進水式 琵琶湖編
いよいよ琵琶湖に向かう時がやって来た!!。
初めて琵琶湖でトローリングをしてから、ずっと夢に見ていたマイボートライフの始まりである。
まずは、試練の約500kmの移動である。北海道の友人に、中古の素性の解らないトレーラーでの移動は自殺行為だと脅されて、かなり心配ではあるが、行くしか無い!!
ルートは関越で群馬から東京に入り、中央道で琵琶湖に入るルートを選択した。中央道は東名より大型が少なく、ある程度マイペースで走行出来る事から楽に移動出来る。
友人と0時に東京の自宅で待ち合わせ、出発した。
調布ICから中央高速にのり、友人の忠告通りアベレージ80km/hで走行した。最初の休憩は談合坂SAだ。トレーラーのホーシングが熱を持っていないか確認する為にピットした。いつもは、ノンストップで木之本まで走るので、談合坂で止まると、先が非常に長く感じられ気が重くなってしまった。トレーラーのホーシングは全然熱を持っていなく、大丈夫そうだった。
再び走り出して、双葉、諏訪湖と止まる度に確認するが、全然熱を持っている様子が無い為、アベレージを90〜95km/hにあげて、ピットの間隔も広げて走行する事が出来る様になった。
おかげで、スムーズに進む事が出来て、am6:00には木之本のコンビニに到着する事が出来た。
駐車場に入ると、現地で待ち合わせしていた地元のU氏が丁度朝飯を買っている所だった。
U氏は、私を琵琶湖に導いてくれた人で、琵琶鱒のトローリングの情報が皆無の時に貴重な情報を教えてくれた人だ。非常に感謝している。もし、この人が居なかったら今の琵琶鱒フィーバーは無かったと言っても過言では無い。
今では、琵琶鱒でメジャーになったアミレンタルボートも、U氏に紹介されて最初に船を借りた際は、ホルダーの取り付けベースが縦40cm幅30cm厚み30mm位の一枚板が船縁にボルトで固定され、まるで何かのアイテムの様に突き出し、その上端にホルダーをセットしてトローリングすると、丁度頭の位置にロッドが来る様な状態だった。そこまでマイナーな釣りだったのである。
そのU氏に進水式の為に、シャンパンをプレゼントして頂いた。つくずく周りの友人達の暖かさに感動した。
買い物を済ませ、アミに向かった。
到着すると、2代目が出迎えてくれた。
船を見てビックリしている。余りの船体の状態の良さにびっくりしたのだそうだ。
実際10年も係留保管されていた船と聞かせれると、浮いているのもやっとな船を想像するのが普通である。
幸いにも三郎丸は、淡水の湖に浮いていた為、船底塗料も施されていなかったので、表面の苔を落とせば下地は新艇の様にピカピカで、傷もついていなく非常に状態が良かった。
しばらく話をして、二本松に向かった。
ここの湖岸道路は関西屈指の桜の名所で、丁度この日は八分咲き。まるで三郎丸を待っていたかの様なタイミングだった。無事到着出来たし、友人からはシャンパンをプレゼントされたし、桜の花が迎えてくれて最高の気分だったので、前回の神流湖での不調は頭の中から消し飛んでいた。
二本松に到着し、船外機を浸かる位までトレーラーを下げて進水式を行った。シャンパンを抜き皆に祝福してもらい、いざ湖にーーーーーーーーー。
やっぱり吹けなーい!! 急に現実に引き戻された。何回やっても同じである。
ブルーになっていると、皆釣り師である。
”取りあえず釣りしながら考えようよ!!”と一言。
まー考えても仕方が無いので、3人乗船で始める事にした。船に乗って用意が終わると、睡眠不足からかなりの睡魔に襲われた。三郎丸は小さいがキャビンクルーザーのはしくれである。キャビンは小さいが、一応180cm位の身長の私が足を延ばして横になれるスペースは確保されている。友人に船は任せてキャビンに潜り込んで毛布を掛けると直ぐに意識を失った。
どれ位時間が経ったのだろうか?船が波にたたかれている音で目が覚めた。友人に尋ねると約2時間熟睡した様である。外は天候が一変していて北風が強く吹き付け、大浦の奥から風波が出ていた。二人は風と波しぶきで凍えていた。
”どうしたの?”と声を掛けると、逆に”こんな寒い中で良く寝れるねー!!”と言われたが、キャビンの中で毛布にくるまって居る私はぽかぽかで、非常に快適だった。
キャビンの中から出たくは無かったが、天候が変わった事と、波が出始めた事から上がる事にした。
この時点で、釣果は50cm位他40代が数本釣れていたので、進水式の結果としては十分だった。
キャビンから出て操船を替わりつづら尾から二本松に横波を受けながら大浦を横切った。やはり吹けないのがネックとなって、波を被りながらかなり時間が掛かってしまった。無事トレーラーに乗せたのが、pm3:00だった。
アミに戻るとオヤジさんが、2代目に聞いたのか”船調子悪いんやってなー? 船屋に頼みまひょか?”と声を掛けて来た。それまでは、専門家に見てもらおうかな?と思い始めていたのだが、どうもへそ曲がりで、他人に言われると”いや自分で何とかする!!”とついつい言ってしまう。
体が冷えきってしまっていたので、U氏と別れ温泉に向かった。温泉につかりながら考えても出来る事はキャブをもう一度ばらす事くらいしか思い付かなかった。夕食を澄ませアミに戻ったのがpm8:00だったが、艇庫の電気の下でキャブをばらす事にした。約2時間掛かり分解清掃を澄ませたが、これといって原因は見つからなかった。
後は翌日にまたテストをするしか無いのだが、改善している実感は無かったので、もやもやした気持ちのまま床に付いた。
翌朝は8時に起床。オヤジさんと挨拶を交すと”ゆんべは何時までやってはったん?”と聞かれ”10時位かな?”と答えると”まめやなー!!”とあきれられてしまった。どうも、マイボートを持っている人は殆ど船屋に修理は依頼している様である。そんな会話をしながら、用意しam9:00に二本松に出発した。
現場に到着し、船を湖に出して”また吹けないんだろうな”などとぼやきながらアクセルを一気に全開にした。”ここで息継ぎが出るんだよなー!!”と思った瞬間一気に5500rpmまで吹き上がった。”ウソ”と思いながら一度戻しまた一気に全開にした。何度やっても吹ける!!最高速は空荷状態で47km/hと絶好調である。
友人をトレーラーまで迎えに戻り釣りに出た。魚は釣れたと思うのだが、船が絶好調になった事の余りの嬉しさで釣果は覚えていない。
船も絶好調になり、心に引っ掛かっていた事も無くなった為、暫くは毎週の様に通う事になりそうである。
現地に到着すると”お帰り!!”と言われるのも時間の問題である。
進水式 神流湖編
待ちに待った進水式だ。場所は神流湖。
かつて三郎丸が係留保管されていた場所だ。
前オーナーと待ち合わせをして、湖に向かった。
4月の初旬に進水式を行えたのはかなりラッキーだった、などと会話をしながら山道を上って行った。
ほどなく現場に到着し、入船の手続きをして釣り券を購入しいざ進水!!無事に船が浮かび、二人で乾杯!!
ワクワクしながらエンジンに火を入れた。
見事一発でエンジンがかかり、冷却水も元気よく吹き出した。
暖機を終えいざ湖へ、とここまでは良かった。
トレーラーから切り離しいざ”全開”した瞬間にエンジンが3500rpm以上吹けない。アクセルを戻し再度やっても同じである。
2スト独特の一気に吹ける瞬間にストールしてしまうのである。
ギアーを抜いて、空吹かしでは6000rpmまで回るのだが? 完全に燃料が追いついていない状況である。
キャブを分解清掃した際、交換出来る部品は全て交換し、かなり念入りにオーバーホールをしたが、自宅ではアイドリングくらいでしかエンジンを掛けて居なかった為全然解らなかった。
落胆していると、”そんなに考えてもしょうがないよ。釣りしながら徐々に仕上げて行けばいいじゃない!!”という優しい言葉に後押しされて、取りあえず釣りに出る事にした。
幸い、神流湖では3000rpmまでで十分現場移動も出来るので釣りをする事は出来た。
アイドリング付近では非常に安定していて、高回転が吹け上がらないのが想像出来ないほどである。
速度はアイドリングで4kmと少し早めだったので、今後ペラピッチ等で速度を調整しなければならない状況だった。
釣果はというと、25〜35cmとかなりかわいい桜鱒が6尾だった。神流湖では、これくらいがアベレージだそうだ。魚は少し痩せているものの、魚のコンディションは良く、新生”三郎丸二世号”の記念すべき初獲物となった。
前オーナーも同乗しての進水式に満足?して、お昼に無事納竿した。
ただ、この次の週に琵琶湖に移動するのが決定している為、かなり問題を残しての進水式となってしまった。バラシて組み直す時間は無い為、琵琶湖に行ってから考える事にした。”まー時間経てば直ってるかも知れないし”などと安易な言葉を心の中で叫びながら、山を降りた。
次回は琵琶湖での進水式である。
船外機の不調以前に、中古のトレーラーが約500kmの移動に耐えるのか心配である。
何とこの私がオーナー?
信じられませんでした。色々なフィールドに行きましたが、自分が船を持つなんて夢にも思っていませんでした。
友人から、神流湖に10年以上係留保管している船を廃船にするという話を聞き、二つ返事で譲り受ける事は決めたものの、ユニックで陸に揚げられた船を見ると、本当に湖に浮かべてトローリング出来る様になるのかかなり心配になった。
船の状況はかなり深刻で、エンジンはキャブが詰まりセルモーターのスターターリレーは端子が張り付いているのか作動しない。
船底および船外機にはびっしり苔が付着し、係留ロープですれて、左後ろのクリート付近に穴が空いている状態。
ただ救いだったのは、デッキはシートで覆われていた為リモコンケーブルとステアリングケーブルは新品の状態を保っていた。
しかし、めげてはいられない。何としても花見の時期までには完成させて、進水式を行うという気合いで、週末毎に船に通いこつこつと船をしあげていった。
花見時期まで約2ヶ月。まだトレーラーを用意し、船の船検を受けるといった大仕事が待っている。
もともと、この手の機械いじりは好きだった事と、以前は毎週の様に友人のプレジャーボートで相模湾に出ていた経験から、以外と順調に作業は進み、3月の初旬にはトレーラーも見つかり、無事に第一段階をクリアーする事が出来た。
後は船の船検を受ければ無事に進水式を迎える事が出来る。
船検に必要な装備品を購入し、名義変更の書類に押印すると、無性に早く船を水に浮かべたくなって来た。タイミング良く、3月の中旬に船検を受ける事が出来たので、4月の初旬に進水式の予定を立てる事が出来た。
前日の晩にぼーっとカレンダーを眺めていて呆然とした。何と当日は”仏滅”ではないか!! さすがに信心深くは無いが、仏滅は良く無いという事で、急遽船を引っ張り出し利根川の河川敷に、向かった。
いつ行っても夜中の河川敷は不気味である。流れの中に、船外機が浸かる位までトレーラーを突っ込み長靴を履いて流れに入り水をかけ、真夜中の一人プチ進水式は無事完了した。
後で前オーナーに話した所、新艇の進水式も利根川だったそうである。利根川好きの”三郎丸”?んなわけないか!!
トレーラーに乗ったばかりの三郎丸。
き