重箱の隅 ――

書籍で見付けた誤字・脱字・誤用など校正漏れを小舅のように指摘する性格悪いコーナー。
作家さんを責めるつもりはないけど、校正屋さんは責めたい。ちゃんと仕事しろ。


渡辺淳子 『もじゃもじゃ』 光文社

慌ててスイッチを切り、コンセントを引き抜いた。
―― 初版1刷 260頁
× コンセント → ○ プラグ


坂口恭平 『徘徊タクシー』 新潮社

すかさず脇から出てきた黒子が丸めたブルーシートを舞台上に転がし川をつくりだすと、老女はそのそばで洗濯の仕草をはじめた。
―― 初版 6頁
今度は黒子が五〇センチほどの出刃包丁を持ってくる。
―― 同 7頁
声を出そうとしたそのとき、二人の黒子がそれぞれの足で台車を止め、両手を使って祖父を持ち上げた。
―― 同 63頁
× 黒子 → ○ 黒衣


鏑木蓮 『京都西陣シェアハウス』 講談社文庫

志穂などに土下座していることが悔しいのか。(略)涙は止まらず、畳についている手の甲を濡らした。
―― 第1刷 296頁
× 土下座

畳の上で謝るのを土下座とはいわない。


鏑木蓮 『炎罪』 講談社

よくデパートの前なんかで共同募金をやってることがあるでしょう?そんなとき必ず募金をしてたんですが、私に一〇〇円玉を入れさせてくれました。
―― 第1刷 63頁
× 募金 → ○ 寄付

琢磨の許しを得て、パソコンをシャットダウンしコンセントを抜く。
―― 同 168頁
× コンセント → ○ プラグ

一番最初の混入、イナゴの一部もあり得ないと主張し続けてこられました。
―― 同 221頁
× 一番最初 → ○ 一番初め


鏑木蓮 『白砂』 双葉社

でも古森家のお墓に入れないっていうのは、ばあちゃんひどすぎるよね。
―― 第1刷 62頁
依然として、小夜の骨を小森家の墓には納めたくないと言い張った節子だったが、
―― 同 316頁
「古森家」がいつの間にか「小森家」に変わっている。


鏑木蓮 『思い出探偵』 PHP研究所

熱にうなされるように、越智はペンダント、いやスジャータの思い出を捜し歩いた。
―― 第1版 第1刷 29頁
△ 熱にうなされ → ○ 熱にうかされ

ゴト師とは、パチスロのPC基盤に、確率変動を容易に制御するチップなどを仕掛け、不正出玉によって一儲けする者のことだ。
―― 同 226頁
× PC基盤 → ○ PC基板

なお、「PC基板」という言葉にもちょっと違和感あり。基板はもともと英語にすれば"P.C.B.(Printed Circuit Board)"だから、「PC基板」だと"Printed Circuit Printed Circuit Board"になってしまい、重複表現。まさか、「PC基板=パーソナルコンピューター基板」の意味で遣ってる?それはそれで、パチスロにパソコンなんて組み込まれてねえよ。


鏑木蓮 『エクステンド』 講談社

草場の陰から先代にえらい睨まれますがな
―― 第1刷 151頁
× 草場の陰 → ○ 草葉の陰


鏑木蓮 『東京ダモイ』 講談社

出発してから十日ほど経った頃、私より一年先輩で、ほぼ同時に軍属から軍隊へ入隊したひとりが高熱にうなされていた。
―― 第1刷 56頁
△ 高熱にうなされ → ○ 高熱にうかされ

昨今の日本語ブームで、「熱にうなされる」はすっかり誤用とするのが定説だ。しかし高熱に「浮かされた」あげく悪夢で「うなされた」という解釈も成り立つわけで、どうなんでしょうな。

京都の施設に入ることは当人の希望だったんだようですよ。
―― 同 106頁
× だったんだよう → ○ だったんだそう

「希望だったんだYO!」ってなんか嗤える。ラッパーかっ!

私たちはがたどった道筋は、槙野が電話で述べた通りです
―― 同 284頁
× 私たちはが → ○ 私たちが


山田正紀 『ここから先は何もない』 河出書房新社

関口さんがその言葉に心を動かされるのを感じて、喝采を叫びそうになった。
―― 初版 9頁
× 喝采を叫び → ○ 快哉を叫び

さすがに客のことを慮って声を荒げこそしなかったが――若者をにらみつけた。
―― 同 10頁
× 荒げ → ○ 荒らげ

とんでもありません、こちらこそご迷惑をおかけしました
―― 同 11頁
× とんでもありません → ○ とんでもないです

むしろ追いつめられたように感しる。
―― 同 185頁
× 感しる → ○ 感じる

要するに卓がテーブルの下でフォーンのコンセントを抜いたのだ。
―― 同 226頁
× コンセント → ○ プラグ

たしかにそれらは不自然な印象もたらした。
―― 同 274頁
× 印象もたらした → ○ 印象をもたらした

まるで床がアイスリングででもあるかのような、その優美で、滑らかな動きには魅せられずにはいられなかった。
―― 同 298頁
× アイスリング → ○ アイスリンク


東野圭吾 『さまよう刃』 角川文庫

伴崎が一番最後に目撃されたのはファストフード店にいるところだが、その時に一緒にいたのが菅野だということも判明した。
―― 30版 99頁
× 一番最後 → ○ 最後

一番最初はすべての駒が揃っている。
―― 同 202頁
× 一番最初 → ○ 最初


久坂部羊 『いつか、あなたも』 実業之日本社

呆然自失の体で、悲しみも麻痺してしまったようだ。
―― 初版第1刷 24頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


久坂部羊 『神の手(上巻)』 幻冬舎文庫

去年の十月、先生の患者さんが亡くなられて、警察が安楽死の疑いで取り調べをしましたたね。
―― 初版 174頁
× しましたたね → ○ しましたね


久坂部羊 『神の手(下巻)』 幻冬舎文庫

何ものにも代えがた喜びであります
―― 初版 153頁
× 代えがた → ○ 代えがたい


久坂部羊 『テロリストの処方』 集英社

狩野は三年前、弱冠四十歳で全医機の常任理事に抜擢された。
―― 第1刷 8頁
× 弱冠四十歳

常に狩野を立て、ときには鼓舞し、自らは黒子に徹してきたはずだ。
―― 同 215頁
× 黒子 → ○ 黒衣

島の東端に近いT字路を空港とは逆の左へ曲がる。
―― 同 224頁
× T字路 → ○ 丁字路


久坂部羊 『老乱』 朝日新聞出版

やり方はネットの記事やYou Tubeの動画で覚えたようだ。
―― 第1刷 313頁
× You Tube → ○ YouTube


久坂部羊 『破裂(下巻)』 幻冬舎文庫

香村がいつになく上機嫌で愛想を振りまいた。
―― 7版 369頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


久坂部羊 『無痛』 幻冬舎文庫

T字路の工事のため、誘導に三人、作業場の安全確保に一人である。
―― 4版 134頁
× T字路 → ○ 丁字路

すでに港区の白金(しろがね)で工事がはじまっています。
―― 同 194頁
× しろがね → ○ しろかね


久坂部羊 『虚栄』 角川書店

赤崎は迷った挙げ句、研究のさわりだけ話すことにした。
―― 初版 37頁
× さわり → ○ 導入部

目を伏せてUSBを差し出す。
―― 同 71頁
× USB → ○ USBメモリー

「コンセントを抜く」と似たような誤用だと思う。


数多久遠 『黎明の笛』 祥伝社

私は、ナルシストじゃないわ
そうだな。ナルシストじゃない。
―― 初版第1刷 35頁
× ナルシスト → ○ ナルシシスト


大沢在昌 『パンドラ・アイランド』 徳間書店

私は一番最後に車を降りた。
―― 第1刷 52頁
× 一番最後 → ○ 一番後

即死させるには、後頭部からやや後方、顎に抜ける方向を撃ち抜く必要だある、というのだ。
―― 同 337頁
× 必要だある → ○ 必要がある

カーテンがかかっているが、内部が暗いことはわかった
―― 同 482頁
× わかった → ○ わかった。

句点「。」抜け。


大沢在昌 『流れ星の冬』 双葉文庫

白金台(しろがねだい)にいって下さい
―― 新装版 第2刷 9頁
× しろがねだい → ○ しろかねだい

ナルシストか、そうじゃないと極端にコンプレックスもってる。
―― 同 218頁
薫さんは、ナルシストなの?
―― 同 219頁
× ナルシスト → ○ ナルシシスト


大沢在昌 『絆回廊』 光文社

このところうちも晶ちゃんのファンが増えてきてさ。うっとおしいのがきたら嫌でしょ
―― 初版1刷 25頁
× うっとおしい → ○ うっとうしい

黄は一瞬真顔になり、それから爆笑した。
―― 同 239頁
× 爆笑

ひとりで爆笑するな。

もしほおっておいたら、樫原さんに腹を立てている連中がここにも押しかけてくるかもしれん。
―― 同 247頁
× ほおって → ○ ほうって


大沢在昌 『屍蘭』 光文社文庫

ふみ枝は、白金(しろがね)三丁目でバスを降りた。
―― 初版1刷 32頁
× しろがね → ○ しろかね

それぞれ板の立て札があり、「最上級松阪(まつざか)肉」などと書かれている。
―― 同 36頁
× まつざか → ○ まつさか


大沢在昌 『新宿鮫』 光文社文庫

ママが爆笑しながら、カウンターにジェイムスンのボトルとアイスボックスを並べ、グラスを出した。
―― 30刷 37頁
× 爆笑

ひとりで笑うのは爆笑じゃない。


櫛木理宇 『僕とモナミと、春に会う』 幻冬舎文庫

よしセカンドオピニオンならぬサードオピニオンだ、と翼は三軒目の医院へ飛び込んだ。
―― 初版 14頁
× セカンドオピニオン → ○ ドクターショッピング

セカンドオピニオンは主治医以外の意見を聞くことであり、単に医療機関を変える行為とは違う。

間髪(かんぱつ)を容れず答えがあった。
―― 同 25頁
× かんぱつ → ○ かんはつ


櫛木理宇 『世界が赫に染まる日に』 光文社

いまだにXPを使っているのと、ウイルスソフトを複数インストールしているせいで起動にすこしばかり時間がかかる。
―― 初版1刷 43頁
× ウイルスソフト → ○ アンチウイルスソフト

やられたら、やりかえされる。
―― 同 196頁
やられたら、やりかえされる。かんたんなセオリーじゃないか。
―― 同 241頁
× やられたら、やりかえされる

「やったら、やりかえされる」もしくは「やられたら、やりかえす」にしないと意味同じじゃねえか。


朱川湊人 『幸せのプチ』 日本経済新聞出版社

さっきまで爆笑していた彼から一切の表情が消え去り、それこそ紙のような顔色になっていた。
―― 第1刷 94頁
× 爆笑 → ○ 大笑

何せプチは誰かれナシに愛想を振りまく。
―― 同 107頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

今や押しも押されぬ大女優になった小野村柊子ということになるのだろうが、実物を見たことがないので、何とも言えない。
―― 同 343頁
× 押しも押されぬ → ○ 押しも押されもせぬ


朱川湊人 『今日からは、愛のひと』 光文社

俺は爆笑したが、奥山はマジメな顔で答えたものだ。
―― 初版1刷 208頁
× 爆笑 → ○ 大笑


朱川湊人 『なごり歌』 新潮社

熱にうなされて、あの子の頭が混乱しただけよ
―― 初版 126頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ


朱川湊人 『満月ケチャップライス』 講談社

『女心と秋の空』というのは、変わりやすいものの代表選手らしいが、冬の空だって負けてはいないと思う。
―― 第1刷 41頁
× 女心と秋の空 → ○ 男心と秋の空

マンガそのままの展開に爆笑したくなったけれど、僕は鼻から息を逃がして笑いを抑えた。
―― 同 196頁
× 爆笑


朱川湊人 『遊星ハグルマ装置』 日本経済新聞出版社

ゼスチャーでコミニュケーションを取るヒマもない。
―― 第1刷 271頁
× コミニュケーション → ○ コミュニケーション


朱川湊人 『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』 集英社

世には美しい女性が綺羅星(きらぼし)の如く存在するのに、何も好んで衆道に走らずとも良いように思える。
―― 第1刷 168頁
× きらぼしの如く → ○ きらほしの如く

なんでわざわざ「きらぼし」なんて間違った振り仮名を付けるかな集英社。


朱川湊人 『さよならの空』 角川書店

そんなどうでもいい知識が口をついて出ようとするのを、テレサはあわやのところで噛(かみ)み潰した。
―― 初版 13頁
× 噛(かみ)み → ○ 噛()み

ルビの「み」が一文字余計。

精密機械やプリントの基盤の洗浄剤
―― 同 27頁
× 基盤 → ○ 基板

「基盤(base)」と「基板(circuit board)」の意味は違うことを、多くの編集者は識らぬようだ。これだから文系人間はっ(笑)。

それは昨日も、お断りしたと思うですが
―― 同 65頁
× 思うですが → ○ 思うのですが

みんなは顔を見合わせて、首を捻(にね)った。
―― 同 116頁
× 捻(にね)った → ○ 捻(ひね)った

ルビ間違い。朱川湊人の本は誤記が多いなあ。


朱川湊人 『花まんま』 文藝春秋

まったく記憶にはないが、高熱にうなされていた私の心は、その時に戻っていたのだろうか。
―― 第1刷 22頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

おばさんが亡くなったのは、奇しくもある年の元旦です。その日の朝まで話もできるほどだったのに、急変したのです。
―― 同 216頁
× 元旦 → ○ 元日

元旦は一月一日の朝のこと。「その日の朝まで話もでき」たなら、死んだのは元旦じゃないやん。

私は炎天下の中を、サンダル履きでマサヒロの家に向かった。
―― 同 235頁
× 炎天下の中を → ○ 炎天の中を

「炎天下の中」じゃ重複表現ずら。


行成薫 『名も無き世界のエンドロール』 集英社

佐々木は床に撃ち込まれた銃弾を横目で確認して、息を荒げた。
―― 第1刷 57頁
マコトは遠くを見たまま、次第に声を荒げていった。
―― 同 81頁
マコトは息を荒げながら上体を起こし、叫ぶ。
―― 同 139頁
マコトは、声を荒げることもなく、淡々と言葉を発する。
―― 同 248頁
× 荒げ → ○ 荒らげ

呼吸をしていない、というだけで、これほどの違和感を感じるのかと驚いた。
―― 同 110頁
× 違和感を感じる → ○ 違和感がある

キダちゃんが手を叩いて爆笑してるところなんて、未だにお目にかかったことないんだけど
―― 同 114頁
× 爆笑 → ○ 大笑


土橋章宏 『スマイリング!』 中央公論新社

洋平が爆笑した。
―― 初版 123頁
× 爆笑

俊太の背中に染め抜かれた<岩熊自転車>という文字はいやが上にも目を引く。
―― 同 207頁
× いやが上にも → ○ いやが応にも


土橋章宏 『ライツ・オン!』 筑摩書房

リチャードは声を荒げた。
―― 初版第1刷 135頁
リチャードは思わず声を荒げた。
―― 同 228頁
× 荒げた → ○ 荒らげた


柴崎竜人 『夏のキグナス』 講談社

『あとはベストジーニスト賞だけだな』と思った彼はわざわざデニムを穿いて記者たちに愛想をふりまく
―― 第1刷 119頁
× 愛想をふりまく → ○ 愛嬌をふりまく

保科は爆笑しながら典生の文面を読み上げていた。
―― 同 187頁
隣では葵が大喜びで爆笑している。
―― 同 293頁
× 爆笑


柴崎竜人 『三軒茶屋星座館』 講談社

下半身だけが魚になったパーンの姿を見て、基本引き笑いの彼はもう過呼吸になるくらい爆笑してしまうんです。
―― 第1刷 132頁
引き笑いで爆笑していたゼウスがソファから転げ落ちた一瞬、窓からちらりとトロイアが見えたんです。
―― 同 192頁
堪えきれずに和真が爆笑する。
―― 同 199頁
想像した奏太が爆笑する。
―― 同 251頁
× 爆笑


田中経一 『龍宮の鍵』 幻冬舎

亀山は、進んで他の従業員とは接してこなかった小麦にとって、初めてホテルで気の置ける相手になった。
―― 第1刷 128頁
× 気の置ける → ○ 気の置けない

実は昨日、マクラーレン局長に電話でさわりだけお伝えしました。すると『それは面白そうだ。明日のショータイムを楽しみにしているよ』とおっしゃいました。
―― 同 319頁
× さわり

「さわり」は一番大事なところの意味。


熊谷達也 『揺らぐ街』 光文社

黒子でしかないはずの編集者ではあるものの、特にそうした周囲からの評価は、本人にあらぬ錯覚を抱かせる。
―― 初版1刷 92頁
× 黒子 → ○ 黒衣

小さな商店街を通過して突き当たったT字路の先に仮設住宅はあった。
―― 同 115頁
× T字路 → ○ 丁字路


熊谷達也 『潮の音、空の青、海の詩』 NHK出版

自分の父母の遺体が見元不明者として安置されていないかどうか、確認して回るしかなかった。
―― 第1刷 183頁
× 見元不明者 → ○ 身元不明者


熊谷達也 『バイバイ・フォギーデイ』 講談社

このまま議論していても煮詰まる一方で疲れるだけだ、と誰もが感じていたみたいで、もっと続けよう、と主張するメンバーはひとりもいなかった。
―― 第1刷 81頁
× 煮詰まる → ○ 行き詰まる

「議論が煮詰まる」は結論が出る意味だから、良いことなのだが。


熊谷達也 『迎え火の山』 講談社文庫

そんなことをしているなどとはひと言も口にしなかった親父が、今は病院のベッドで原因不明の高熱にうなされている。
―― 第1刷 208頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

インフルエンザにしては時期外れですからね
―― 同 224頁
△ 時期外れ → ○ 時季外れ


熊谷達也 『稲穂の海』 文藝春秋

まだ明るいうちにバーベキューをしようということになって、稔が火を起こし始めた。
―― 第1刷 218頁
× 火を起こし → ○ 火を熾し


熊谷達也 『オヤジ・エイジ・ロックンロール』 実業之日本社

せっかくレス・ポールをお求めになるんですから、あとで後悔しないように、じっくり時間をかけて選んだほうが絶対にいいです。
―― 初版第1刷 25頁
どうしようかと迷っているうちに三日間の連休が終わっていたのでは、あとで絶対に後悔するに決まっている。
―― 同 252頁
× あとで後悔 → ○ 後悔

「あとで後悔」は重複表現。単に「後悔」か、「あとで悔やむ」とするべき。とはいえ、大人げなく指摘せにゃならんほどの誤りでもないと思う(笑)。

どこが、というと、いずれの曲も詩が素人っぽい。
せっかくいい曲なのに、詩がこのままでは、とてもじゃないが沙織には歌わせられない。
―― 同 239頁
実際、当時のハードロック系のバンドの詩は、翻訳を読むと、成田の詩と五十歩百歩だったりする。
―― 同 241頁
× 詩 → ○ 詞

以下、「詞」を「詩」と表記している箇所が余りに多いので、省略。

翌年発表されたアルバムが『紫の炎』であるが、(中略)このアルバムの原題は『Bum』である
―― 同 367頁
× Bum → ○ Burn

ロック野郎だった作者がディープ・パープルの名盤タイトルを間違えるはずがないから、活字を拾った職工さんがミスったと思われる。「rn」は一瞬「m」に見えるものね。

ギターの指版の最もヘッド側(ネックの先端のほう)にあるパーツ。
―― 同 368頁
その長さを区切るためにギターの指版に埋め込まれた金属。
―― 同 370頁
× 指版 → ○ 指板


鳥飼否宇 『本格的』 原書房

非配偶者間体外受精に比べても格段に敷居は低い
―― 第1刷 252頁
× 敷居は低い → ○ ハードルは低い

先を越された悔しさなんて気にならなりませんでした。
―― 同 259頁
× ならなりません → ○ なりません

自分は家の中では黒子で、いてもいなくてもほとんど関係なかったのです。
―― 同 260頁
× 黒子 → ○ 黒衣


植松三十里 『不抜の剣』 H&I

弥九郎はは内田たちと連絡を取り合いながら、海岸調査の準備を進めた。
―― 初版第1刷 123頁
× 弥九郎はは → ○ 弥九郎は


植松三十里 『唐人さんがやって来る』 中央公論新社

それが周囲に愛想を振りまきつつ、研三郎を引っ張る。
―― 初版 38頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき


植松三十里 『北の五稜星』 角川書店

浦賀に本格的な造船所を造りたければ、おまえは黒子に徹しろ。
―― 初版 244頁
ただし建立者は、あくまでも熊吉とし、星たちは黒子に徹した。
―― 同 246頁
× 黒子 → ○ 黒衣

ホクロに徹するとはどういう意味じゃらほい。


植松三十里 『お龍』 新人物往来社

表階段を登りきると板の間の廊下があり、それ囲むようにして、座敷と押し入れが配置されている。
―― 第1刷 72頁
× それ囲む → ○ それを囲む

大山は飛び起きると、藩邸内にいた藩士全員をたたき起こした。そして槍と提灯を揃えて、檄を飛ばした。
―― 同 81頁
× 檄を飛ばした

誤用。

お龍は文がはさまっていた手帳を、もうちど開いた。
―― 同 137頁
× もうちど → ○ もういちど


植松三十里 『達成の人 二宮金次郎早春録』 中央公論新社

そして高熱でうなされながらも、金次郎を手招きして言った。
―― 初版 80頁
× 高熱でうなされ → ○ 高熱で浮かされ


植松三十里 『群青 日本海軍の礎を築いた男』 文藝春秋

永持は外国奉行支配組頭を経て京都表御用となり、以来、慶喜の側近として、外交関係の黒子役をつとめていた。
―― 第1刷 217頁
× 黒子役 → ○ 黒衣役

熱にうなされて、いろいろな夢を見た。
―― 同 301頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ

津波のような大波が押し寄せて、目の前に迫り来る。
―― 同 301頁
× 津波のような大波

「津波」は波の大きさを意味する言葉じゃない。津波はたった1cmでも津波。

不肖、佐々倉松太郎、御家の汚名挽回の夢を抱き、蝦夷地に渡りましたが、力及ばす
―― 同 336頁
× 汚名挽回 → ○ 汚名返上

汚名を挽回しちゃいけません。


五十嵐貴久 『スイム!スイム!スイム!』 双葉社

一番最後に新入社員の女の子に電話すると、もしもし、と怯えたような声がした。
―― 第1刷 32頁
レポーターの女の子がオレに近寄ってきたのは、一番最後だった。
―― 同 110頁
× 一番最後 → ○ 一番あと

スタート台の方向からだと、泳いでいる選手の差はわかりくいのだが、間違いなく望は追い上げていた。
―― 同 298頁
× わかりくい → ○ わかりにくい


五十嵐貴久 『炎の塔』 祥伝社

廊下を駆け、一番最初の部屋のドアを蹴飛ばした。
―― 初版第1刷 191頁
× 一番最初 → ○ 一番初め

重複表現なので「一番初め」かもしくは単に「最初」とすべし。


五十嵐貴久 『南青山骨董通り探偵社』 光文社文庫

今の仕事に煮詰まっていた。嫌だとか辛いとかいうのではない。それなら解決の方法もあるだろう。そうではなく、煮詰まっていたのだ。
―― 2刷 31頁
× 煮詰まっていた → ○ 行き詰まっていた


五十嵐貴久 『いつかの少年』 双葉文庫

「じゃあプリンに行かせろ
―― 第1刷 44頁
カギ括弧が閉じられていない。


五十嵐貴久 『1981年のスワンソング』 幻冬舎

結論は出なかった。話し合いは煮詰まり、結局最後は小夜子に任せるということになった。
―― 第1刷 282頁
× 煮詰まり → ○ 行き詰まり


五十嵐貴久 『最後の嘘』 双葉文庫

その子は高校二年年生なんですよね?
―― 第1刷 38頁
× 二年年生 → ○ 二年生


五十嵐貴久 『消えた少女』 双葉文庫

そのためにはこのオッサンでは役不足だ、という結論に達した。
―― 第1刷 117頁
× 役不足 → ○ 力不足

とんでもありません、とは言わなかった。
―― 同 134頁
× とんでもありません → ○ とんでもないです


五十嵐貴之 『ダッシュ!』 ポプラ社

I'm sorry, Idon't know his name.
―― 第2刷 132頁
× Idon't → ○ I don't

ネイティブ外人の科白であるが、スペースが抜けている。


五十嵐貴久 『パパとムスメの7日間』 朝日新聞社

ブラジャーがうっとおしかったが、外すことは厳重に禁じられていた。
―― 第1刷 138頁
× うっとおしかった → ○ うっとうしかった

「お」か「う」か迷いがちだけど「鬱陶しかった」と漢字を当てて考えれば間違い瞭然。


荻原浩 『海の見える理髪店』 集英社

いままでのお客さんには敷居が高すぎると敬遠されましたが、新しいお客さまが来てくれるようになりました。
―― 第1刷 28頁
× 敷居が高すぎる → ○ ハードルが高すぎる


荻原浩 『花のさくら通り』 集英社

中学生に愛想を振りまき、頭を下げて、手にした報酬はたった五十円。
―― 第1刷 233頁
守が自己ベストに違いないお愛想をふりまいても、女は無視し続ける。
―― 同 299頁
そに住む父親たちはひとかどの会社に勤めるホワイトカラーで、誰かれなしに愛想を振りまいたりはしない。
―― 同 352頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく


荻原浩 『幸せになる百通りの方法』 文藝春秋

「どうしたもんかなぁ。煮詰まっているのだよ。昨夜の筑前煮のように」
アイデアに苦しんでいる?
―― 第1刷 110頁
× 煮詰まっている

「煮詰まる」はアイデアがまとまっている意味。


荻原浩 『砂の王国(下巻)』 講談社

こうして内部を覗かせ、あたりさわりのない説明をし、精一杯の愛想を振りまいたのだ。
―― 第1刷 21頁
× 愛想を振りまいた → ○ 愛嬌を振りまいた

間髪(かんぱつ)入れずに木島が相槌を打つ。
―― 同 26頁
× かんぱつ → ○ かんはつ

ルビが間違い。

道の先は、T字路。
―― 同 367頁
△ T字路 → ○ 丁字路

拳で太ももを叩いて、両足に喝を入れる。
―― 同 378頁
× 喝を入れる → ○ 活を入れる


荻原浩 『ひまわり事件』 文藝春秋

おざなりの安全対策のための囲いには、どこかしらに抜け穴があるものなんだ。
―― 第1刷 6頁
× 安全対策 → ○ 安全策

安全を対策してはいけないと思う。

たぶん、愛想を振りまくのが苦手なのだろう。
―― 同 197頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

物騒だもの。とりあえずのセキュリティ対策ね
―― 同 249頁
× セキュリティ対策 → ○ セキュリティ

泥棒さん以外はセキュリティを対策してはいけないと思う。

誠次は用具室へ行き、片岡さんが用意した消化器をありったけ運び出す。
―― 同 468頁
バルコニーの手前の廊下に消化器を並べた。
こいつを用意したのは消化のためではなく武器として使うためだろう。
―― 同 469頁
消化器の一本を手にして身構えた。
―― 同 472頁
× 消化器 → ○ 消火器

消化器を武器にするとはなんとグロテスクな。ゾンビかよ。


荻原浩 『僕たちの戦争』 双葉社

つけっぱなしのカーラジオが、台風は関東地方を通過したものの、依然として津波に対する注意が必要だと伝えている。
―― 第1刷 3頁
× 津波 → ○ 高波

津波は、地震によって起こる波。台風のあとにくるのは、高波。


原田マハ 『総理の夫』 実業之日本社

私のこのメガネ顔を初見した人は、たいがい凛子さんのように爆笑するんだが・・・・・・
―― 初版第1刷 41頁
× 爆笑 → ○ 大笑

総理の夫たるもの、無愛想なのはよろしくないが、愛想を振りまき過ぎていい気になっているように見られてもいけない。
―― 同 114頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき

闘いの火蓋が、切って落とされるときが。
―― 同 246頁
総選挙の火蓋が切って落とされた。
―― 同 273頁
× 火蓋が切って落とされる → ○ 火蓋が切られる

相馬内閣発足後は黒子に徹していた原久郎の動きが注目を集めるようになった。
―― 同 248頁
× 黒子 → ○ 黒衣


原田マハ 『楽園のカンヴァス』 新潮文庫

「何を言ってるんだ、君は」ティムは、今度こそ声を荒げた。
―― 3刷 116頁
ティムは「あたりまえじゃないですか!」と、つい声を荒げてしまった。
―― 同 126頁
× 荒げ → ○ 荒らげ


上田岳弘 『異郷の友人』 新潮社

アタッシュケースをテーブルの上に乗せて開き、頑丈そうな紙ばさみを取り出して、白い手袋を嵌めた。
―― 初版 91頁
× アタッシュケース → ○ アタッシェケース


上田岳弘 『太陽・惑星』 新潮社

五年ぶりの再会だが、チュッパチャップスをくわえた彼はほとんど変わっていないように見える。
―― 初版 85頁
× チュッパチャップス → ○ チュッパチャプス


青崎有吾 『水族館の殺人』 東京創元社

ボタンを押すと、ピッと小気味よい音に乗って電波が飛び、送風口が閉じられた。
―― 初版 20頁
× 電波 → ○ 赤外線

家電のリモコンは電波(波長がミリメートル以上の電磁波)でなく、おもに波長940ナノメートルの近赤外線が使われる。

これでスコアは、7-10。
(略)
「アウト。8-10」
(略)
「……ネット。ゲームセット」 7-11。
―― 同 80頁
× 7-11 → ○ 8-11


青崎有吾 『体育館の殺人』 東京創元社

「遅いよ、二人とも!」と喝を入れてくる姿が、目に見えるようだった。
―― 初版 12頁
× 喝を入れてくる → ○ 活を入れてくる

さらには、廃品の基盤を工作したらしいSFチックな計器類
―― 同 164頁
× 基盤 → ○ 基板


吉村龍一 『海を撃つ』 ポプラ社

サンマの群れをちりじりにかき乱しながら、はげしく水面を上下する。
―― 第1刷 13頁
× ちりじり → ○ ちりぢり


吉村龍一 『光る牙』 講談社

三脚にはキャノンの一眼レフ、EOS-1DX。
―― 第1刷 5頁
× キャノン → ○ キヤノン


都筑卓司 『新装版 不確定性原理』 ブルーバックス

屈折する光を最小限におさえ、よほど注意しないと、眼球による光の屈折には気がづかない……
―― 第1刷 177頁
× 気がづかない → ○ 気づかない


村上龍 『55歳からのハローライフ』 幻冬舎

ちょうどT字路の中心で、周囲がよく見渡せる。
―― 第5刷 91頁
午後四時を回ったころ、福田がT字路の角にやっと現れた。
―― 同 92頁
△ T字路 → ○ 丁字路


百田尚樹 『海賊とよばれた男(上)』 講談社

陸海軍の将兵たちは敗戦という信じられない現実に呆然自失となり、終戦と同時に軍はタガが緩んだようになった。
―― 第31刷 60頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


百田尚樹 『夢を売る男』 太田出版

いやあ、まさに読書人の鏡ですね。
―― 初版第1刷 215頁
× 鏡 → ○ 鑑


百田尚樹 『プリズム』 幻冬舎

先生は担当直入に訊いてきた。
―― 第1刷 304頁
× 担当直入 → ○ 単刀直入

過去最高に間抜けな誤植かも知れん。担当の先生だから担当直入しちゃったのかな。


百田尚樹 『風の中のマリア』 講談社

しかしカブトムシは夏の終わりとともに姿を消し、秋の樹液場はオオスズメバチの独壇場となっていた。
―― 第1刷 46頁
△ 独壇場 → ○ 独擅場


百田尚樹 『ボックス!』 太田出版

ただし準決勝まで勝ち進めば、顧問の輝子も含めた部員全員の応援のための旅費と交通費が出ることになっていた。
―― 第2刷 239頁
× 顧問の輝子 → ○ 顧問の耀子

作中に出てくる顧問の名は「耀子」である。この一文にだけ登場する「輝子」とは誰じゃらほい。

私、前に、もう一度ボクシングをやりなさって言うたでしょう。
―― 同 499頁
× やりなさ → ○ やりなさい


左巻健男 『面白くて眠れなくなる化学』 PHP研究所

胃がんではなく胃潰瘍でなくなったのではないかという考えも方ありますが、
―― 第1版第1刷 60頁
× 考えも方 → ○ 考え方も




まだ続きます