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「湊御殿」移築計画
2000年5月15日 和歌山市文化財室報道関係発表文書「湊御殿の移築先養翠園に決定」

和歌山市指定文化財(建造物)湊御殿が吉田友香子氏から和歌山市に無償寄付されましたが、移築先として十分検討してきた結果、国指定名勝 養翠園に決定しました。
養翠園は、江戸時代後期に紀州10代藩主徳川治宝(とくがわはるとみ)により造営された池泉回遊式の大名庭園です。
この養翠園は、もと紀州藩士山本理左衛門(千八百石)の下屋敷の建造物を修築して利用したことが現存する御門長屋正門の山本家家紋入りの鬼瓦などから判明します。
紀州藩が山本家の下屋敷をいつ、どのような経緯で藩の御用地にしたかを示す記録は定かではないが、治宝が西浜御殿(現 和歌山工業高校付近)を隠居所とした文政10年(1827)より少し以前であろうと推測されています。
また養翠園の作庭については将軍家御庭師山本某と伝えられ、山本家の先祖については江戸時代初期に活躍した著名な庭師で、織部流の茶人でもあった山本道勺(やまもとどうしゃく)の子孫かと思われます。
治宝死去後、養翠園は藩家老三浦家に下げ渡されたが、明治21年(1888)徳川家が三浦家から買い戻し、別邸とした。 その後、昭和8年(1933)徳川家から藤井順氏に売却され、今日まで全国有数の名園として維持管理されてきました。
和歌山市が養翠園を湊御殿の移築先として選定した主たる理由は、紀州徳川家ゆかりの御用地に11代徳川斉順(とくがわなりゆき・将軍家斉の子で治宝の婿養子)が天保5年(1834)に造営した湊御殿を移築するのが最適と考えました。
湊御殿が章魚頭姿山(たこずしやま)を借景として、養翠園の芝生地(藩政時代の桃畠跡)で一層映えることでしょう。

上記の文書のように和歌山市指定文化財(建造物)湊御殿が養翠園に移築復元整備されることに決定しました。
江戸時代 現和歌山市内にはいくつもの御殿が有りましたが、旧地に現存するものはなく、西浜御殿からの別業庭園 養翠園 が藩主の使用した場所、建物で唯一旧地に旧状のまま遺されたものです。 今回、移築保存されることが決定した湊御殿の建物も御殿内にあった沢山の建物の一部で形状より藩主の御座所で有ったであろうと推測はされますが、御殿全体の構成が不明なため、推測の域を出ません。
今回の解体移築復元により、調査され少しでも解明されればと期待しております。
また、湊御殿全般にわたり資料が非常に少なく、「自分の所に湊御殿の図版や文書があるよ」とお気づきの方が居られましたら是非教えていただきたいと思います
2000年8月より養翠園の一隅に保存小屋を建設し、現在、和歌浦に存する湊御殿を解体し、保存収納いたします。 文化財建造物で一番大切なのは解体時の調査で、丁寧な調査、解体、収納の後、実施設計が行われます。 私にとっては平成3年度〜6年度に渡った養翠亭に続く2度目の文化財建造物の解体修理で、個人で2度もこの様な経験をさせていただく事を非常に喜んでおります。

今後、このページで湊御殿の移築の進捗状況などお伝えしていこうと思っております。

2000年9月15日 養翠園 藤井 清

江戸時代「湊御殿」は何処に有ったのでしょう。

現住所 和歌山市湊御殿(地名としては残っているのです)

お城の南西2kmほどの位置になります。お城から湊御殿にいく通りを湊通町と言い、今でも地名として残っています。

 左図はクリックすると拡大します。
現存する「湊御殿」 和歌山市和歌浦東に有り、もうじき解体され、養翠園に収納されます。

養翠園に仮設中の保存収納小屋
仮設 仮設

平成12年11月1日より解体が始まりました。
解体は各部材に番付する事から始まります。 解体途中の湊御殿 深い軒の出は跳木によって支えられています。 吊り束の状態
御殿は床下も太い足固めが施されています。 解体した部材は養翠園の保存小屋に収納されます。 屋根瓦の解体では一枚一枚状態を調べながら解体します。 屋根瓦の解体
体された材は丁寧に水洗いされます。 水洗いされた材は乾燥させ収納を待ちます。 組上げ順を考え、部材ごとに収納場所を考え収納されます。 12月末、解体収納が無事完了しました。


平成13年度 「湊御殿移築復元工事」が始まりました。
庭園の「芝生」に移築復元するため周囲の樹木を移植、伐採することから工事が始まりました。
整地後、周囲に鉄板を敷き、この上に足場を築きます。そして工事の安全、保安のため周囲をトタンで覆っています。
基礎工事 割栗石、目つぶし石を引き下地コンクリート打ち、鉄筋組筋、基礎コンクリート打ち、基礎石を置いて完成。
2002/1月より工事中建物を覆う素屋根を架け、いよいよ軸組の組立工事が始まりました。
2002/3月末に至り、梁まで組みあがりました。 大きな材はクレーンで素屋根の中に運び込み、素屋根をトタンで葺きます。
出庇の施工 1 出庇の施工 2 出庇の施工 3 跳木 壁 木舞カキ
平成14年6月に至り、棟が上がりました。 6月15日には和歌山市教育委員会により現場見学会が催されます。
野地板の施工 野地板張り完成 とんとん葺き施工 とんとん葺き完成
瓦工事施工開始 瓦工事 瓦工事 内部では造作工事

最終更新日 2002年9月5日


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