2003

第5回記念

2003年9月20日〜23日

有元利夫「部屋の遊戯(1979)」(c)Yoko Arimoto

インターネットアルバム
下の表をクリックするとそれぞれの行事の写真をご覧になれます。
(写真撮影:蘇馬外二良・梅野 健氏)

日時

午 前

午 後

午 後

9月20日(土)

フレッシュ
コンサート
「天上の序曲」

室内楽コンサート1/1750年以降の新世代の音楽

9月21日(日)

古楽セミナー
第1部

古楽コンサート
第1部

室内楽コンサート2/後期バロック室内楽

記念パーティ

9月22日(月)

古楽セミナー
第2部

古楽セミナー
第3部

古楽講演会
荒川恒子

グランド
コンサート
華麗と荘厳

9月23日
(火祭)

古楽コンサート
第2部

寺神戸・アド=エル/デュオ・リサイタル

外国からの招聘者


ヴィーラント・クイケン(ガンバ・チェロ)


セバスチャン・マルク(リコーダー)


シャレフ・アド=エル(フォルテ・ピアノ)


寺神戸 亮
(ヴァイオリン)

もう5回目、早いものですね ・・・

18世紀音楽祭協会会長  中里 隆 

  早いもので、「おぐに」から「福岡」に移動して、もう5年目を迎えます。当初、ひなびた温泉宿で3日間寝食を共にするおぐに古楽音楽祭の良さが、福岡では失われてしまうのではないかという危惧がありました。しかし試行錯誤を経て、福岡には福岡独自のスタイルが生まれたようで、福岡古楽音楽祭は、私たちがはじめに考えていた以上の発展を遂げました。
 「福岡」が「おぐに」ともっとも違うのは、地元に古楽を支えるある程度の文化的基盤があった点でしょう。おぐに古楽音楽祭は小国町との「共催」でした。それと同様のやり方が、福岡では難しいと分かったとき、私たちは大きな壁に遭遇しましたが、地元ボランティアの方々の資金と労力両面でのご援助を得て、「自主音楽祭」という福岡独特のスタイルができあがりました。
 福岡古楽音楽祭は、プロの音楽家が出演するコンサート以外のイベントは、全て無料でやっています。しかし、これらのコンサートのチケットが予定通り売れたとしても、音楽祭開催費用の半分にも達しません。残りの資金をなんとか調達することが、主催者に毎回負わされる大きな仕事です。
 もちろん、企業からの賛助や公的な助成もありがたくいただいてますが、こういう時代だけにその種の資金だけに頼るのは困難です。結局のところ個人の方々からのいろいろな形の資金援助が、もっとも大きな支えになっています。また、多くのボランティアのご奉仕により、「人件費ゼロ」でやれることも、大きな支えです。現在の福岡古楽音楽祭を支えているのは、音楽を愛する「個人の力」です。
 しかし、財政的には過去2回の音楽祭は「赤字経営」に陥っております。音楽祭の発展がめざましく、より国際的になったため、費用がかさんでいることも原因しているので、充実を願う主催者にとっては、やっかいな壁にぶち当たっています。
 来年の第6回目は、イギリスのトレバー・ピノック氏に「特別音楽監督」をお願いし、これまでで最大規模の音楽祭になりそうです。今回と次回の音楽祭の成否は、このような規模の音楽祭を、今の形態で存続できるかどうかの鍵を握っています。皆様方のこれまでに増してのご協力をよろしくお願い申し上げます。

音楽は世界を結ぶ共通語 ・・・

音楽監督・フルーティスト 有田正広  

 「音楽は世界を結ぶ共通語」とは言っても、それぞれにお国の事情があるものです。何といっても「古楽」はヨーロッパの伝統音楽です。日本人が「古楽」をやるのは、西洋人が「お能」をやるようなものですから、それを「共通語」として、西洋人と真に心を通わせるには、私達の側にもそれなりの修練が必要です。
 日本の古楽界は昔から国際交流が盛んで、これまでにも多くの音楽家がヨーロッパに留学しています。また今日、ヨーロッパからも日本人の古楽のレベルが非常に高く評価されていることは、現地で活動されている方々や、国際コンクールでの若手演奏家の活躍を見ても分かります。
 福岡古楽音楽祭では、毎回何人かの外国人を招いて、日本人と合同の音楽会を開くことにしていますが、最近は外国人の数を増やし、そのウエイトを高めています。昨年の音楽祭では、今村泰典さんらフォンス・ムジケのメンバーをヨーロッパから招いて、いろいろな形の合奏をしました。私もほとんどの方と初めて演奏しましたが、彼等の伝統に深く根ざした音楽には教えられるところも多く、いっしょに合奏して思いもかけぬ新鮮な音楽が生まれることに、エキサイティングな経験を致しました。
 日欧間をを仲介するキーパーソンとなった今村泰典さんに替わって、今回はヨーロッパで活躍する寺神戸亮さんにその役割をお願いし、人選にも相談にのってもらいました。ヴィーラント・クイケン氏を除けば、いずれもこの音楽祭には初登場の方々です。プログラムも、室内楽を中心に組みましたので、こういった人たちと日本人演奏家と交流によって、素晴らしい音楽が生み出されるものと、たいへん期待しています。
 ついでながら、今のところ日本はアジアのなかではほとんど唯一の「古楽大国」で、近年文化的にも著しい発展を遂げつつあるアジアの国々ではまだ古楽はほとんど普及していません。最近のクラシック界での中国や韓国系の人たちのめざましい活躍を見ると、古楽でも大きな可能性を秘めているような感じがします。
 福岡は「アジアの窓口」という看板を掲げておられるそうなので、これからはそういう試みもおもしろいかもしれません。