ヨゴレ日誌

2017年7月〜9月

7/1(土) 戸隠山 / 蟻の塔渡りの恐怖!!

金・土と夫婦で2連休が取れることになり、どこか日帰りで登って麓で一泊するような山に行こうということになった。
最初に計画したのはロープウェイを使っての木曽駒&宝剣岳だったが、今年はまだ千畳敷カールは雪で埋まっているらしくまた今度に。
次に候補に挙がったのが戸隠山。ちょっと遠いし難易度も高そうだが、下山してからの戸隠そばが美味そうなのと忍者好きの妻が「戸隠」という響きに魅せられて戸隠山に決定する。今年はまだ岩場のあるような山に行ってないし、剱岳の予行演習のつもりで行ってみるのもいいかも知れない。

戸隠は歴史のある土地で、古くから修験道や戸隠流忍者の里として知られている。
伝説によると、アマテラスが弟スサノオの狼藉を悲しんで天の岩屋戸にお隠れになった時、戸をこじ開けたタヂカラオが勢い余って扉を放り投げ、それが宮崎の高天原からはるばる信州まで飛んできて戸隠山になったのだそうな。なんともスケールの大きな話である。
そんなワケで、周辺には天の岩屋戸伝説にまつわる神々を祀った神社がいくつもある。


堺を10時半に出発して名神、中央道、長野道を爆走して朝5時に戸隠に到着、雨が降っているので仮眠しながら止むのを待つ。
7時半ごろに雨が上がったので、核心部までに雨が再度降り出したら撤退する方針を決めて出発することに。
登山口は戸隠神社奥社。手力男命を祀った戸隠の本社である。参道の脇には巨大な杉の並木が訪れる者を圧倒する。登山届を提出して登山開始。登山ポストの横には「2千mだからみんな甘く見るが極めて危険な山である。事故は滑落ではなく墜落であり、ほぼ即死である」といった内容の注意書きが。(((( ;゜Д゜)))ガクガク ブルブル

登り始めからいきなり急登となる。20分ほどで多少ゆるやかになると、木々の間から戸隠連峰の岩崖がまるで巨大な屏風のように姿を現す。


ところどころに濃いガスが重く立ち込め、まさに水墨画の世界である。


ちょっとしたクサリ場を登ったりして五十間長屋、百闥キ屋に到着。


巨大な岩壁の最下部をオーバーハング状にくり抜いたような登山道。いったいどういう自然の摂理が働いてこのような形状になったのだろうか。

ところで虫が多い。元から多いのか雨模様なのでエンカウント率が高いのか知らんがアホほど多い。誇張なしで50匹から100匹くらい顔の周囲を飛び回っている。
一応虫よけリングなるものを後頭部に装備しているのだが、こいつら全く気にしやしねえ。構わず特攻してきては耳に入ったり鼻に入ったり目に入ったりする。
オレも刺されたが、虫刺されに弱い体質のひるねは後で耳がボコッと腫れたり、額に刺された毒が降りてきたのだろうか瞼が腫れてお岩さん状態になってちょっと気の毒なことになっていた。虫対策は万全にして山に入るべきである。

百闥キ屋をすぎてちょっと行くと、岩壁にクサリがダランと垂れ下がっている。ルートではないはずだが何だろうと上を見上げると、ほぼ垂直の崖に下がったクサリの先10m上方に、岩の隙間にスッポリとお堂が収まっている。いやいやコレ登って拝みに行くんかよ。いくら信仰のためとはいえムチャ振りがすぎやしませんかねえ。

 
そこから先はクサリ場、クサリ場、またクサリのクサリ天国。いや地獄か。
一見ホールドもスタンスも豊富なように見えるが、岩がもろく崩れやすい。いい具合に掴みやすい突起があったと思ったらボコッととれる。勘弁していただきたい。
「なるべく岩を持ちクサリに頼りすぎるな」「腕の力ではなく足の力で上がれ」が原則であるが、なりふり構っていられねえ。思いっきりクサリに体重あずけて、腕力をフル活用してクリアしていった。三点支持だけは確実に行う。


ラスボス的存在の胸突き岩をクリアすると「蟻の塔渡り」と書かれた標識が目の前に現れる。
さあいよいよ来たぜモーストデンジャラスゾーン!今こそ我の前にその姿を現せ!!







いやこんなん無理やろ。

写真で見ても怖そうだったが、実際にその場に立ってみると迫りくる恐怖感ハンパない。立って歩いて通過するなんて無理無理かたつむりだ。

 
結局、四つん這いのような格好で通過することにした。けっこうな横風も吹いてるし、落ちたら150mまっさかさま、一巻の終わりである。田中陽希も最後の方は跨いで通ってたし、ここは無事に通過することこそ最優先であろう。
右下の方には迂回ルートのクサリが見えるが、あそこもなかなかに危なそうな感じがする。そもそも迂回ルートも途中でこっちに合流して、さらに狭い剣の刃渡りと呼ばれる箇所はどっちみち通過する必要があるのだ。だいたい迂回ルートでも滑落死亡事故が起こっているらしい。
途中で一ヶ所だけ立てる場所があったが、基本全区間四つん這い&跨いで通過する。このような馬の背的な場所が苦手なひるねは途中で思考停止して進むも戻るもできない状態になりかけていたが、「気持ちで負けたらダメ」とハッパをかけて何とかクリアする。いやホントよく頑張った。
通過し終えて振り返っても物凄い場所だった。この恐怖はひょっとしたら北穂から奥穂へ雨の中縦走した時の怖さに匹敵するかも知れない。ホント怖かった。


ようやく危険箇所を脱出する。


蟻の塔渡りを振り返る。いやいや、無理ゲーでしょコレ。

這う這うの体で八方睨へ。頑張った我々へのご褒美か、ガスが晴れて展望が開けた。これから向かう稜線の向こうには百名山・高妻山、反対側には戸隠連峰の最高峰・西岳、そして西の方には後立山連峰が雲の中から顔をのぞかせている。


西岳の右側には遥かに後ろ立山連峰が見える。


白馬岳かと思ったが違うようだ。


11:50、戸隠山(1,904m)山頂に到着。やれやれだぜ!後ろに見えるのが高妻山。

さて、やっとの思いで難所は越えたが、まだ片側が絶壁の稜線歩きや、クサリ場の連続する沢筋の下山が待ち構えており気は抜けない。ところが、ここにきて妻のペースがガクンと落ち始めた。シャリバテか脱水症状かはたまた蟻の塔渡りで体力と気力を使い果たしたか。ひるねのザックから水などの重い荷物をオレのザックに移す。


13:20、九頭龍山(1,882m)到着。本当は一不動の避難小屋まで行くつもりだったのだが、ここで昼メシ休憩にする。お湯を沸かしてカップラーメンを作り、展望もないガスガスの山頂でズルズル食う。
九頭龍山を出発して30分ほど歩くとだいぶガスが上がってきた。辺り一面真っ白になり、急がないとマズイなと思う間もなく本格的な雨が降り出した。とりあえず上だけレインウェアを着て一不動へ急ぐ。

一不動の避難小屋で全身レインウェア姿になり、雨の中下山を開始する。
戸隠牧場への下山路は沢筋の道で、途中、不動滝のすぐ横の垂直な岩場の下降や、ナメ滝の脇のいかにもツルツル滑りそうな岩の斜面の通過など、それなりにデンジャラスな場所が連続する。
ちなみに、カメラは一不動でザックの中にしまい込んでおり、上記の滝や下りてからの牧場の風景など撮影に適した面白いポイントはいくつもあったのだが、雨の中カメラを取り出す気にはならず、結局九頭龍山以降写真は一枚も撮っていない。残念なことである。
増水した沢を何度も渡渉し、そもそも登山道自体がほとんど沢みたいになってる中をジャブジャブと下山し、コースタイムを大幅にオーバーしてようやく戸隠牧場にたどり着く。牧場に着いたらソフトクリームを食うことを心の支えにして下りてきたのに、すでに牧場の売店閉まってた。ガッデム!!



晩は宝光社の武井旅館に宿泊する。


茅葺きの母屋は270年前の建物なんだとか。


戸隠そばが絶品!こりゃ美味ぇ。


宿での空き時間を有効活用して登山レポでも打とうとミニノートを持参するも、あまりもの披露困憊っぷりに晩メシ食ったらパソコンをカバンから出す間もなくバタンQ。
夜中に雨は激しさを増し、明け方に土砂災害警戒情報が出た。おかげで朝の5時から携帯のアラートと村の防災無線でたたき起こされるハメに。
翌日は土産物屋で戸隠そばと宿でいただいて美味かった地元のお酒を購入し、また6時間かけて堺まで帰ってくる。

蟻の塔渡りを中心に10分ほどの動画にしてみた。動画は写真よりさらに怖さが伝わるよ!
https://www.youtube.com/watch?v=iD5L8V02-jQ&t=3s

7/4(火) パラボラみーくん

光明池まで運転免許証の更新に行ってきた。
天候がイマイチだからか空いてて早く終わってありがたかった。
最近若干見えにくくなっており、視力検査で引っかかる懸念があったのだが、まったく何の指摘もなくパスした。ひょっとして老・・・

帰ってきて動物病院へ。今日はみーくんの年に一度のワクチン接種の日。
エリザベスカラー巻かれて「怖いニャ、怖いニャ」と顔をくっつけてくるみーくんかわゆす。
みーくんちょっと太ってた。飼い主に似たか・・・?

晩は近所の寿司屋に飲みに行く。
岩牡蠣まだやった。残念。ハモ美味ぇ。

7/30(日) 灼熱のステージ

PUZZLEの本番。もう10何年も毎年呼んでいただいている御池台ふるさとまつりでの依頼演奏。

実はこの日は朝から去年創部した出身中学校の吹奏楽部がコンクール本番で、ちょっと応援に行きたい気持ちもあったのだが、正直朝から狭山くんだりまで行ってたら時間も体力もなくなるので泣く泣くあきらめることに。
結局銅賞だったらしい。くそう、母校のアルヴァマー聴きたかったなあ。

昼に中百舌鳥までいっちゃんを迎えに行って御池台へ。現地に到着してから譜面隠しを忘れてきたのに気付く。テヘッ、失敗失敗。
冷房の効いた快適な地域会館で通しリハをしてから会場の小学校へ。

うへえ、あっ暑い!!これはアカンやつや!!

近年まれにみるカンカン照り。容赦なく降り注ぐ太陽光。んで風はなし。こりゃヒロミGOもおっくせんまんってなもんですわ。
途中で意識朦朧としかけたりしながらなんとかステージ終えた。アンコールの六甲おろし振ってる時などはダラダラ流れる汗が目に入ってマトモに指揮できなんだよ。
終わった後その足でかき氷の模擬店に並んだのはヒミツだ!

晩は近所のメンバー中心に初芝で飲み会。ビールくそ美味ぇ。

8/1(火) 妻からのバースデープレゼント

8/3(木) 武奈ヶ岳 / 晴れの予報を信じて登った結果

夫婦で取れた休日、義妹も休めることになり、せっかくなので一緒にどっか登ろうという話になる。
どこに行きたいかと聞くと、岩登りやクサリ場を楽しめる山とのリクエスト。オレらも剱岳に向けて岩場の練習をしておきたい。なので今の時期ヒルの出る雪彦山は避けて、大普賢岳か武奈ヶ岳の二つに絞り、この時期涼しいであろう八淵の滝を通って武奈ヶ岳に登ることにする。

3時半に堺を出発、4時前に義妹を迎えに行って一路滋賀へ。6時すぎに登山口のガリバー旅行村へ到着。


ところで、天気予報では晴れと言っていたのに山の上には濃いガスがかかっている。アルェ〜?おっかしーなぁー?ま、まあ日が昇ってきたら晴れるっしょ!多分!!

登山口から30分ほどで大擂鉢に到着。ストックをしまって点線ルートへ踏み込む。
去年の秋に来た時は妻が渡渉にえらい苦労してめっさ時間をとられた貴船の滝であるが、今回は意外とヒョイヒョイといけた。前回に比べ水量が少なかったからか、はたまた戸隠山で恐怖心がマヒしたか。


落差30mの貴船の滝。


渡渉点のすぐ下にも小さい滝があります。


滝の脇の岩をホチキスステップをたよりによじ登っていく。


たわむ上にめっさ滑る丸木橋。ほんと勘弁していただきたい。

その後も七遍返しの滝などの難所をクリアしていき、オガサカ分岐へ。ここから八雲ヶ原へ向かって高度を上げていくと、だんだん辺りにガスが立ち込めてくる。途中、まぼろしの滝の展望所があるが、もちろん全く何も見えない。



比良スキー場跡に出たら一面真っ白けのガス。ダメだこりゃ!

ここから前回はゲレンデをコヤマノ岳へ直登したのだが、今回はガスに巻かれて分岐を見落としたらしく、いつの間にかイブルキのコバを経由する遠回りのルートに入り込んでいた。途中で気付くも引き返すのもアホらしく、そのまま進むことに。まあ遠回りいうても20分かそこらしか変わらへんし。
そしたらこれがとてもよかった。ゲレンデの直登はクソ面白くもないしんどいだけの近道であったが、こちらの道は変化に富んで横に涼しげな沢の流れる実に登山道らしい道。絶対こっちの方が面白いわ。山歩きを楽しみたいならこっちの道をオススメする。
コヤマノ分岐から最後の急登をエッチラオッチラ進む。周囲はガスだらけ。こりゃ展望は期待できそうにないなあ。しかも稜線に出たら吹きすさぶ強風。止むことなくずっと吹いてる。油断したら帽子とか飛びそうだ。


10時20分、武奈ヶ岳登頂。
周りは真っ白で琵琶湖どころか20m先も見えねえ。しかもすさまじい風がずっとゴーゴー吹いてる。こんなところに長居は無用です。さっさと撤収することに。


細川越から休憩適地を探しながら広谷へ。広谷小屋の前に壊れたベンチがあり、まあここでええかと昼メシにする。ラーメン食ってコーヒー飲んで気力も回復したので再度下山にとりかかかる。
広谷分岐から大擂鉢までが長い上にしんどい。多少ペースを落としながらダラダラ下りてゆく。しかも標高が下がるにしたがって晴れてくる。地獄に堕ちろ。


大擂鉢で登ってきた道と合流。

14時すぎに快晴のガリバー旅行村に到着。朝に払えなかったので駐車料金の400円を払って撤収。比良とぴあで汗を流して湖西道路で渋滞に巻き込まれながら帰阪する。
晩はお義母さんも合流して近所の寿司屋で打ち上げ。岩牡蠣美味ぇ。

8/8(火) 恒例夏の散財日

鳳まで映画を観に行ってきた。
エグゼイド、せっかくええストーリーやったのに、ラストのビルドほんまに蛇足やった。
出すなら出すでもうちょっとやり方あったろうに。

それから梅田に移動。剱岳行きに備えて山の道具なんかを見る。
ひるねが高機能アンダーウェアやウエストポーチなど何点か新調したので、少し早いがオレからのバースデープレゼントにする。

晩は両親が合流していつものお初天神の寿司屋に行く。トロ美味ぇ!

8/11(金) 陽茶

最近なんとなくよう名前聞くけど、オレ陸上に興味ないから競走馬か何かの名前と思っとった。
人間、それもまさか日本人のお名前やったとわ。

8/26(土) 石山の秋の月

家の外から太鼓の音とかけ声が聞こえたので出てみるとまさかのふとん太鼓。この町に住んで15年になるがこの地域にふとん太鼓の文化があるのを初めて知って驚愕した。
てかこの辺はベラショッショイじゃなくて普通にワッショイワッショイなのか。

8/27(日) ハッピーサマーウェディング


日曜日は丸ちゃんとあいちゃんの結婚式。
電車に乗ってユニバまで行ってきた。


PUZZLEとIWBOの選抜メンバーによる大合奏。
ブルーハーツメドレーと美女と野獣の2曲を演奏。

司会の人に「曲紹介どうしましょう」と聞かれたので「新郎新婦にピッタリなこの曲、美女と野獣です!とアナウンスして下さい」と言っておいたが、どうやら実現しなかったようだ。


晴れてよかった。暑かったけど。



晩は場所を移して二次会。
この期に至っては出席者のほぼ全員が演奏者というカオス状態に。

なんというか、色んな意味で丸ちゃんとあいちゃんらしい式やった。



丸ちゃん、あいちゃん、ご結婚おめでとう。末永くお幸せに!

9/1(金) 実は発売日に読了

ユーフォの新刊。面白かった。後編も楽しみ。
来年には新作映画も公開されるらしいし、アニメ三期も期待していいのか?

9/10(日) その名はCUBE

長年登山などで愛用した三脚(右)。

全高106cmと低いが370gと軽量で重宝していた。ただ耐久性も低くこの度とうとうシッダールタ王子に。
まあ実は同じものをもう1本持っているのでそれを使えばよいのだが、ちょっと気になってまだ売ってるのか調べてみた。
箱を見てみると「FUSITU」という聞いたこともないメーカーのようだ。どうも中国のメーカーらしい。そしてうすうす予想していた通りネットで同じものを探すも見つからない。メーカーすらヒットせず。中華製にしてはいい出来だったのに。

それならと国内のメーカーで似たようなものを探してみる。んで見つけて気になって取り寄せてみたのがベルボンのトラベル三脚(左)。
重量は390gで全高94cm。特筆すべきはセッティングと片付けの簡単さ。どちらも5秒くらいで終わる。


やはり背が低いので他から雲台を持ってきて取り付けてみた。微妙に重くなった上に高さ大して変わらんがまあよい。
さあこの三脚持って剱岳の写真いっぱい撮ってくるよ!

9/12(火) 剱岳・立山 その1 / あめふりトレッキング

オレら夫婦が登山を続けていく上で、当面の最終目標としていたのが剱岳への登頂であった。
それに向けてこれまで北穂・奥穂・前穂の縦走や戸隠山などのコースを経験し(大キレットは雨のため槍沢ロッヂで風呂入って嘉門次小屋で岩魚食って降りてきただけに終わったが)、この度満を持して剱岳へ挑戦する運びとなった。

三日間の日程を組み、初日に室堂から立山→別山へと縦走し剣山荘に宿泊、二日目に剱岳を往復して剱御前小舎に宿泊、三日目はみくりが池温泉などに立ち寄りながらゆっくり下山という計画を立てた。

夜中に高速を飛ばして早朝に富山に着き、立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継いで一気に標高2,450mの室堂まで上がる。ところが走ってる途中から雨が降り出し、富山に着くころにはけっこうな雨に。それでも立山駅の無料駐車場に車を停めるころには小雨になっていたので、上は止んでるかもと一縷の望みを託し室堂へ向かう。果たして室堂は横殴りの大雨であった。ダメだこりゃ!


立山駅。小雨がパラついてますが上はどうかな?


ケーブルカーと高原バスに乗って室堂を目指します。


室堂は横殴りの雨。立山縦走どころじゃねえ!

仕方なく立山縦走は三日目のお楽しみにとっておき、今日は最短ルートで剣山荘に向かうことにする。まあそれだけでは面白くないので、初っ端から温泉でノンビリしてから行くことに。
室堂周辺は今も活動している火山地帯であり、その名も地獄谷と呼ばれる場所は硫黄くさい噴煙がモクモクと立ち上っており付近一帯は現在立ち入り禁止である。そのため2,400mの高所にも関わらず温泉がボコボコと湧き出しており、日本一高所にある天然温泉を謳うみくりが池温泉などいつくかの温泉施設が点在している。せっかくやし話のタネに入って行くのもよかろう。


みくりが池温泉でゆっくりと長時間運転の疲れを癒して出る。外は相変わらずの天気だがしゃーない、行くか。レインウェアでガチガチに身を固めて10時すぎに出発する。

浄土沢の橋を渡って別山乗越へと登る。真正面に見えるのは標高差500mを2時間かけて一気に登る雷鳥坂。かなりの急登とある。少し左に行けば新室堂乗越を経由して尾根伝いに登る回り道ルートもある。どちらも登る標高は一緒なのだが、後者の方がラクな上にコースタイムはほぼ同じらしい。迷わず新室堂乗越経由のルートを選ぶ。
緑色の絨毯に黄色いイワイチョウの群落がなんとも美しい場所である。その中を木道が伸びている。昔の人はこの景色に浄土を見たのだろうか。
新室堂乗越から少し上がったところでなんと雷鳥と遭遇!3羽いるから親子だろうか。どーせ雨やから写真もいらんわとカメラ類をザックの奥深くにしまい込んだ事を後悔する。スマホで撮影を試みるも上手く撮れない。ちくしょう、前もって「出ますよ〜」と教えておいてくれればカメラもうちょっと出しやすいとこになおしたのに!

13時に剱御前小舎に到着、そして15時すぎにずぶ濡れで剣山荘に着く。
この剣山荘であるが、数年前にリニューアルしたらしく目を瞠るキレイさ。設備も山小屋とは思えないレベルで、水洗便所に温かい便座も驚いたが特筆すべきはシャワー室の存在。さすがにシャンプーや石鹸は使えないがこれはありがたい。
剱沢小屋にも同様の設備があるようだが、剣山荘は少しだけ剱岳に近い&何と言っても生ビールがあるのでこちらに宿泊することにした。
この天気だからか小屋は空いており、部屋は貸切状態。快適な環境の中ゆっくりと休ことができた。ひるねは乗り物で急に標高を上げた&気圧が低いこともあってか若干高山病の兆候が出ていたようだが・・・。

9/13(水) 剱岳・立山 その2 / ついに念願の剱岳へ!

二日目。
あたり一面には濃いガスが立ち込めており、ご来光も何も見えず。まあ雨が降っていないのはありがたい。準備をして7時に剱岳に向けて出発する。
ところがひるねの調子が上がらない。起床時から頭が痛かったようだが、行動を始めてからさらに気持ちが悪くなってきたらしく、死にそうな顔をしている。とはいえここまで来て剱岳登頂をあきらめる気はないらしく、ペースを落としながらも剱岳に向かう。
前剱への登りあたりから道が悪くなってくる。ガレガレの浮石だらけの急登で、調子を落としているひるねにはかなり負担がかかったもよう。それでも前剱に到着する頃にはところどころガスの晴れ間が出てきて、天候の改善が期待され少しモチベーションが上がってきた。


前剱の山頂に到着する直前、ガスの晴れ間から日光が差し込み、下を見ると小さな虹ができている。良く見える場所に移動しようとしたら虹の中に自分の影が。おおおお、ブロッケン現象初遭遇!!人型の影の周囲を後光のように虹が取り囲み、昔の人が見たらこれは確かに如来様のご出現と思うであろう。下のガスはすぐに強風で吹き飛んでしまい、この神々しい光景はカメラを取り出す間もなくわずか十数秒ほどで目の前から消えてしまった。しかし忘れられない感動的な体験となった。

前剱から先がいよいよ別山尾根ルートの核心部。


まずは左右が崖になっている4mの鉄のブリッジ。こういう掴まるところのない平均台状の場所はひるねの苦手とするところで、今回もおっかなびっくり渡っていた。とは言え戸隠山の蟻の塔渡りに比べれば全然大したことなかったが。


崖に張り付くような高度感のあるトラバースをすぎて前剱の門の鞍部に下りる。

そこから平蔵の頭に向かっていると二羽の雷鳥に遭遇!

まだ若い鳥らしくピヨピヨと鳴いていて可愛らしいことこの上なし。しかも人間を怖がらず逃げるどころか近寄ってくる。今回は昨日と違ってカメラもバッチリ準備できてるぜ!写真撮りまくる。


さらに進むとまた別の雷鳥二羽とエンカウント。こちらは成鳥らしく前の二羽と比べると凛々しく堂々とした立ち振る舞い。結局今回の山行で合計七羽の雷鳥を見ることができた。


平蔵の頭に向かって垂直の岩場を鉄杭を頼りに登り、さらにまた高度感ある一枚岩を下る。別山尾根ルートは要所要所で登山路と下山路が別になっており、こういう時に下山者とすれ違わずに自分の通行のみに集中できるのはありがたい。
平蔵のコルで行動食を摂る。今日は予定よりもかなり遅れており、昼食時に剣山荘に戻るのは難しそうだ。しかし遅れたことによるメリットもなくはなく、今まではずっと山頂はガスで隠れており、下山してきた人に山頂の天気どうでしたかと聞くと異口同音にダメでしたと苦笑いでおっしゃっていた。しかし今から向かう山頂は徐々にガスが取れてきているではないか。これは山頂からの展望に期待ができそうである。


平蔵のコルから少し進むと、岩壁に9番目鎖場を示すプレートが現れる。剱岳の代名詞のひとつ、難所「カニのタテバイ」だ。


カニのタテバイは高さ50mほどの垂直の岩場。クサリや鉄杭などが整備されており、スタンスもホールドも豊富にあるので落ち着いて三点支持をしっかししながら登れば登れないことはない。高いところが苦手でなければ楽しんで登れるだろう。
カニのタテバイをクリアしたらすぐに山頂なのかと思っていたらそうではなく、そこから30分ほどガレ場を登って行くことになる。

岩の上に立派な祠が見えてきた。11時半、剱岳(2,999m)登頂。ついに、ついに念願の憧れの剱岳の頂に立つことができた。今オレは剱岳の頂に立っている。



山頂からの展望は素晴らしいの一言。後立山連峰や富山湾方面は雲に隠れているが、南の方は剱沢から立山、室堂までクッキリ見える。


さらに立山の向こうに槍の穂先が姿を現し山頂にいる登山者たちから歓声が上がる。

山頂で順番に記念撮影をしていると、その中に「祝・百名山達成」と書かれた横断幕を手に写真に納まろうとしている男性が。えっ、今日いま達成なのですか。ここ剱岳が百座目なのですか。すっスゲー!!
山頂に居合わせた登山者たちで拍手をしてお祝いする。どこのどなたかは存じ上げないが、記念すべき瞬間に立ち会えて光栄である。おめでとうございます。


しばらく山頂の雰囲気を楽しんでから下山に取りかかる。下山路も難所がてんこ盛りで気を抜けない。


さっそくカニのタテバイと並ぶ難関、カニのヨコバイが現れる。垂直の崖に横一文字に穿たれた割れ目を足場にして文字通り蟹のごとく横歩きして進む高度感のあるトラバースである。ガイドブックやネットの山行記録によると「最初の第一歩目の場所がわかりづらい」とあるが、実際にその場に立ってみると崖っぷちに赤ペンキで矢印が書かれており、その真下に一歩目の足場がある。身を乗り出して覗き込むとたしかにそれらしい場所が見える。


身体を反転して右足を先ほどの足場へ下ろし、左足をもう一段下の足場へ下ろすとあとはなるべく下を見ずに横歩きだ。さらに急な岩場を下りると真新しいハシゴが現れる。



ハシゴを下りて携帯トイレブースを過ぎると平蔵のコルに戻ってくる。
来た時は難所だと思ったがタテバイ・ヨコバイを経験した後だとそれほどとは思えない平蔵の頭の登り返しを越え、さらにいくつものクサリ場を通過しながら剱沢へ向かう。
朝から調子を崩していたひるねは苦手な下りでさらに苦戦し、しかもどこかで左足を捻ったらしくさらにペースを落としていた。前剱からのガレ場の急斜面の下りには予想以上の以上に時間がかかり、一服剱にたどり着いた時にはすでに今日の宿である剱御前小舎に到着予定の時間になっていた。


ようやく剱沢が見えてきた。


16時すぎ、這う這うの体で剣山荘に戻ってくる。とりあえず温かい紅茶を飲み、デポした荷物を回収し、剱御前小舎に到着が遅くなる旨連絡を入れて剣山荘を出発する。
剱御前小舎までのコースタイムは1時間半、しかしその時間で到達できるとは思えない。できれば暗くなる前には小舎に着きたい。
先ほどまで晴れていたはずの剱沢にはいつの間にか濃いガスが垂れ込め、剱御前からは強風が吹き下ろす。ガレ場のダラダラした登りにペースは遅々として進まず、陽は無慈悲にも暮れてゆく。徐々に薄暗くなっていく登山道をヘッデンを点けながら登っていくと、やがて尾根の上に剱御前小舎の灯りが灯台のごとく現れた。心底ホッとした瞬間である。


日の暮れかける中、目指す小舎の灯りが・・・!

到着時刻は夕食の受付時間を過ぎていたが、小舎の担当の方は我々2人分の食事を用意して到着を待ってくれていた。ありがたい。ありがたかった。

剱岳別山尾根核心部の様子を10分ほどの動画にしてみた。よかったらどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=nGB3HtSxbHc&t=1s

9/14(木) 剱岳・立山 その3 / 快晴の立山縦走


剱岳・立山三日目。

早朝には一面ガスっていたのが、陽が昇るにつれみるみる晴れていく。あれよあれよの間に絶好の晴天となった。
とりあえず別山まで行き、ひるねの調子をみながら立山へ向かうかそのまま下山するか決めることにして剱御前小舎を出発する。


小舎から別山への登山道はさながら剱岳の展望路である。今日の剱岳は中腹に薄い雲がかかり、さながら雲の衣をまとったかのごとき姿である。ここから見るとあそこに人間が歩いて登れる道があるようにはとても見えない。昨日あのてっぺんに登ったんだなあ。


立山方面。


まるで箱庭のような室堂を見下ろす。


別山北峰から剱岳をバックに記念写真を撮り、これからの予定を相談する。ひるねは足の調子は相変わらずイマイチだが、高山病の方は何とかいけそうだ。別に下山を急いでいるワケでも、コースタイムにこだわっているワケでもない。15時室堂着でも全然かまわない。ゆっくり行けばいい。何よりこんなにいい天気なのに、そして目の前にあんなにカッコいい立山があるのにこのまま下りるなんてもったいないじゃないか。というワケで立山へ向かうことに決定した。

別山からの急坂をゆっくりと下る。カマボコのように細長い真砂岳へ続く道は途中で山頂へ向かう道と巻き道に分かれている。この感じどっかで見た。白馬の杓子岳にどことなく似ている。別に真砂岳はスルーしてもよかったのだが、杓子岳にも行ったことだしせっかくなので踏んでいくことにする。


真砂岳山頂。後立山連峰は雲で隠れている。


大走りへの分岐を過ぎていよいよ立山本体へ。おお、さすがにここから見上げる立山はイカつい。富士ノ折立へ登る急登は大きな段差も多くかなり手こずった。
富士ノ折立の山頂はスルーして大汝山へ向かう。大汝山には食事などの提供もしてくれる休憩所があるそうな。もうおなかペコペコだよ!!


大汝休憩所はなかなかに個性的な小屋だ。ヒッピーな内装にサイケな洋楽が静かに流れ、ファンキーなマスターが出迎えてくれる。う〜んラヴ&ピース。


食事は大汝定食かカレーで悩むが、「ウインナー入りプラス100円」にひかれてカレーを注文。ジュウ〜という小気味よい音と何とも言えない食欲をそそる香りにヨダレを垂らしながら待つこと数分、出てきたカレーはめっさ美味かった。ホント美味かった。


ウインナー入りカレー900円也。うっ美味ぇ!!


11時40分、立山最高峰・大汝山(3,015m)に登頂。


山頂から真下を覗くとはるか下に黒部湖と黒部ダムが見えた。今日は後立山方面はずっと雲がかかっていたので黒部湖は見えないかと思っていたが、なかなかどうしてクッキリ見えるじゃないか。いつか行った黒部ダムからは、やはりはるか上方に立山が見えた。今日も多くの人がダムからこちらを見上げているに違いない。とりあえず手を振っておいた。


大汝山を後にして最後の目的地・雄山(3,003m)へ向かう。


雄山には山頂に雄山神社の峰本社が置かれており、イザナギノミコトとタヂカラオノミコトの二柱を祀っている。


鳥居横の祈祷受付所で500円の参拝料を支払って山頂へ。
山頂の拝殿では無駄にイケメン&イケボイスのご神職が登拝者を出迎えてくれる。


ひとしきり記念写真や風景写真を撮影し、ご神職のありがたいお話を聞き、祈祷を受け、お神酒をいただいて山頂を後にする。


室堂に向かって下山開始。これで終わりかと思うとちょっと寂しい・・・。

雄山から一ノ越まではガレガレの急坂。立山というと観光客がジーパンにスニーカーで登るというイメージがあったのだが、なかなかどうして険しいじゃないか。


逆に一ノ越から室堂まではそれまでと打って変わって石畳のすこぶる歩きやすい道。距離も標高差もそれなりにあるはずなのにグングン進む。

15時、室堂に戻ってくる。一昨日は雨で全然景色がわからなかったが、こんなにのどかで素晴らしい場所だったのか。ここを去ってしまうのが惜しい。室堂と立山の景観を目に焼き付けてこの美しい場所を後にする。

下山後は宇奈月温泉に宿泊する。宿のミスで予約が取れていないというハプニングもありながらも無事に泊まることができた。

9/15(金) 剱岳・立山 エピローグ / 峡谷列車は行く

無事に剱岳・立山の縦走を完遂し、宇奈月温泉に宿泊したクラリー夫妻。

最終日、大阪に帰るまで午前中いっぱいは時間的に余裕があり、せっかく宇奈月に来たんだからと黒部峡谷鉄道に乗車することにする。


トロッコ列車なにこれ超楽しい。
黒部峡谷の美しい景色を眺めながらガタゴト揺られること約20分、黒薙駅に到着。終点の欅平まで往復するのはキビしいのでここで下車することにする。


帰りの列車が来るまで1時間ちょいあるらしい。せっかくなので黒薙温泉まで行ってみることにする。

 
駅からアップダウンの激しい細い道を15分ほど歩けば黒薙温泉に到着。まさに秘湯だ。


川原にある混浴露天風呂。されども特にムフフな状況なども特になく、フツーに貸切状態。悔しいので泳いだった。

9/27(水) 貴方がたこそ大義もビジョンも矜持もないのでは

どこからどうツッコンでいいかわからん。
一瞬フェイクニュースかネトウヨの飛ばし記事かと思ったが、どうやら本当のようだ。

自分の党の候補者に「よその党から公認もらってこい」と指示を出すだけでなく、党の代表みずから無所属で出馬するという政党があるらしい。
何を言ってるのかわからないかも知れないが本当の話だ。
虚構新聞でも世界仰天ニュースでもなく今日現在日本で流れている実際のニュースだ。


い や い や い や い や 。


民進の党籍を残したまま小池新党に公認をもらう?それが小池新党に何のメリットがあるのかは置いといて、そんな候補に一体どんな有権者が票を入れるんだ?
前ハニさんは一体何がしたくて代表になったの?「党首が無所属で出馬する」という前代未聞の壮大なギャグがやりたかったの?党首みずから「民進党」の名前の下では戦えないって言っちゃってるようなものだ。いやお前だけは何があろうと看板守らないとダメだろ。R4や枝野によく顔向けできたな。
ああダメだ。書いててアホらしくなってきた。とりあえず前ハニさんにはもう二度と大義がどうとか口にしないでいただきたい。あまりにも有権者と納税者をバカにしすぎだ。


小池さんに関しては、いろんな意味でちょっと時期尚早すぎやしないかと思っている。もっと都政で実績を積んで、きちんと政策とビジョンを練ってから国政へ挑戦でも遅くはないんじゃないのか。
橋下さんが国政で失敗した例に学ぶべきだ。全国での地盤のなさに焦って、自分のカリスマ性と発信力に寄り集まってきた「自分たちとは主義も主張も異なる、選挙に勝ちたいだけの連中」と手を組んでしまい、その結果政治集団としてのアイデンティティを失って瓦解した。小池さんは同じ道を辿ろうとしているように見える。

多くの国民は、別に安倍政権や自民党を無条件に信任しているわけではない。他の党に国政を任せられないと思っているだけだ。前回で懲りたのだ。
国民は待っている。きちんと現実を認識できて、日本の国益のために働き、揚げ足取りではなく政策で与党と渡り合える野党を。
いざ選挙となって与党の悪口しか言えず右往左往する体たらくを見るに、まことに残念ながら民進党がそのポジションに立つことは難しそうだが、小池新党や維新にはそういう政党に成長していってくれたらいいなと期待している。

 

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