初心者のための咲-saki-麻雀解説 第7話 1

咲めちゃめちゃ面白いな! 女子高生の麻雀と思って油断したわ!
大会も始まり、いよいよ原村和の実戦デビュー戦ということで注目が集まる対局でございますー。
強いって言っても中学生のチャンピオンで、高校生レベル。たいしたことねーだろ。

こんなのは所詮はガキの麻雀だ。

まあ、中学生のチャンピオンというレベルならば、作中でも藤田靖子のように上位の存在もいるので特筆すべきではないが、原村和にはネット麻雀で伝説的な強さを残したハンドルネーム「のどっち」としての側面がある。

これは看過できぬということで、今回は徹底的に原村和を分析することにした。

のどっちがネット麻雀の伝説だというならば、こちらもネット麻雀の伝説で対抗しうるしかないということで、今回は東風荘で伝説的な強さを誇ったハンドルネーム「@氷室@」こと氷室先生に意見を伺うことにした!

氷室先生のインタビュー記事はこちらにご用意しております。
氷室氏の意見が聞けるのは興味深いな。
まずは全般的な部分からの疑問ですが「原村和はネットでは最強だがリアルではまだ未完成」という設定になっております。

この原因は竹井久によると、リアル麻雀特有の雰囲気やいろいろな存在による集中力の欠如などと推測されております。
う〜ん、そもそもネット麻雀とリアル麻雀では打ち方は変るものか? 

同じ麻雀なので、やってることは同じだろ?
まずルールが違うんで打ち方に差は出てきますが、そういう意味ではないですか?
ルール違うの? そういう意味でもかまわんので続けてほしい。
一般的にリアル麻雀はトップオカっていうのがあって25000点持ちの3万点返し、トップに差額の2万点返ってくるわけです。だからリアル麻雀はトップをとることを重視しますね。
トップオカとは、最初の持ち点が25000点、プラスとマイナスの基準が30000点とすると、全員に5000点の差額が生まれます。この差額分20000点(5000点×4人)がトップの総取りになるので、トップと2位では点数状況に大きな違いが生まれるということです。
ネット麻雀の東風荘や天鳳でもトップオカは設定されているだろ?
東風荘は平均順位のみです。ですからトップに特別な意味合いは無いですね。
誤解なきように説明させていただくと、表面上はネット麻雀でもトップオカはございます。27000点持ちの30000点返しなので、3000点×4人分がトップの総取りなります。

ただし、東風荘や天鳳で用いられる実力の指標「R(レート)」は順位を基準に計算されているということですな。

例えば、役満が炸裂して60000点持ちの大勝! 全員をへこませたような状況でも、あるいは31000点ぎりぎり逃げ切ったー、という状況も、1位は1位でかわらない。

Rの変動は何点持っていたかというのは関係ないんですな。重要なのは何位で終了したのか? という点です。

くわえて、ネット麻雀の成績を競う場合は「平均順位」という指標で比べたりする。

ずっと1位をとり続ければ平均順位は1.00、ずっと四位だと4.00、1位から4位をまんべんなくとれば平均順位は2.50となる。

氷室氏の800試合での成績は平均順位2.26。だいたい、1000試合やって平均順位2.35を下回れば、かなり強いと認識される。

原村和もおそらく、ネット上での伝説的な強さを誇ったというならば、水準としては平均順位2.30周辺の実力者ってことだろうな。

どちらにしろ、何点の点数を獲得したか? よりも、何位を何回とったか?に重点を置いて競われているのがネット麻雀ということになる。

反対にリアル麻雀はギャンブルとしての側面が強いので、平均順位が何位とかではなく、最終的に「何円儲かったか?」の収支で計算されます。

金額のレートは普通は麻雀の点数1000点あたり100円(テンピン)や50円(テンゴ)が一般的でしょう。

必然的に収支をよくしようと思えば、点数を大量に持って終わる必要がある。点数を大量に獲得しようと思えば、トップになり先に説明した「トップオカ」を獲得する必要があります。

1位がもらえるトップオカ20000点はテンピンなら2000円相当、テンゴでも1000円になるので、収支に大きく影響します。
後はリアル麻雀はご祝儀の問題も大きいですね。

一般的なフリー雀荘、テンピンのレートのお店なら一発赤裏に500円つくのが主流、点5でも100円付くので収支に与える影響は大きいです。
ご祝儀?
ネット麻雀でも「ハンゲーム」など一部で採用されておる。

麻雀の点数のやり取りとは別に、偶然性の高い役などに特別に点数以外のやり取りが行われる。チップという形もあるし、直接、現金でやり取りするケースもある。

一般的にチップのやり取りがあるのは

などの赤ドラを持ってあがると1枚につき500円〜100円

・リーチをかけてあがり裏ドラ1枚につき500円〜100円

・リーチをかけてイッパツでツモすると500円〜100円

・役満をあがるとボーナス

ロンの場合はロンした人から、ツモの場合は全員からもらえるので、ツモすると祝儀の金額がかなり大きくなります。ツモのほうが断然お得!

東風荘や天鳳では、このルールは採用されておりません。順位重視なので、あまり関係ないのでしょう。
一般的なフリー雀荘でタンヤオ赤牌1枚で聴牌(テンパイ)してるとして、ロンなら2000点とご祝儀500円をもらえる。

ツモなら子500点/親1000点とご祝儀が500円を全員からもらえます。つまり1500円ももらえる。500円といえば、テンピンのレートでは5000点分に相当します。

一発、裏ドラも同じです。

リーチ一発ツモ赤裏とかなら、マンガン8000点にご祝儀が1000円全員から。3000円といったら点数換算で30000点、役満に近いです。
リアル麻雀は祝儀の比重が高いな。儲けようと思えば祝儀を考える必要があるのか。
相手がツモった時、こちらは逆に払わなければいけないのでイマイチな手牌からでも先に和了(あがる)るってのが大事なんですよ。祝儀引かれる事を未然に防ぐわけですね。だから麻雀がスピード重視になる。

祝儀ありのリアル麻雀、同じ役で

・赤牌1枚テンパイ

・普通のドラ1枚テンパイ

祝儀が期待できる前者はまず降りる事はないですけど、後者ならそうでもない。

リアル麻雀は押し引きが押し気味、手作りがスピード重視という感じですね。

役満の場合はどういう祝儀がもらえるのか?

祝儀額は店によりますけど、知っているお店はツモ2000円オールで合計6000円。ロンの場合は3000円を相手から。つまり、ツモしたほうが得ですね。倍違います。

役満ツモの方が祝儀を多く期待できるならば、あえてロンみのがして、ツモにかけるって選択はよくするか?
そこまではしないですよ。役満ロンの場合はそれでトップ確定で終了できる事が多いので。そうじゃないにしても見逃しまではしませんね。
なるほど。よくわかった。

ネット麻雀は順位が重要なので、少しでも上位の着順にこだわった麻雀をする。

反対にリアル麻雀は金銭の収支を重視するので、大勝が狙えるトップを強引にでもとりにいく。リアル麻雀は押し引きが押し気味になるわけか。
野球でいえば、ホームラン王を狙うならばパワーが求められますし、打率をあげて首位打者をめざすならば、内野ゴロでもヒットにできる俊足などが求められる。そもそも、競い合っている基準が違うので、違う能力が求められるということになるでしょう。
原村和は祝儀ありの麻雀に対応できてないってことか?
いや、高校生の大会なので、原村和がリアル麻雀に対応できていないというのは、もっと別な理由になる。そもそも、この大会は祝儀とかないし。

竹井久の指摘も含めて検討していく!

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