ボルネオの今。その3    −熱帯には熱帯夜はない。-


収獲

アブラヤシ果房

選別

パーム列車

巨大スチーマー
ビリットの船着場から車で約1時間のところにある、アブラヤシ農園と搾油工場見学をしました。

この農園では、1人のマネージャーに3人の農園長、200人の収獲労働者が働いています。3000fのプランテーションを管理していて、現在新たに8000fの森を開発中だそうです。収獲はすべて収獲労働者による手作業で、柄の長いカマでひとつひとつ刈り取ります。アブラヤシの果房はひとつ20〜30kgもあります。ひとりにつき1日果房3トンの収獲をノルマとされ、腐った実など悪い実が含まれていた場合はその分をペナルティとして賃金から差し引かれます。安定した仕事を求めてきたインドネシアやジャカルタなどからの労働者も多く、その陰では外国人の違法労働者や、児童労働などの問題も起きているといいます。

農園の各場所からトラックに積まれてきた果房は工場の入り口に集められ、人の手によって悪い実を選別していきます。その後、鉄製のトロッコに積み込まれ、巨大なスチーマーの高圧蒸気で炊き、実と実以外に分けます。赤い実の部分を圧搾し、遠心分離機にかけたり、ろ過したりを繰り返しながら、純度の高いパーム油を作っていきます。

地平線までプランテーションが広がる…

アブラヤシの木の寿命は15〜20年です。木が古くなれば植え替え、年中収獲することが出来ます。プランテーションの土は、熱帯雨林の土に比べて表土が失われているため、乾季のこの時はカラカラに乾燥してひび割れていました。この土壌でアブラヤシの木を育てるために、多くの農薬や化学肥料が使われています。

熱帯雨林の中では、日中どんなに暑くても、日が沈めば一気にクールダウンします。”熱帯夜”で寝苦しい、なんていうことはありません。地表の熱を一気に冷やす力を持つ森をなくしているのなら、温暖化は当たり前の結果といえるかもしれません。ボルネオの森は、30年前は36億人分の酸素を供給していたのに、現在は22億人分に減少しているといいます。この20年で失われた森の広さは、地図上で見るとゾッとするほどです。ボルネオで生まれた酸素は上空にたまり、くるくる自転する地球の表面全体に行き渡らせることができるようになっています。森を切るということは、ボルネオだけのことではなく、地球全体に影響を及ぼすということなのです。

だけどマレーシア政府は、環境保全よりもむしろパーム油による経済成長を優先したがっています。それは、たくさん使う人がたくさんいるから…私たちひとりひとりに、責任の矛先が向かってきます。。   ≫次へ

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