき、ウェッジでちょうどセンターとなる状態が大まかな目安です。
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こうした基本から更に進化した形として、ウエートシフトのより少ないゴルフスイングを実践するために、最初からウェート配分を左6分、右4分としておくことも悪くはありません。
さらに、番手ごとに抱える苦手意識を排除するために、ロングアイアンは少し短めにグリップするといった工夫も役に立つと思います。
いずれにせよ、アイアンショットの目的はスコアメークの決め手であり、いかに正確にゴルフスイングができるかです。
集中力はクラブが短くなるほど強く持って、長いクラブになるほどリラックスしてゴルフスイングしていくこともポイントになります。
ショートアイアンのドリル
両腕はいつもに身体の前にある状態で、体の動きだけでアイアンクラブを動かす意識でボールを打つようにしましょう。
身体全体で打つ感覚は胸の前で腕組みしてみて、一連のゴルフスイングの動作をすることで養えます。
ぜひ、ご自宅やゴルフ練習場で試してみてください。
ゴルフスイングのドリルを行うときは8番アイアンが適当でしょう。
8番アイアンは長さが短いためコントロール性能が十分に高い上に、ロフトがあるのでボールが上がりやすく、重さから言っても、ウェッジ類ほど重くないので取り扱いが大変楽だからです。
フィニッシュは低くおさえる意識
一般的なアマチュア・ゴルファーはフォロースルーからフィニッシュにかけて、クラブヘッドを大きく振り抜くことが大切だと口を酸っぱくして言われていることが多いようです。
もしかしたら、あなたもそういったアドバイスを受けたのではないでしょうか。しかしフォロースルーをより大きく、その上クラブヘッドを高く振り抜こうとすると体が早く大きく開くことになります。
スイングアークが大きいとか、フォロースルーの弧が大きいというのは、ダウンスイングまでの動きの結果によるものです。
アベリージゴルファーはバックスイングの動きと、フォロースルーの動きとが、一連の動きであることをほとんど意識していないケースが少なくありません。
独立したものだと考えてしまう傾向があるせいでに、フォロースルーを大きくとれといわれると、たんにこれだけを大きくとろうとすることがあるでしょう。
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無理にフォロースルーを高く大きくとる必要は実はありません。
ショートアイアンでのゴルフスイングの場合には、むしろフォロースルーは小さめに抑えるぐらいのつもりでちょうどいいのです。
この点はドライバーショットと比較すると大きく違っているところです。
外観の見栄えの良さからいえば、ハイ・フィニッシュでぴったりとフィニッシュを決めていったほうが美しい形にはなるでしょう。
しかし、フォロースルーをあまり大きくとろうとすると、ショートアイアンではとんでもないミスをおかしやすいこと意識しましょう。
むしろクラブヘッドをスムースに振り切ることで、その延長線上に小さくフィニッシュしていったほうがボールのコントロール精度も上がるでしょう。
ショート・アイアンでフィニッシュをやたら高くとろうと意識してしまうとはしゃくり上げる動きになりやすいわけです。
プロゴルファーのフォロースルーを見てもらえればよくわかるかもしれませんが、ドライバーショットの時と違って、両手の動きはそれほど高く空に向かって動いていきません。
むしろ打って終わりというようなつもりでのゴルフスイングが少なくありません。これがショートアイアンのスイングの基本と考えても良いでしょう。
しゃくり上げる動きではなく、むしろおさえ気味に低く小さくとるような気持ちが大切だと言うことです。
アマチュア・ゴルファーだとプロと同じようなスイングフォームは難しいかもしれませんが、ただ意識の中で、ひっぱり上げるような形だけはとらないようにしましょう。
自分のショートアイアンのショットが調子の悪い時、意識的にフィニッシュの位置を小さくして、ボールをしっかりつかまえる練習をすると良いでしょう。
インパクトでボールをしっかりとらえて、そしてその位置でフィニッシュするようなつもりのトレーニングです。
そのトレーニングをしたところで、インパクトの直後にすぐクラブヘッドが止まってしまうような事態には、遠心力の関係上起こりません。
しかし、自分の気持ちとしては、低くフォロースルーを止めていくような形を意識しましょう。こうしたトレーニングを積むことで正しいスイングの形が完成するでしょう。
高く振りあげる練習はショートアイアンでは効果的ではありません。そのことをはっきり自覚して、低くヘッドをおさえて出していくような形をマスターすべきです。
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結果的に、ややフォロースルーが高い位置へと移っていく分には、何も問題ありません。
以上、ショートアイアンの振りすぎに関して説明してきましたが、コンパクトなゴルフスイングこそショートアインの基本であることを再認識する必要があることを御理解いただけましたでしょうか。