咲-saki-麻雀解説 第2話「勝負」3/3
続きです。またネタバレしているので見てない人は気をつけるといいかも・・・。
七対子(チートイツ)
東三局の2本場で片岡さんが原村さんからあがってるじゃない?
これはなんて言ってるの?
このタコスの片岡さんが原村さんから7000点あがるシーンは、原作では省略されているんじゃが、アニメではセリフに出ているわな。
さすがの和(のど)ちゃんも、私のダマチートイとは読めないようだなー
関係ないが、この「チートイ」が「チーパイ」に聞こえてしまって「チーパイって何?」と小一時間ほど悩んでしまった・・・。チーパイと聞こえると、もうそれ以外には思えない空耳アワー状態におちいってしまったんじゃな。麻雀ライターの福地君に質問してみると「チートイじゃないですか」と言われて初めて気が付いた!どうでもいいんじゃが。
チートイとは「七対子/チートイツ」という役ですね。2飜役です。
麻雀の基本形「3*3*3*3*2」を崩した「2*2*2*2*2*2*2」になる例外的な役ですね。ニコニコなどと呼ばれ、形の覚えやすさもあって初心者には好まれる傾向があります。アメリカ生まれの役だという説もあります。
例外的な形の役ではありますが、1種類の数字牌+漢字でつくる混一色(ホンイツ)や数字の2~8で作る「タンヤオ」などとも複合が可能です
字牌と一種類の数字で作る「ホンイツ+チートイツ」
数字の2~8だけで作る「タンヤオ+チートイ」
ダマ(ダマテン・ヤミテン)
「ダマ」ってのは、リーチできる状態なのに、あえてリーチせずに黙っている状態を指すんじゃな。テンパイしているのに黙っているので「ダマテン」とか「ヤミテン」などと呼ばれる。
リーチは宣言すると、先に紹介した「イッパツ」などの役も期待できて点数が高くなるわけじゃが、わざわざ相手に「テンパイしました!」と教えてるわけじゃからどうしても警戒される。あがれる可能性が低くなるわけじゃから、あえてダマを選択するのも戦略じゃな。
リーチできるのに、リーチをあえてしないってどんな状況なの?
ダマを選択するケースとしては
・高い点数がいらない場合
これは終盤で逃げ切り体勢に入っている場合や、自分が1000点でもあがればゲーム終了って場合じゃと、わざわざ点数を高くして警戒されるリーチをしない場合もあるわな。
・リーチしなくても高い点数の場合
リーチするとあがれる可能性が低くなるわけじゃから、ダマでも18000点とか高得点が狙えるならばダマもありじゃな。
で、チートイツは捨てる牌に脈絡がなく極端な話ではこういう捨て牌じゃったとする。
こんな捨て方をしてたら、誰だってマンズは安全じゃと思う。
ところが、チートイツの場合は
こういうテンパイの形ででロンって可能性もあるんじゃよ。
こんなの、誰も予測できんじゃろう。
チートイツというか、最後の頭を待つ「単騎待ち(タンキ待ち)」と呼ばれる待ち方
(タンキ待ち)
これは本人が捨てた牌以外は何があたっても不思議ではないんじゃな。
今回はダマで、チートイツの良い待ち方だったから、さすがに原村さんでもロンされちゃうってことね。
画面を見る限り、まだ序盤じゃしダマのチートイツなんて、おそらくみんな警戒しとらんじゃろう。上手いひとは、捨てた牌から相手の手の進み具合を察知して、相手がダマでも危険牌を止めたりする。
中盤から終盤になったら、ダマでも捨てた牌から警戒されるんじゃが、序盤ではさすがに無理があると思う。
この前、天鳳の「プロチャレンジ」というイベントで、2チャンネルの麻雀版の強豪、六分儀君の止めた牌が話題になっておったわな。
このシーンですね。中盤ですが、誰からもリーチは入っていません。
ここで六分儀君は独自の嗅覚で危険を察知しを捨てずに、自分の手を崩したんじゃな。たいていの人なら、捨ててしまうんじゃないかと思う。これは主に左側と正面を警戒してのことじゃった。
で、よく見るとは正面のダマでの当たり牌なんじゃよ。なんで捨てるのを嫌がったのかってのは、ご本人がブログ「初中級者のための麻雀何切る問題集」で解説しているので、気になる人は見てみたらいいと思う。
上手い人は処理している情報量がハンパないわな。
さすがですねー。さすがてむ!
見ている人は、ほんとにいろいろ見てるのねー。
四暗刻(スーアンコウ)
戦術的な部分はまたどこかで別の時間をとろう。
さて、オーラスに 「四暗刻/スーアンコウ」と呼ばれる役満が初めて登場するわな。
最初に言っておくが、役満の中では比較的、見かける部類といってもいいじゃろう。役満の御三家は「四暗刻/スーアンコウ」「大三元/ダイサンゲン」「国士無双/コクシムソウ」の3つなんじゃが、おそらく、今から麻雀を始めた初心者が最初にあがる役満はこの3つのどれかになるじゃろう。
麻雀役37位中、四暗刻は第26位にランクイン!
すべてのあがりに占める出現割合は0.049%
出現率は役満12個のうちでは、トップの1位ですね。一番あがりやすい役満であるといえます。
この形であがりなんじゃが、用語の説明をしておこう。
まず「四暗刻」の意味は、文字通り「暗刻を4つ」という意味なんじゃな。最初に少し触れたが
のように数字の3連続を「順子/シュンツ」というんじゃ。
反対に
同じ牌3枚を集めるのを「刻子/コーツ」って言うのよね。
ここから、分類すると刻子は「暗刻/アンコウ」と「明刻/ミンコウ」に分かれる。
暗刻とは3枚全部を自分の力で集めたもの。すべて自分で引いてきたものを指す。
明刻は相手の力を借りるポンして集めたもの
ポンしたものは誰からポンしたかわかるように席に対応した牌を横にするんじゃよな。
なので以下のような形は「四暗刻」にはならないわけじゃよ。
ポン
暗刻が3つ+ポンをして集めた明刻が1つ。
数字の連続である「順子」が1つ+暗刻が3つ
ただし、三暗刻という2飜の役もあるので、そっちになってしまう。
ちなみに二暗刻という役はないよ。
全部、自分で引いてこないといけないってのは大変よね。
今回、咲ちゃんの場合はカンも入ってるけどいいのかしら?
この「暗カン」の場合は4枚とも自分の力で集めているので、扱いは暗刻と同じになる。四暗刻を構成する1つとしてカウントしてもいいぞぃ。
4枚目をもらうこっちはアウトなんで注意が必要じゃな。3枚持っている時に4枚目をもらう明カンは、手持ちの暗刻ごと消滅するので気をつけておくれよ。
初心者のみなさんに注意事項として、よく見かけるパターンなんじゃが
(テンパイ)
であがりのパターン。今回の咲ちゃんも同じケースじゃがこれは
・ツモ → 四暗刻が成立
・ロン → 三暗刻になる
という点は注意がいる。暗刻は「自力で3枚集めたもの」なんで、最後にロンしたものは、自力で集めていることにはならんのじゃよ。
をロンって言えば、最後のは暗刻ではなく明刻になるんじゃな。
こういう状態を「ツモリ四暗刻」とか「ツモスー」と呼ぶわな。
四暗刻確定のパターンも有名ですね。
すでに暗刻が4つ完成している場合、これを「四暗刻 単騎待ち(タンキマチ)」俗に「スッタン」と呼んだりしますね。役満は親48000/子32000点ですが、この四暗刻 単騎待ちは特に難しいので、ダブル役満として 親96000/子64000とするルールもあります。
今回、咲ちゃんは「リンシャンカイホウ」であがってるが、基本的に役満は13飜なんで、それ以上の点数はない。役満は役満でしかないんじゃな。スーアンコウ・リンシャンカイホウみたいな複合はせんよ。仮にしたとしても点数はかわらんし。
役満は基本的に役満としか複合しないんじゃな。四暗刻+大三元
このような役満複合は可能性としてはあるので、この場合はダブル役満とするケースも多いわな。
という具合で今回の説明は終わりにしておこう。
次回予告のおまけ
今回の次回予告も何かのパロディなの?ヤマカサのハヤシがなんとかって。
おそらく「山笠の囃子」でしょうね。
山笠とは福岡の「博多祇園山笠」というお祭りで、「おっしょい」という掛け声、祭り囃子が有名ですよね。
わしもよくわからんかったので、麻雀ライターの福地君に伝書鳩を飛ばして聞いてみたんじゃよ。
それでわかったんじゃが、今となっては「沈黙の艦隊」や「ジパング」で有名な「かわぐちかいじ」さんの『巷説麻雀新撰組はっぽうやぶれ 』という漫画が元ネタらしいんじゃよ。この漫画の主人公・花島タケオも博多男児で、漫画の中で「山笠の囃子が聞こえるたい」というセリフがあるみたいなんじゃな。で、この花島タケオのモデルになっとるのが、日本プロ麻雀連盟の初代会長であり、阿佐田哲也さんと同時代を生きたミスター麻雀こと小島武夫プロなんじゃな。小島プロも九州の出身じゃな。
小島プロは随分とお年をめされたが、今でも麻雀格闘倶楽部などにも参戦しておる。麻雀界の超大御所じゃな。詳しいことが見たい方は「小島武夫の作品」を見てもらえばプロフィールなども解説している。
さすが福地センセ!麻雀のことならなんでも知ってる!カッコイイ!
ブログ見てる限りは、はしゃいでるおじさんにしか見えないのにね・・・
というわけで、第2話の解説は終わりじゃな。
おつかれさま。短くまとめたいんじゃが、なぜか長くなるわな・・・。