アプローチのゴルフスイングを極める
アプローチショットに適した打ち方
アプローチショットと言っても、とりたてて複雑に考える必要はどこにもありません。基本的にアプローチの打ち方は3種類しかなく存在しません。
その3種類の基本さえマスターすることができれば、残りの部分はその応用系と考えられるわけですからどんなものにも対処することが可能になるのです。
アプローチショットの具体的な打ち方とはどのようなものなのかを簡単に説明しましょう。次の球筋がその代表的な打右方と考えて構いません。
具体的には、①ピッチ&ラン、②ランニングショツト、③ロブショツトの3つの打ち方になります。
もうひとつピッチショットという球筋がありますが、これはピッチ&ランの延長上にある上げるショットと考えて構わないでしょう。
基本的には①~③の3つの打ち方でほとんどの場合に対応可能ですから、スイングの種類はこれ以上複雑に考えない方が良いでしょう。そのほうが、ゴルフプレーをシンプルにとらえることができて非常に簡単になるのです。
それではこの3種類の打ち方は、それぞれどのような特徴なのかを順に説明していきましょう。
一口に言えば、ランニングショットは転がす方、ロブショットは高く上げる打ち方、ピッチ&ランはこの両方の打ち方の中間のもので上げてコロがす打ち方です。
さらにピッチショットに関して付け加えれば上げる打ち方の範疇なのだけれどランがロブショットより多い打ち方と考えて良いでしょう。
ポイントになるのは、上げるか転がすか、もしくはその両方を利用するかなのだと覚えれば良いのです。この3つの打ち方さえ理解できれば、もう恐れるものはないといった感じです。
3種類の打ち方の、スタンスとボール位置
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最初に、3つの打ち方で基本的であるがゆえに重要なポイントを説明しておきます。
この基本的な部分を頭に入れてレッスンに臨めば、個々の打ち方が、非常に分かりやすくなるはずです。
その基本的なポイントとは、スタンスとボール位置の関係に絞っても良いでしょう。
スタンスとボールの位置関係は、アプローチショットで非常に重要です。
【ピッチ&ラン】
ピッチ&ランは、オープンスタンスで構えるのが基本です。どのくらいのオープンにするのかというと、ランニングショットよりもオープンです。
しかしロブショットよりはオープンの度合いは低い程度です。ボールのセット位置は、スタンスの中央にするかそれよりもやや右足寄りと覚えておきましょう。
【ロブショット】
ロブショットは、ピッチ&ランよりもさらにオープンの度合いを強めて構えることになります。ピッチ&ランと同等かそれよりもも少ないオープンの度合いで構えることはほとんどありません。
ボールのセット位置も左足力力卜延長上の前後にセットすることになり、かなり外側にセットするイメージです。
【ランニングショット】
ランニングショットは厳密にいえば2種類存在します。ひとつは、スタンス幅をくっつくくらい狭くして、スクエアかそれよりもややオープン気味に構えます。
ボールのセット位置はスタンスの中央にするかそれよりも右寄りにセットするのが基本です。
別なの構え方としては、パットと同じ構え方です。スタンスを広くとって、ボールはスタンスの中央にセットします。そして、ほとんどスクエアに構えるやり方です。
5本のクラブでアプローチショットをマスターする
アプローチショットでは、SW、AW、PW、8番、7番の5本をマスターするとほぼ完ぺきでしょう。
アプローチで使用するクラブについても簡単に触れておきましょう。サンド・ウエッジ(SW)、アプローチ・ウエッジ(AW)、ピッチング・ウエッジ(PW)、8番、7番、の5本です。
見方を変えると、この5本をマスターさえできれば大袈裟ではなくアプローチの達人です。ピッチ&ランは通常SW、AW、Pwがメインです。
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ロブショットはSWがメインです。ランニングショットは場面によって5本のどれも使用する可能性があります。
アプローチでのゴルフスイングで一般に言えることは、ボールのセット位置が身体の左サイドに置き過ぎの人が多いということです。
アベレージゴルファーでは30センチ、シングルプレーヤーに近い人でも10センチぐらい適正な位置よりも左に置く傾向が見られます。
正しいポジションで打っているのは、日本のプロゴルファーでも正しい位置に置いているのは片手で数えられるほどで、アプローチショットでは、ボールを左に置く傾向が強いのが特徴的です。
最初にゴルフを始めた人は、「かなり右に置きすぎではないか」と不安になるくらい極端に右に置いてみましょう。
腕の力だけに頼ったスイング
アドレスとボールの位置が決まったら、次はいよいよゴルフスイングに入るわけですが、アプローチショットは通常のゴルフスイングと比較して体の動きがコンパクトになるため、特にアマチュアゴルファーは腕の力だけに頼ったスイングになる傾向が見られます。
しかし、クラブを腕の力だけで簡単に動かすゴルフスイングは正しいものではありません。
他のショットと同じように考えて、腹筋、背筋、両足の大腿筋といった全体の筋肉を十分に活かして、体の軸でしっかりと回転させる必要があります。腕とクラブは、軸回転の動きにつられて動いてしまうことにすぎません。
クラブと体が常に引っ張り合っている状況を作ることが大切なポイントです。ハンマー投げをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。
ハンマー投げでは、選手の体は常にハンマーとは反対側にある状態で回転しています。ゴルフのアプローチショットも、クラブを動かしたい方向と反対に体を動かすイメージを持つわけです。
アプローチショットは他のショットに比べて、体の動き自体はコンパクトになりますが、腹筋、背筋、両足の大腿筋などの筋肉は十分に使うようにします。
クロスハンドグリップ
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腕だけを頼って最小限の体力で最大限のクラブの動きでスイングするのがアマチュアゴルファーです。
それとは反対に、体全体を使って最大限の体力と最小限のクラブの動きでスイングするのが、プロレベルのアプローチショットです。
腕の力ばかりではなく、体全体の力で打つ感覚をマスターする手段としては、クロスハンドで打つトレーニングをしてみましょう。
クロスハンドグリップは右手と左手を上下逆に握るのですが、こうすれば腕や手首を使いずらくなります。
腕を使えない状態をあえて作り出して、体全体の動きでボールを打つ感覚をマスターするわけです。最初から、ボールをうまくヒットすることは難しいと思います。
何度も繰り返し素振りを行ってから、5ヤードくらいから打ちはじめ、5ヤード刻みくらいで徐々に距離を延ばしていきましょう。
バックスイングでは、ウエートを右に移すことなく左に残しておくようにします。
クロスハンドグリップで練習すること
SWのコントロールショットを上達するためには、まずダフリのミスになりにくいボールと体の位置関係を覚えることが先決です。
そして、重心位置のコントロールをマスターするために、手でクラブを動かす意識ではなく、体のエネルギーをフルに活用してクラブを操作する感覚を身に着けるようにしましょう。
そこで具体的にどのようなトレーニングを積めばよいのかということになりますが、まず試してみたいのは、クロスハンドグリップで30ヤード以内を打ちこなすためのドリルです。
右手を上、左手を下にしたグリップにして、ゴルフクラブを握ります。この状態だとリストコックを抑えることができてくるので、そのままボールを打ってみましょう。
使用するゴルフクラブはもちろんサンドウェッジです。ボールは低くティアップした状態で、短い距離から少しずつ打ち始めましょう。
実際に試してみるとわかるでしょうが、クロスハンドにすることで手でクラブを動かそうとすると、ボールを上手くとらえることが難しくなります。
練習をする場合、腹筋、背筋、腰などに意識を向けて、体のエネルギーをフルに活用してクラブを操作する感覚が必要になります。
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これが体得できると、手打ちやスイング中の緩みなどがなくなり、正しい重心位置をキープしたままハンドファーストに球をとらえるようになるでしょうから、SWでのコントロールショットではダフリになる確率は大幅に減少するでしょう。
アプローチショットやパッティングは、トレーニングを積むほど上達するものです。
アプローチでは、ダフらないで打てるようになると、残り何ヤードだからどれくらいの振り幅が良いという感覚が自然に身につけることができるでしょう。
しかし、最終的には残り距離をさっと見ただけで、体が自然に動くようになるレベルまで練習したほうが良いと思います。
左足を軸にして回転運動
アドレスでは、最初から左足にウエートをかけておいて、そのまま左足を軸にして体の回転運動を行います。
このトレーニングを積めば身体を十分に回転させ、腕の振りは小さくするゴルフスイングのイメージを持つことができるようになるでしょう。
多くのゴルファーが迷う場面の中に、グリーンのカラーまで残り10ヤード、カラーからピンまで10ヤードくらいの花道にボールがあるとき、パターにするか、ウェッジで寄せるかがあります。
この場面では微妙な力加減が必要とされるので、ウェッジを使って寄せる選択をしたときに多いミスが「ザックリ」か「トップ」となります。
ザックリは、いわゆるダフリと同じことで、クラブを上からダウンブローに振り下ろした際に、ヘッドのリーディングエッジがそのまま地面に刺さって起きるゴルフスイングのミスショットです。
グリーン周りの距離のなくて、できればパーで上がりたい場面でのミスショットだけにメンタル面でのダメージが大きく、ショックが残るものです。
その裏返しとして、ザックリを警戒しすぎて今度は両手をガチガチにして、真芯のようなストロークをしてボールの頭を叩くとトップです。
こうしてグリーン周りが苦手になるゴルファーは少なくありませんが、そうならないよう、ザックリを回避するゴルフスイングの方法をしっかり覚えておきましょう。
ザックリが多い人に共通してある点は、ヘッドを打ち込む意識が必要以上に強すぎるということです。
ザックリから逃れてアプローチ名人になりたければ、ヘッドを打ち込む意識はなくして、ホウキで掃くようなイメージでゴルフスイングをしましょう。
ホウキで掃くイメージでヘッドを低く、水平に
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いちばんやさしい寄せ方は、ロフトの立った7~9番アイアンを使用したランニングアプローチです。
ですが、SWやAWを使う場合はフェース面が7~9番アイアンと同じ角度にくらいロフトを立てて構えるのがコツです。
ボールの位置は右足前になるようにして、ハンドファーストに構え、ホウキを掃くイメージでヘッドを低く引き、低く出すようにします。
この際、インパクトの直前からインパクトにかけては、本当にホウキを掃くようにグリップエンドを左上に引き上げてやるのがゴルフスイングのコツになります。
ヘッドは地面すれすれのところを水平に動いてくれて芝生の上を滑って、その結果、低く打ち出されたボールはバックスピンが減るため、球足の長いボールが期待できます。
「ヘッドを低く、水平に動かす」というイメージは、ピッチ&ランで寄せるとき、また上げて止めるピッチショットでも有効です。
ピッチ&ランでは、通常はAWかPWを使います。ボール位置はランニングアプローチの場合よりもセンター寄りとします。中央と右足の中間くらいと考えるとよいでしょう。その位置でAWを普通の口フト通りに構えてみます。
あとはランニングアプローチのときと同じ要領で、インパクトゾーンでヘッドを低く水平に動かしてやるだけでよいのです。
上げて止めるピッチショットの場合は、ボールをセンターよりも左足寄りにセットします。クラブフェースは開いて構えます。使用するクラブは、AWが多いでしょう。
AWを開いて構えると、リーディングエッジが地面より少し浮いた状態で、ソール部分の丸みが使えます。この丸みはバウンスと世慣れる部分で、スキー板の先端と同じ機能と考えても良いでしょう。
スキーの板は先端に丸みを帯びているるせいで、雪の上を滑るときでも先端が潜る心配はありません。
ウェッジでも、バウンスをうまく使うと、ボールの手前10センチのところにヘッドが入ったとしても地面に突き刺さらず芝生の上を滑ってくれるのです。
そしては肘をやわらかく、ヘッドが地面をこするように低く引き、低く出して、ボールの手前からクラブのソールを滑らせていく要領のゴルフスイングをします。
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関連用語
ゴルフスイング,アプローチ,クロスハンド
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