「いらくさのいえ」と読む。で、この人は萩原朔太郎の娘さんである。鬼のような祖母・叔母たちから、「淫乱」「醜女」「居候」と蔑まれ、イジメ抜かれて育った彼女の自伝的小説三部作の第一作だ。あまりに悲惨な青春である。生を放棄することを考えず、この人はよく強く生きたものだと、そこまで思う。女流文学賞受賞。
『蕁麻の家 三部作』 新潮社 (507P \3200)
三部作『蕁麻の家』『閉ざされた庭』『輪廻の暦』と、さらにエッセー『歳月―父・朔太郎への手紙』を一冊に収める。『閉ざされた庭』では、蕁麻の家を出たあとの、人でなしの亭主との結婚生活約10年分が描かれる。『輪廻の暦』では、やっと少し幸せになったものの、再会した身勝手な母と知恵遅れの妹に振り回される日々を描く。よくもまあ、ここまで非道い人生があったものである。少しはいいエピソードも入れてくれればいいのに(ほんとになかったの?)。エッセーでは、父親失格だった朔太郎をはっきりと批判しており、筆者が、父を超えるために書き、歪んだ半生を見返すためにいま生きていることがわかる。人間とは、強くなるものだねえ。強くなりすぎて、ヒネクレまでいっちゃった?
★★★☆☆