距離計測器のメリット
近頃は距離計測器をゴルフコースに持ち込むプレーヤーが増えました。
GPSなどの最先端技術を活用した距離計測器は、進化と共に価格もこなれてきたためでしょう。
ピンまでの距離を正確に求めることができるので、キャディのつかないセルフプレーを楽しむゴルファーには非常に重宝なアイテムと言えるでしょう。
このような距離計測器の使用に関しては否定的な意見を述べる人もいます。まず、細かい数字で表示されるとゴルフを難しくするという考え方です。たとえば、ホールの距離表示は144ヤードとか377ヤードといったように、1ヤード刻みの数字になっています。
人間は10ヤード刻み
ところが、ゴルファーはゴルフクラブの番手ごとの距離を10ヤード刻みで普段練習しています。
そのため、ゴルファーにわかりやすい距離表示にしようと思えば、ティーマークを数ヤード前後にずらして140ヤードとか、380ヤードといった10ヤード刻みの数字にすればよいでしょう。
2~3ヤードずらしたところで、大きな問題にはならないはずです。それを半端な数字にしているわけは、プレーヤーにあれこれ悩ませて、惑わせようとする意図が隠されているためかもしれません。
実際に、あるゴルフ場で、月例競技のピンポジションを全ホール、グリーンの中央にしたところ、普段の月例競技で平均2時間20分かかっていたハーフのプレー時間が20分近く一気に短縮したという話があります。
ピンの位置を一定にしただけで、あれこれ悩んで迷う時問が減少して、プレーの進行が速くなったというわけですから、ゴルファーがいかに細かい数字に弱いのかがわかります。
悲観的になる
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距離計測器で正確な数字を測ることで、考えすぎて徐々に悲観的になる傾向があると指摘する意見もあります。
それまでコース内にあるヤーデージ杭から逆算してドライバーの平均飛距離が240ヤードあると信じていたプレーヤーが、距離計測器で測ってみたら230ヤードしかなかったとします。
そのゴルファーは「なんだ、230ヤードしか飛んでいないよ」と落胆するでしょう。
その先は「前はもっと飛んでいたのに」と悲しくなってどんどんネガティブになっていくという話です。
そして、「力み」が生まれ、「あせり」になるというのです。「これじゃあやっていられない」という気持ちにもなります。
これは計測器がどんどんゴルファーを追い込んでいるという説明に使われています。
また、人間が本来持って生まれた本能が低下するとの考え方もあるようです。
細かい数字にとらわれすぎるために、方向性や打ち上げ、打ち下ろし、風の具合などにまで神経が行き届かなくなり、注意力が散漫になるというのです。
自動車にカーナビを導入したら方向感覚が低下したとか、携帯電話を持つようになって電話番号を覚えられなくなったということを本能が低下したと考えてしまう人が言いだしそうなことです。
文明の利器
文明の利器は往々にして人間の持って生まれた本能を奪ってしまうかもしれませんが、他人が使っている武器を自分も利用しない手はありません。計測器だってもちろんそうです。
そして、計測に時間をかけすぎてゴルフスイングに集中する時間がなくなり、焦りが生じるといった点を心配する向きもありますが、これは本人の考え方次第でしょう。
一言で言えば、ゴルフは本来アナログな世界であり、五感を通じてプレーすることが前提だと考える人もいるようです。
風の匂いを嗅ぎ、景色を見て、手のひらに湿度を感じ、足の裏でアンジュレーションを感じながらプレーすることに意義を感じるならそれも良いでしょう。
プレーヤーの錯視を利用しようとするコース設計者の意図を読んで攻めていくというのは、設計者とプレーヤーの知恵比べを楽しむ遊びがゴルフだと言い切る人もいるでしょう。
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同じ150ヤードの表示が出ても打ち上げと、打ち下ろしホールでは違うし、手前にバンカーのある景色と、奥が突き抜けてOBになっている景色では、プレーヤーが感じる距離感や受ける印象は全然別だという人もいます。
しかし、距離測定器はしっかりとそうした勘違いを打ち砕いてくれる頼もしい味方だとも言えるでしょう。
その違いを個々の感性で受け止めながら立ち向かっていく姿勢さえあればよいのです。
だから一人ひとり楽しみ方が違って、ゴルフは奥が深いといわれる理由でもあるのです。
デジタル的に処理した、誰が見ても一緒の数字で対応しようとするのは、こうしたゴルフの楽しみ方を成り立たせるための前提条件になってきます。
これを踏まえた上で、ゴルフの楽しみに自ら封印することのないようなプレースタイルを心がければ良いのではないでしょうか。
ゴルフ本来の楽しみを味わうためには、最初に細かい数字を把握しておいて、そこから自分の感覚を大事にしてプレーする姿勢が現代的と言えるでしょう。
セルフプレーが大流行
近年はセルフプレーが大流行していますが、その影響のためゴルフ場側もキャディを置かないコースも徐々に多くなってきているようです。
セルフプレーの一番のメリットは、キャディフィーが発声しないため料金を安く済ませることができるという点でしょう。
また、気を使わずにプレーできることをメリットと考えているゴルファーも中にはいるでしょう。
しかし、デメリットもいくつかあります。クラブやカードの管理は自分ですし、ボール拭きやピンの抜き刺しもしなくてはいけません。
目土入れなども含めて、普段ならキャディがやってくれる雑用をプレーヤーが一手に引き受けなくてはいけないわけですから、かなりの負担が増えます。
そして、コースについて教えてくれる人がいないわけですから、レイアウト図を見ながらどこが狙い目かということも自分で判断するしかありません。
距離計測器はこうした際の強い味方になってくれることは確かでしょう。
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