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エコロジー的思考で風水を考える

 

風水は、地球環境に関する壮大なテーマが見えかくれしています。地球規模での人間と自然の調和の探究です。まさに自然とともに呼吸せよと教えています。風水は天、地、人の関係から住居と自然環境全体との融合を論じているのです。

 

そこで、立花 隆氏の著書「エコロジー的思考のすすめ」から風水を考えてみるとよくわかるような気がします。風水は、まさに生態学の一つでもあるのです。

 

立花 隆氏の視点

 

生態学の名付け親である生物学者E・ヘッケルは、生態学を「生物と環境および共に生活するものとの関係を論ずる学問である。」と定義している。

 

★物理学にしろ、科学にしろ、あるいは心理学にしろ、あらゆる科学は現象を観察することからはじまる。

 

観察を深めていくと、現象と現象の間に相関関係を発見することができる。その相関関係を定式化したものが法則である。観察、相関関係の発見、定式化、このプロセスを帰納という。定式化された法則が集まり、一つの体系ができあがていく、これが科学である。

 

ここで、問題なのは、現象の局部が取り出され、抽象化されていくことだ。たとえばリンゴが木から落ちる。この現象全体を説明するには、重力の法則だけでは十分でない。リンゴの実の細胞と枝の細胞がいかなるつながり具合いになっているのか。リンゴの成熟度がどう影響しているか。

 

風の影響はどうだろうか。日射は関係しないか。湿度や温度とはどんな関係があるのか。その現象全体が部分から構成されているにちがいはあるまいが、部分において真であることが必ずしも全体において真であるとは限らない。また、部分をすべて知ったとしても、全体を知ったことにはならない場合が多い。

 

★したがって、はっきりいって生態学には理論体系はない。ようするにまだ普遍的で客観的に法則化できるたぐいのものでない。それはいってみれば古老のことばに見られるような経験の集積が生んだチエに近いかもしれない。

 

科学は、帰納に発していることでもわかるように、経験の集積である。しかしそれは、精密化を心掛けるあまり、一面的で局部的な経験だけをとりあげて、そこから知識を抽出してくる。これに対して生態学のチエは、経験全体からにじみ出してくるようなチエなのである。

第一のチエは、自然全体が一つの有機的なシステムになっていることの確認である。

 

★生物の分布は環境条件によって支配されている。その条件の中でも、気候は極めて重要な意味を持っている。気候を問題にする時、気象学でいう気候以上に重要なのが微気候である。

 

微気候というのは、きわめて狭い範囲の気候条件のことである。同じ場所でも、たった1メートル離れただけでも、あるいは、地表からの高さが少しちがっただけでも、温度、湿度、風通しのよさ、光の強さがちがってくる。

 

山脈の北と南では気候条件がガラリとちがうように、そのへんにころがている石の北と南のミクロの気候を調べてみると、やはりガラリと変わっているのである。

 

微少な生物のレベルで調べてみると、一つの石ころのこちら側に住むものと、向こう側に住むものとでは全く違うのである。これは気候だけでなく、あらゆる環境条件についていえることである。一見同じ条件のように見える場所でも、ミクロの眼で見ると、驚くほどのへだたりがある。

 

★人間の生活環境、労働環境は、一見同一条件のように見えるところも、微気候、微環境のちがいがある。これを良く見極めて、自分の住み場所、働き場所を決めないと、陸に上がった魚のようにアップアップしなけらばならなくなる。ノイローゼになって会社をやめたいと言い出した女の子の机の配置を一つずらしただけで生気を取り戻したという例もある。

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