ボルネオの今。その1    -植物性は環境によくない?−

 ”ボルネオ”と聞くと、テレビの自然番組の影響か、こどものころから『密林の熱帯雨林』『野生動物の宝庫』といった漠然としたイメージがありました。しかし、今やそうではなくなりつつある、と気づかされたのは、植物学者の宮脇昭さんの講演会で見せられた、1枚の航空写真からでした。それは、ボルネオの森を上空から撮影したもの。一面の熱帯雨林、ではなく、きれいに整列して植えられた一面のパームヤシ畑でした。 『植物性は、必ずしも環境にやさしくないんです』
そんな言葉がきっかけで、ボルネオという場所を意識するようになりました。


そんな中、2008年9月、マレーシア・サバ州を訪れる機会をいただきました。
(ボルネオ島はマレーシア、ブルネイ、インドネシア領に分かれています)
北ボルネオにあるキナバタンガン川沿いの『緑の回廊計画』を打ち立て、ボルネオ保全トラストを発足した、坪内俊憲さんに現地案内と講師として現状を説明していただきました。

私たちは、60年代の高度経済成長期ころからずっと、このボルネオで採れたパーム油にお世話になってきました。安価で質のよいパーム油は、食用、洗剤、化粧品など私たちが日常に使っている製品のあらゆる原材料として使われています。現在はあらたにバイオ燃料の原料としても、注目されています。身のまわりにある製品の原材料に『植物性油脂』と書かれているのは、ほぼ99%パーム油(ヤシ油)なのだそうです。

また、健康ブームの影響から『植物性油脂の方が、動物性のものより健康にいい』と思われがちですが、
コレステロールの研究結果からいえば、実際はどちらも人間の体に対する影響は変わらないのだそうです。
そんな誤った認識も重なって、私たちは無意識のうちにも日々、どこにあるのかも知らない人も多いかもしれないこのボルネオの森を、いまこの時にも現在進行形でむしばんでいるのです。


コタキナバル

サンダカンへ

日本列島発見!

地図
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訪れた9月半ばはまだ乾季。ツアー中は終日、お天気に恵まれました。気温は28〜33度、
湿度80〜90%。空気が肌にまとわりついてきて、普段汗をかきにくい私でも、滝のように流れます。
水分補給のたびに体内の水分が洗われてゆくような。。これぞデトックス!?

ボルネオ島の玄関口、コタキナバルから国内線で約1時間のサンダカンへ向かいます。


オランウータン
リハビリテーションセンター

スケスケの森…

向こうの山まで
プランテーションが広がる
サンダカン空港から車で約1時間のセピロクに、オランウータンのリハビリテーションセンターがあります。
ここでは、人間との摩擦により孤児となったオランウータンの子どもを、自立して森で生きていけるように育てています。現在は2,3ヶ月に2頭ほど運び込まれるそうです。この数を多いととるか、少ないととるか。。

キナバタンガン川中流のビリットにあるジャングルロッジへボートでさかのぼっていく間、川岸の森に向こうが透けた場所がたくさんあるのが気になります。その向こうはすぐに、プランテーションが広がっているのです。

法律では、川岸20mは建造物、プランテーションは作ってはいけないことになっていますが、ほとんど守られていないのが現状。先頭をきっているのが、政治を牛耳っている特権階級であったりする現実もあり、ほとんど黙認状態なのだとか。。そもそも、「川岸20m」という規定も特に根拠はないようで、生物保全を考えるならせめて1q〜2qは必要だといいます。

森の向こうの緑に見える山にも、上の方までプランテーションが広がっていました。
熱帯雨林の表土は地表30cmほどしかなく、森を切ってアブラヤシを植えると、雨によって表土は簡単に流されてしまいます。水はけのいい山に植えられたアブラヤシの木は、栄養が行き届かず、枯れてしまうものも多いのだそうです。つまり、本来は山の地形は植林には向いていないのです。   ≫次へ


      

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