重箱の隅 ――

書籍で見付けた誤字・脱字・誤用など校正漏れを小舅のように指摘する性格悪いコーナー。
作家さんを責めるつもりはないけど、校正屋さんは責めたい。ちゃんと仕事しろ。


志賀浩二 『変化する世界をとらえる』 紀伊國屋書店

[2次関数] y=ax2+bx+cに対しては、a<0のときとa<0のときとで事情が違ってくる。
―― 第1刷 53頁
× a<0のときとa<0のとき → ○ a<0のときとa>0のとき


荻原浩 『極小農園日記』 毎日新聞出版

1964年の東京は、物心がついて初めて観たオリンピックだ。(略)裸足で走るアベベ選手が金メダル。
× 裸足で走るアベベ

アベベが裸足で走ったのはローマオリンピック。東京ではシューズを履いていた。


荻原浩 『海の見える理髪店』 集英社

いままでのお客さんには敷居が高すぎると敬遠されましたが、新しいお客さまが来てくれるようになりました。
―― 第1刷 28頁
× 敷居が高すぎる → ○ ハードルが高すぎる


荻原浩 『花のさくら通り』 集英社

中学生に愛想を振りまき、頭を下げて、手にした報酬はたった五十円。
―― 第1刷 233頁
守が自己ベストに違いないお愛想をふりまいても、女は無視し続ける。
―― 同 299頁
そに住む父親たちはひとかどの会社に勤めるホワイトカラーで、誰かれなしに愛想を振りまいたりはしない。
―― 同 352頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく


荻原浩 『幸せになる百通りの方法』 文藝春秋

「どうしたもんかなぁ。煮詰まっているのだよ。昨夜の筑前煮のように」
アイデアに苦しんでいる?
―― 第1刷 110頁
× 煮詰まっている

「煮詰まる」はアイデアがまとまっている意味。


荻原浩 『砂の王国(下巻)』 講談社

こうして内部を覗かせ、あたりさわりのない説明をし、精一杯の愛想を振りまいたのだ。
―― 第1刷 21頁
× 愛想を振りまいた → ○ 愛嬌を振りまいた

間髪(かんぱつ)入れずに木島が相槌を打つ。
―― 同 26頁
× かんぱつ → ○ かんはつ

ルビが間違い。

道の先は、T字路。
―― 同 367頁
△ T字路 → ○ 丁字路

拳で太ももを叩いて、両足に喝を入れる。
―― 同 378頁
× 喝を入れる → ○ 活を入れる


荻原浩 『ひまわり事件』 文藝春秋

おざなりの安全対策のための囲いには、どこかしらに抜け穴があるものなんだ。
―― 第1刷 6頁
× 安全対策 → ○ 安全策

安全を対策してはいけないと思う。

たぶん、愛想を振りまくのが苦手なのだろう。
―― 同 197頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

物騒だもの。とりあえずのセキュリティ対策ね
―― 同 249頁
× セキュリティ対策 → ○ セキュリティ

泥棒さん以外はセキュリティを対策してはいけないと思う。

誠次は用具室へ行き、片岡さんが用意した消化器をありったけ運び出す。
―― 同 468頁
バルコニーの手前の廊下に消化器を並べた。
こいつを用意したのは消化のためではなく武器として使うためだろう。
―― 同 469頁
消化器の一本を手にして身構えた。
―― 同 472頁
× 消化器 → ○ 消火器

消化器を武器にするとはなんとグロテスクな。ゾンビかよ。


荻原浩 『僕たちの戦争』 双葉社

つけっぱなしのカーラジオが、台風は関東地方を通過したものの、依然として津波に対する注意が必要だと伝えている。
―― 第1刷 3頁
× 津波 → ○ 高波

津波は、地震によって起こる波。台風のあとにくるのは、高波。


奥泉光 『雪の階』 中央公論新社

表に立たぬ黒子的振舞こそが相応しいのだと得心できるものがあった。
―― 初版 41頁
前者の黒子役が原田男爵であり、後者がこの自分であると、父伯爵は考えている様子だった。
―― 同 44頁
今日は黒子役だからなのか、先日よりいっそう地味な色合いの濃紺の背広に銀鼠色のネクタイを締めた青年の言葉を待った。
―― 同 102頁
× 黒子 → ○ 黒衣

会員名簿を綺羅星(きらぼし)のごとくに飾る有力者が花であり実であるなら、自分は樹の幹だ
―― 同 51頁
× きらぼし → ○ きらほし

先日の演奏会で、カルトシュタイン氏が一番最後に演奏した曲を覚えていますか?
―― 同 101頁
× 一番最後 → ○ 最後

現場付近の精進(しょうじん)湖や本栖湖にはいろいろと別荘があるみたいなんです。
―― 同 153頁
× しょうじん → ○ しょうじ

槇岡中尉は呆然自失となってしまった。
―― 同 552頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


池永陽 『北の麦酒ザムライ』 集英社文庫

それも立派な兵法の一手ではあるが、この男に限ってそんな姑息な手段を取るものなのか。
―― 第1刷 23頁
× 姑息 → ○ 卑怯


みうらじゅん 『色即ぜねれいしょん』 光文社

「行かへん?旅」と、二人は満面の笑顔で口を揃えて言った。
―― 初版1刷 51頁
× 満面の笑顔 → ○ 満面の笑み

満天の星空に融けて、そして僕たちの興奮醒めやらぬデビューの一夜は更けていったのだった……
―― 同 122頁
× 満天の星空 → ○ 満天の星

話すことなんて何一つ噛み合ってない。つき合ったとしても煮詰るだけや。
―― 同 151頁
× 煮詰る → ○ 行き詰る


田中経一 『愛を乞う皿』 幻冬舎

炎天下の中、川で食器を洗っているうち、中島が腹を立て始める。
―― 第1刷 67頁
× 炎天下の中 → ○ 炎天下


田中経一 『龍宮の鍵』 幻冬舎

亀山は、進んで他の従業員とは接してこなかった小麦にとって、初めてホテルで気の置ける相手になった。
―― 第1刷 128頁
× 気の置ける → ○ 気の置けない

実は昨日、マクラーレン局長に電話でさわりだけお伝えしました。すると『それは面白そうだ。明日のショータイムを楽しみにしているよ』とおっしゃいました。
―― 同 319頁
× さわり

「さわり」は一番大事なところの意味。


久坂部羊 『院長選挙』 幻冬舎

黒子姿の医師が両側から勢いよく持ち上げると、骨は空中で宇宙船の着ぐるみに早変わりした。
―― 第1刷 105頁
黒子姿の二人が作り物の米俵を重そうに運んでくる。
拍手が起こると、黒子が片手でさっさと片づけ、全員がコケる。
―― 同 106頁
× 黒子 → ○ 黒衣

徳富先生なんか、しょっちゅう検査部に来て、奥歯剥き出しのニタニタ笑いで愛想を振りまいていくぞ
―― 同 234頁
四人の副院長は、基礎医学の教授を取り込もうと、それぞれに愛想を振りまいている。 ―― 同 265頁
× 愛想を振りまいて → ○ 愛嬌を振りまいて


久坂部羊 『いつか、あなたも』 実業之日本社

呆然自失の体で、悲しみも麻痺してしまったようだ。
―― 初版第1刷 24頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


久坂部羊 『神の手(上巻)』 幻冬舎文庫

去年の十月、先生の患者さんが亡くなられて、警察が安楽死の疑いで取り調べをしましたたね。
―― 初版 174頁
× しましたたね → ○ しましたね


久坂部羊 『神の手(下巻)』 幻冬舎文庫

何ものにも代えがた喜びであります
―― 初版 153頁
× 代えがた → ○ 代えがたい


久坂部羊 『テロリストの処方』 集英社

狩野は三年前、弱冠四十歳で全医機の常任理事に抜擢された。
―― 第1刷 8頁
× 弱冠四十歳

常に狩野を立て、ときには鼓舞し、自らは黒子に徹してきたはずだ。
―― 同 215頁
× 黒子 → ○ 黒衣

島の東端に近いT字路を空港とは逆の左へ曲がる。
―― 同 224頁
× T字路 → ○ 丁字路


久坂部羊 『老乱』 朝日新聞出版

やり方はネットの記事やYou Tubeの動画で覚えたようだ。
―― 第1刷 313頁
× You Tube → ○ YouTube


久坂部羊 『破裂(下巻)』 幻冬舎文庫

香村がいつになく上機嫌で愛想を振りまいた。
―― 7版 369頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


久坂部羊 『無痛』 幻冬舎文庫

T字路の工事のため、誘導に三人、作業場の安全確保に一人である。
―― 4版 134頁
× T字路 → ○ 丁字路

すでに港区の白金(しろがね)で工事がはじまっています。
―― 同 194頁
× しろがね → ○ しろかね


久坂部羊 『虚栄』 角川書店

赤崎は迷った挙げ句、研究のさわりだけ話すことにした。
―― 初版 37頁
× さわり → ○ 導入部

目を伏せてUSBを差し出す。
―― 同 71頁
× USB → ○ USBメモリー

「コンセントを抜く」と似たような誤用だと思う。


逢坂剛 『果てしなき追跡』 中央公論新社

グリロアは、二十二歳で結婚して所帯を持ったが、四年とたたぬうちに流行病で、連れ合いを失った。
―― 初版 185頁
グリロアが、さりげなく言う。
グリロアは、うなずいた。
―― 同 224頁
これまで、グリロアはそうしたことについて、一度も問いただそうとしなかったのだ。
バーバラと、グリロアが言ったことを通弁すると、隼人はほとんど表情を変えずに、うなずいた。
―― 同 225頁
グリロアにならって、バーバラもその大きな体で、隼人を抱きかかえた。
―― 同 264頁
× グリロア → ○ グロリア


逢坂剛 『燃える地の果てに』 文藝春秋

わたしは、それをさらに十年間延長してもらうおうと、アメリカ大使館にかけ合ってきたのです
―― 第1刷 553頁
× もらうおう → ○ もらおう


高橋源一郎 『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』 集英社新書

そして、次に、カンパツをいれずに、その先っちょを、真っ直ぐ上に向ける。
―― 第1刷 124頁
× カンパツ → ○ カンハツ


高橋源一郎 『動物記』 河出書房新社

秋田犬のナツメさんは、怒ったように、少し声を荒げて、いった。
―― 初版 81頁
× 荒げて → ○ 荒らげて


高橋源一郎 『還暦からの電脳事始』 毎日新聞社

「電子マネー」は、わたしには敷居が高すぎる。
―― 初版 139頁
× 敷居が高すぎる

ほとんど線だけの動画によるくだらないギャグアニメで、れんちゃんは、それを見てはいつも爆笑している。
―― 同 182頁
× 爆笑

「敷居が高い」「爆笑」どちらも誤用。


佐々木譲 『英龍伝』 毎日新聞出版

邦次郎は父親の書斎に呼ばれた。英毅が父の正面に正座すると、父は謹厳な面持ちで言った。
―― 初版 42頁
× 英毅 → ○ 邦次郎

英毅は父親の名前。

同時に任命された巡検使の本田や松平たちは、測量の技術を持っていない。
―― 同 287頁
× 本田 → ○ 本多

正しくは本多忠徳。登場人物名の誤植はいただけない。


佐々木譲 『獅子の城塞』 新潮文庫

部屋は豪壮な屋敷の奥にあり、この部屋自体が入る者を選んでいるかのような敷居の高さを感じるのだ。
―― 初版 687頁
× 敷居の高さ → ○ 格式の高さ


佐々木譲 『ワシントン封印工作』 新潮文庫

いまごろは妻と子供に、せいいっぱいの愛想を振りまいているにちがいない。
―― 初版 261頁
× 愛想を振りまいて → ○ 愛嬌を振りまいて


佐々木譲 『警官の血(上巻)』 新潮文庫

どの部屋でも、何人かは呆然自失の体だ。
―― 3刷 378頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


佐々木譲 『鷲と虎』 角川文庫

デニスたち国際飛行大隊や第四大隊の飛行機は、漢口飛行場へ直接帰らず、みなこのなつかいし大校場飛行場に臨時着陸したのだった。
―― 初版 300頁
× なつかいし → ○ なつかしい


佐々木譲 『エトロフ発緊急電』 新潮文庫

信徒たちに愛想をふりまきつつ信仰を説く牧師ではないようだった。
―― 第9刷 292頁
× 愛想をふりまき → ○ 愛嬌をふりまき

彼のひととなりを、もう少し詳しく知ることもできるにちがいない。
―― 同 506頁
要は、金森というこのふしぎな男の人となりをもっと知りたかったのだ。
―― 同 515頁
「ひととなり」か「人となり」か表記統一されていないのが気に食わぬ。


伊藤瑞彦 『赤いオーロラの街で』 ハヤカワ文庫

会社のPR用ピンバッジをデイバッグに付けていたお陰で、向こうから気付いてくれたらしい。
―― 初版 10頁
高山さんは、課長の隣でデイバッグを持っているこちらの姿を見て、あー、と口を開けたあと、申し訳無さそうに言った。
―― 同 51頁
× デイバッグ → ○ デイパック

その影響で、現在各国が打ち上げている七十台以上ある衛星の基盤がショート、または誤動作。
―― 同 62頁
× 基盤 → ○ 基板


原田マハ 『旅屋おかえり』 集英社文庫

あんまりおもしろい顔を見せられて、私はもうちょっとで爆笑してしまいそうになった。
―― 第1刷 51頁
× 爆笑 → ○ 大笑


原田マハ 『総理の夫』 実業之日本社

私のこのメガネ顔を初見した人は、たいがい凛子さんのように爆笑するんだが・・・・・・
―― 初版第1刷 41頁
× 爆笑 → ○ 大笑

総理の夫たるもの、無愛想なのはよろしくないが、愛想を振りまき過ぎていい気になっているように見られてもいけない。
―― 同 114頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき

闘いの火蓋が、切って落とされるときが。
―― 同 246頁
総選挙の火蓋が切って落とされた。
―― 同 273頁
× 火蓋が切って落とされる → ○ 火蓋が切られる

相馬内閣発足後は黒子に徹していた原久郎の動きが注目を集めるようになった。
―― 同 248頁
× 黒子 → ○ 黒衣


原田マハ 『楽園のカンヴァス』 新潮文庫

「何を言ってるんだ、君は」ティムは、今度こそ声を荒げた。
―― 3刷 116頁
ティムは「あたりまえじゃないですか!」と、つい声を荒げてしまった。
―― 同 126頁
× 荒げ → ○ 荒らげ


池末翔太 『公式を暗記したくない人のための高校物理がスッキリわかる本』 秀和システム

こんなに幅広く、救命しようとする学問は他に例がありません。
―― 第1版第1刷 15頁
× 救命 → ○ 究明


阿川弘之 『末の末っ子』 ちくま文庫

「いじりなさんな、いじりなさんな」と、ともから定吉先頭が出て来た。
―― 第1刷 513頁
× 先頭 → ○ 船頭


阿川佐和子 『うから はらから』 新潮文庫

食卓の上には実印を含めた印鑑一式とチチ名義の通帳三通、そして離婚届の紙が広げて置かれていた。
―― 初版 56頁
× 印鑑 → ○ 判子


川端裕人 『クジラを捕って、考えた』 PARCO出版

イギリス人のマークはこの状態を見て「まるで軍隊みたいデス」と評したが、それも案外的を得ているかも知れない。
―― 第1版 47頁
× 的を得ている → ○ 的を射ている

カルチャーショクに満ちた一日は終わりに近づき、ちょうど13頭目を捕った第一京丸が、母船に最後のクジラを渡しにやって来たのを見るためだった。
―― 同 58頁
× カルチャーショク → ○ カルチャーショック

前を通りかかったら入口近くで佐々木君が漫画を読んでいた。よりによってグルメ漫画『美味しんぼう』だ。
―― 同 150頁
× 美味しんぼう → ○ 美味しんぼ


川端裕人 『せちやん』 講談社

野球部の練習が終わって家に帰ると、ぼくはスロットマシーンやら、ダイスゲームの小さなプログラムをアセンブラ言語で組んでは悦に入った。
―― 第1刷 65頁
× アセンブラ言語 → ○ アセンブリ言語

ぼくは爆笑した。クボキもつられて笑った。
―― 同 89頁
× 爆笑

だから彼女たちが去ったことは、まるで足元をすくわれたようだった。
―― 同 129頁
× 足元をすくわれた → ○ 足をすくわれた


小松英一郎・川端裕人 『宇宙の始まり、そして終わり』 日経プレミアシリーズ

この結果を見た時のあまりの衝撃から熱を出しまして、冷えピタを張って過ごしてました。
―― 2刷 77頁
× 張って → ○ 貼って


五十嵐貴久 『波濤の城』 祥伝社

君が言うように、何かが船底の当たったからといって、それがどうしたというんだ
―― 初版第1刷 100頁
× 船底の当たった → ○ 船底に当たった

その情報を下に、現在のレインボー号の状態をシュミレーションしました。
―― 同 256頁
× シュミレーション → ○ シミュレーション


五十嵐貴久 『スイム!スイム!スイム!』 双葉社

一番最後に新入社員の女の子に電話すると、もしもし、と怯えたような声がした。
―― 第1刷 32頁
レポーターの女の子がオレに近寄ってきたのは、一番最後だった。
―― 同 110頁
× 一番最後 → ○ 一番あと

スタート台の方向からだと、泳いでいる選手の差はわかりくいのだが、間違いなく望は追い上げていた。
―― 同 298頁
× わかりくい → ○ わかりにくい


五十嵐貴久 『炎の塔』 祥伝社

廊下を駆け、一番最初の部屋のドアを蹴飛ばした。
―― 初版第1刷 191頁
× 一番最初 → ○ 一番初め

重複表現なので「一番初め」かもしくは単に「最初」とすべし。


五十嵐貴久 『南青山骨董通り探偵社』 光文社文庫

今の仕事に煮詰まっていた。嫌だとか辛いとかいうのではない。それなら解決の方法もあるだろう。そうではなく、煮詰まっていたのだ。
―― 2刷 31頁
× 煮詰まっていた → ○ 行き詰まっていた


五十嵐貴久 『いつかの少年』 双葉文庫

「じゃあプリンに行かせろ
―― 第1刷 44頁
カギ括弧が閉じられていない。


五十嵐貴久 『1981年のスワンソング』 幻冬舎

結論は出なかった。話し合いは煮詰まり、結局最後は小夜子に任せるということになった。
―― 第1刷 282頁
× 煮詰まり → ○ 行き詰まり


五十嵐貴久 『最後の嘘』 双葉文庫

その子は高校二年年生なんですよね?
―― 第1刷 38頁
× 二年年生 → ○ 二年生


五十嵐貴久 『消えた少女』 双葉文庫

そのためにはこのオッサンでは役不足だ、という結論に達した。
―― 第1刷 117頁
× 役不足 → ○ 力不足

とんでもありません、とは言わなかった。
―― 同 134頁
× とんでもありません → ○ とんでもないです


五十嵐貴之 『ダッシュ!』 ポプラ社

I'm sorry, Idon't know his name.
―― 第2刷 132頁
× Idon't → ○ I don't

ネイティブ外人の科白であるが、スペースが抜けている。


五十嵐貴久 『パパとムスメの7日間』 朝日新聞社

ブラジャーがうっとおしかったが、外すことは厳重に禁じられていた。
―― 第1刷 138頁
× うっとおしかった → ○ うっとうしかった

「お」か「う」か迷いがちだけど「鬱陶しかった」と漢字を当てて考えれば間違い瞭然。


朱川湊人 『幸せのプチ』 日本経済新聞出版社

さっきまで爆笑していた彼から一切の表情が消え去り、それこそ紙のような顔色になっていた。
―― 第1刷 94頁
× 爆笑 → ○ 大笑

何せプチは誰かれナシに愛想を振りまく。
―― 同 107頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

今や押しも押されぬ大女優になった小野村柊子ということになるのだろうが、実物を見たことがないので、何とも言えない。
―― 同 343頁
× 押しも押されぬ → ○ 押しも押されもせぬ


朱川湊人 『今日からは、愛のひと』 光文社

俺は爆笑したが、奥山はマジメな顔で答えたものだ。
―― 初版1刷 208頁
× 爆笑 → ○ 大笑


朱川湊人 『なごり歌』 新潮社

熱にうなされて、あの子の頭が混乱しただけよ
―― 初版 126頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ


朱川湊人 『満月ケチャップライス』 講談社

『女心と秋の空』というのは、変わりやすいものの代表選手らしいが、冬の空だって負けてはいないと思う。
―― 第1刷 41頁
× 女心と秋の空 → ○ 男心と秋の空

マンガそのままの展開に爆笑したくなったけれど、僕は鼻から息を逃がして笑いを抑えた。
―― 同 196頁
× 爆笑


朱川湊人 『遊星ハグルマ装置』 日本経済新聞出版社

ゼスチャーでコミニュケーションを取るヒマもない。
―― 第1刷 271頁
× コミニュケーション → ○ コミュニケーション


朱川湊人 『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』 集英社

世には美しい女性が綺羅星(きらぼし)の如く存在するのに、何も好んで衆道に走らずとも良いように思える。
―― 第1刷 168頁
× きらぼしの如く → ○ きらほしの如く

なんでわざわざ「きらぼし」なんて間違った振り仮名を付けるかな集英社。


朱川湊人 『さよならの空』 角川書店

そんなどうでもいい知識が口をついて出ようとするのを、テレサはあわやのところで噛(かみ)み潰した。
―― 初版 13頁
× 噛(かみ)み → ○ 噛()み

ルビの「み」が一文字余計。

精密機械やプリントの基盤の洗浄剤
―― 同 27頁
× 基盤 → ○ 基板

「基盤(base)」と「基板(circuit board)」の意味は違うことを、多くの編集者は識らぬようだ。これだから文系人間はっ(笑)。

それは昨日も、お断りしたと思うですが
―― 同 65頁
× 思うですが → ○ 思うのですが

みんなは顔を見合わせて、首を捻(にね)った。
―― 同 116頁
× 捻(にね)った → ○ 捻(ひね)った

ルビ間違い。朱川湊人の本は誤記が多いなあ。


朱川湊人 『花まんま』 文藝春秋

まったく記憶にはないが、高熱にうなされていた私の心は、その時に戻っていたのだろうか。
―― 第1刷 22頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

おばさんが亡くなったのは、奇しくもある年の元旦です。その日の朝まで話もできるほどだったのに、急変したのです。
―― 同 216頁
× 元旦 → ○ 元日

元旦は一月一日の朝のこと。「その日の朝まで話もでき」たなら、死んだのは元旦じゃないやん。

私は炎天下の中を、サンダル履きでマサヒロの家に向かった。
―― 同 235頁
× 炎天下の中を → ○ 炎天の中を

「炎天下の中」じゃ重複表現ずら。


土橋章宏 『スマイリング!』 中央公論新社

洋平が爆笑した。
―― 初版 123頁
× 爆笑

俊太の背中に染め抜かれた<岩熊自転車>という文字はいやが上にも目を引く。
―― 同 207頁
× いやが上にも → ○ いやが応にも


土橋章宏 『ライツ・オン!』 筑摩書房

リチャードは声を荒げた。
―― 初版第1刷 135頁
リチャードは思わず声を荒げた。
―― 同 228頁
× 荒げた → ○ 荒らげた


熊谷達也 『揺らぐ街』 光文社

黒子でしかないはずの編集者ではあるものの、特にそうした周囲からの評価は、本人にあらぬ錯覚を抱かせる。
―― 初版1刷 92頁
× 黒子 → ○ 黒衣

小さな商店街を通過して突き当たったT字路の先に仮設住宅はあった。
―― 同 115頁
× T字路 → ○ 丁字路


熊谷達也 『潮の音、空の青、海の詩』 NHK出版

自分の父母の遺体が見元不明者として安置されていないかどうか、確認して回るしかなかった。
―― 第1刷 183頁
× 見元不明者 → ○ 身元不明者


熊谷達也 『バイバイ・フォギーデイ』 講談社

このまま議論していても煮詰まる一方で疲れるだけだ、と誰もが感じていたみたいで、もっと続けよう、と主張するメンバーはひとりもいなかった。
―― 第1刷 81頁
× 煮詰まる → ○ 行き詰まる

「議論が煮詰まる」は結論が出る意味だから、良いことなのだが。


熊谷達也 『迎え火の山』 講談社文庫

そんなことをしているなどとはひと言も口にしなかった親父が、今は病院のベッドで原因不明の高熱にうなされている。
―― 第1刷 208頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

インフルエンザにしては時期外れですからね
―― 同 224頁
△ 時期外れ → ○ 時季外れ


熊谷達也 『稲穂の海』 文藝春秋

まだ明るいうちにバーベキューをしようということになって、稔が火を起こし始めた。
―― 第1刷 218頁
× 火を起こし → ○ 火を熾し


熊谷達也 『オヤジ・エイジ・ロックンロール』 実業之日本社

せっかくレス・ポールをお求めになるんですから、あとで後悔しないように、じっくり時間をかけて選んだほうが絶対にいいです。
―― 初版第1刷 25頁
どうしようかと迷っているうちに三日間の連休が終わっていたのでは、あとで絶対に後悔するに決まっている。
―― 同 252頁
× あとで後悔 → ○ 後悔

「あとで後悔」は重複表現。単に「後悔」か、「あとで悔やむ」とするべき。とはいえ、大人げなく指摘せにゃならんほどの誤りでもないと思う(笑)。

どこが、というと、いずれの曲も詩が素人っぽい。
せっかくいい曲なのに、詩がこのままでは、とてもじゃないが沙織には歌わせられない。
―― 同 239頁
実際、当時のハードロック系のバンドの詩は、翻訳を読むと、成田の詩と五十歩百歩だったりする。
―― 同 241頁
× 詩 → ○ 詞

以下、「詞」を「詩」と表記している箇所が余りに多いので、省略。

翌年発表されたアルバムが『紫の炎』であるが、(中略)このアルバムの原題は『Bum』である
―― 同 367頁
× Bum → ○ Burn

ロック野郎だった作者がディープ・パープルの名盤タイトルを間違えるはずがないから、活字を拾った職工さんがミスったと思われる。「rn」は一瞬「m」に見えるものね。

ギターの指版の最もヘッド側(ネックの先端のほう)にあるパーツ。
―― 同 368頁
その長さを区切るためにギターの指版に埋め込まれた金属。
―― 同 370頁
× 指版 → ○ 指板


植松三十里 『不抜の剣』 H&I

弥九郎はは内田たちと連絡を取り合いながら、海岸調査の準備を進めた。
―― 初版第1刷 123頁
× 弥九郎はは → ○ 弥九郎は


植松三十里 『唐人さんがやって来る』 中央公論新社

それが周囲に愛想を振りまきつつ、研三郎を引っ張る。
―― 初版 38頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき


植松三十里 『北の五稜星』 角川書店

浦賀に本格的な造船所を造りたければ、おまえは黒子に徹しろ。
―― 初版 244頁
ただし建立者は、あくまでも熊吉とし、星たちは黒子に徹した。
―― 同 246頁
× 黒子 → ○ 黒衣

ホクロに徹するとはどういう意味じゃらほい。


植松三十里 『お龍』 新人物往来社

表階段を登りきると板の間の廊下があり、それ囲むようにして、座敷と押し入れが配置されている。
―― 第1刷 72頁
× それ囲む → ○ それを囲む

大山は飛び起きると、藩邸内にいた藩士全員をたたき起こした。そして槍と提灯を揃えて、檄を飛ばした。
―― 同 81頁
× 檄を飛ばした

誤用。

お龍は文がはさまっていた手帳を、もうちど開いた。
―― 同 137頁
× もうちど → ○ もういちど


植松三十里 『達成の人 二宮金次郎早春録』 中央公論新社

そして高熱でうなされながらも、金次郎を手招きして言った。
―― 初版 80頁
× 高熱でうなされ → ○ 高熱で浮かされ


植松三十里 『群青 日本海軍の礎を築いた男』 文藝春秋

永持は外国奉行支配組頭を経て京都表御用となり、以来、慶喜の側近として、外交関係の黒子役をつとめていた。
―― 第1刷 217頁
× 黒子役 → ○ 黒衣役

熱にうなされて、いろいろな夢を見た。
―― 同 301頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ

津波のような大波が押し寄せて、目の前に迫り来る。
―― 同 301頁
× 津波のような大波

「津波」は波の大きさを意味する言葉じゃない。津波はたった1cmでも津波。

不肖、佐々倉松太郎、御家の汚名挽回の夢を抱き、蝦夷地に渡りましたが、力及ばす
―― 同 336頁
× 汚名挽回 → ○ 汚名返上

汚名を挽回しちゃいけません。


吉村龍一 『海を撃つ』 ポプラ社

サンマの群れをちりじりにかき乱しながら、はげしく水面を上下する。
―― 第1刷 13頁
× ちりじり → ○ ちりぢり


吉村龍一 『光る牙』 講談社

三脚にはキャノンの一眼レフ、EOS-1DX。
―― 第1刷 5頁
× キャノン → ○ キヤノン


百田尚樹 『海賊とよばれた男(上)』 講談社

陸海軍の将兵たちは敗戦という信じられない現実に呆然自失となり、終戦と同時に軍はタガが緩んだようになった。
―― 第31刷 60頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


百田尚樹 『夢を売る男』 太田出版

いやあ、まさに読書人の鏡ですね。
―― 初版第1刷 215頁
× 鏡 → ○ 鑑


百田尚樹 『プリズム』 幻冬舎

先生は担当直入に訊いてきた。
―― 第1刷 304頁
× 担当直入 → ○ 単刀直入

過去最高に間抜けな誤植かも知れん。担当の先生だから担当直入しちゃったのかな。


百田尚樹 『風の中のマリア』 講談社

しかしカブトムシは夏の終わりとともに姿を消し、秋の樹液場はオオスズメバチの独壇場となっていた。
―― 第1刷 46頁
△ 独壇場 → ○ 独擅場


百田尚樹 『ボックス!』 太田出版

ただし準決勝まで勝ち進めば、顧問の輝子も含めた部員全員の応援のための旅費と交通費が出ることになっていた。
―― 第2刷 239頁
× 顧問の輝子 → ○ 顧問の耀子

作中に出てくる顧問の名は「耀子」である。この一文にだけ登場する「輝子」とは誰じゃらほい。

私、前に、もう一度ボクシングをやりなさって言うたでしょう。
―― 同 499頁
× やりなさ → ○ やりなさい




まだ続きます