ミノーチューニング/取り扱い説明

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更新日 2012-05-22 | 作成日 2010-03-26

ミノーチューニング

ハンドメイドは殆どの素材がウッドで、微妙に個体差が有ります。
これがハンドメイドの良さですが、その個体差をチューニングして補正または、好みの動きに変える必要が有ります。
また、魚のランディングや根掛かり、流木などでアイが力を受け動いてしまった際にも修正する必要が有ります。

S.A.V.Aはギリギリまでバランスを崩しチューニングを施す事で、トローリングミノーに不可欠な”ダート&イレギュラー”を演出しています。チューニングを覚えればかなりの範囲でチューニングが出来ますので、その日その場所、自分にマッチした動きを演出する事が出来る様になます。

用意する物

1448.jpgリップチューニング:ターボライター
1446.jpgアイチューニング:ペンチ なるべく先端が平な物の方がやりやすい
1449.jpgフックチューニング:スプリットリングプライヤー

リップチューニング


  1. リップの根元にターボライターの炎を通過させる様に、表裏数回に分けて暖める。
  2. リップの先端部を少し押して柔らかくなったか確認する。
  3. この作業を少し力を入れただけで曲がる位まで行う。
  4. 好みの角度になったら、暖めた部分に水を付け急速に冷やして固める方が角度を決めやすい。

リップのチューニングは、通常ミノーの基本的な動きを出すのに行う。例えば、回ってしまうミノーの場合、リップを寝かせれば回らなくなり、逆に全然動かないミノーの場合は、リップを立てれば動き出す。
また、アイでは調整しきれないボディーの傾きや斜行なども、リップ調整をすれば矯正する事が出来る。

例えば、どうしても右に傾いたり、右に斜行してしまう場合は、リップの左端を前に右端を後ろに少しねじる様なイメージでリップを修正すれば良い。
ただ、このチューニング方法はS.A.V.Aのミノーに使用している材料のみに有効で、他のメーカーのミノーに実施した場合、泡を吹いたり燃えたり強度が極端に無くなってしまう事が有るので、要注意である。

アイチューニング

アイに対して垂直方向

1452.jpg

  1. ペンチで、曲がる部分を考慮して挟む。
  2. そのまま曲げると、アイの根元の樹脂が破損する恐れが有るので、ペンチの先端部で挟んだワイヤー部を曲げる様なつもりでゆっくり力を加える。



アイに対して水平方向

1454.jpg

  1. ペンチでアイの輪を潰す方向に挟む。この時、潰されて変形した際に頂点(ラインの位置)となる部分を通る直径方向と平行に挟む。
  2. ゆっくり力を加え変形させて行く。 

アイ調整の際に、最も気を付けなければならない事は、アイの根元の樹脂がアイから剥離しない様にする事である。こうなってしまうという事は、動きを根本で変える必要が有るので、根本的な動きをリップ調整してから、アイで微調整しなければならない。
もしなってしまった場合は、染み込まなくなるまで、瞬間接着剤を吸い込ませて応急処置を施さないと浸水し、ミノーの白濁や爆裂の原因となってしまうので要注意である。
アイ調整は、ミノーの引かれる支点(アイの頂点)を動きの出ている方向と逆に動かす様にすると、以外と簡単である。
例えば、右に斜行してしまう場合は支点を左に移動し、ミノーの姿勢が右に傾いている場合は、左周りに少しひねれば良い。
支点の上下移動の場合は、上に行くに従ってミノーの安定感が増し、下に行くに従って不安定になる。


フックチューニング

フックのチューニングには2通り有る。
 一つはフックを外す方法で、もう一つはフックのアイを曲げる方法である。フックは、ミノーにとってはバランサーの役割を果たす。フックの重量というより、引かれた時に発生する抵抗が大きな役割を果たすのである。
この事から、フックを外せば、ミノーの動きに大きく影響する。
基本的にS.A.V.Aミノーは、テールフック一本だけでも動きが出る様にチューニングしてあるので、動きを大きくしたい場合や、より低速で引きたい場合は、前のフックから外してチューニングする事が出来る。
ただし、特に銀山型の場合はテールフックに掛かる様にチューニングしてあるので、テールフックだけは外してはいけない。
 次にアイを曲げる方法である。前述した通り、フックはミノーにとってバランサーの役割があるので、これを左右に移動する事で、ミノーの傾斜を修正する事もできる。また、左右にバランスを崩す事で、イレギュラーな動きを演出する事も可能である。
アイの曲げる方法は、アイ調整の項目に記載してある様にする。



ミノー取り扱い説明

ハンドメイドミノーはかなり繊細な作りをしている為、使用中や使用後には下記の事に気を付けて下さい。

使用中

  1. ミノーに急激な衝撃を加えない。特に、春先など気温や水温が低い時にルアーチェンジの際、水中から引き上げたミノーを船縁等にぶつけるのはボディーを破損する可能性が有ります。
  2. 魚を釣ったり根掛かりを回収した等、リップやアイに力が加わった際には必ずリップの取り付けやアイの根元の状態を観察して下さい。
  3. 炎天下の下で、直射日光に当てるのは避けて下さい。タックルケースは不透明でなるべく日陰に置いて下さい。無理な場合はフタを密閉せず、中が蒸れない様にして下さい。

使用後

  1. 表面の水分を拭き取り、風通しの良い場所で水分を乾かして下さい。
  2. リップの付け根やアイの根元に破損や隙間が出来ていないか確認して下さい。
  3. 使用後は、絶対に蒸らさないで下さい。特に炎天下の車の中にタックルケースにしまったまま放置しないで下さい。