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編集:大田拓、更新:2016 年 8 月 14 日

ストリート・クロッキー


1.風景画のなかの人物

風景画の中に通行人などを描きこみたい、と思うことがときどきあります。
現場で人物を上手く描ければ、絵の価値は少し上がりますが、上手く描けないと「子供の絵」になってしまって、絵の価値が一挙に下がります。 つまり、風景画の中に人物を描き込むことはハイリスク・ローリターンであるため、僕はこれまで苦手にしていました。

人物を確実に仕上げる方法としては、写真をとっておいて、後で写真を元に描くことですが、こういう「非常手段」はあまり感心できません。また、鎌倉・横浜スケッチ会の中には、人物を現場でサラサラっと見事に描く人が何人もいます。
そういうわけで、鎌倉・横浜スケッチ会の諸先輩を見習って、最近は現場で人物を描くことに挑戦しています。

2.ストリート・クロッキー

いきなり風景画のスケッチで人物を描くのは無謀すぎるので、まずは練習から始めています。どう練習するのがよいか、考えました。
ヌードモデルを短時間で描く「クロッキー」という分野がありますが、たとえ5分でもモデルは静止しています。現場では、たとえば信号待ちでも人物は静止してくれません。
そこで、A4のスケッチブックと鉛筆だけを持って街に出て、歩いている人やベンチに座っている人物を描く練習から始めています。僕はこれを「ストリート・クロッキー」と呼んでいます。これなら、近所の公園や駅前広場でも簡単にできます。
なお、現場では鉛筆で描き、出来の良いものだけを後で彩色しました。
(2016-6-13)

6月にストリート・クロッキーを始めてから約2か月が経ち、500人くらいは描いたでしょうか。それで、初期の作品は削除して、最近の作品をいくつか紹介します。
A:浴衣を着て駅に向かう女性。浴衣の裾はもう少し長かったようです。
B:子供を抱いた女性。最近は赤ちゃんを体の前でダッコするスタイルが定着しました。
C:近所の公園で見かけた女子中学生の一人で、数人で水遊びに興じていました。女性の場合、ふくらはぎの曲線をきれいに描くことが重要です。
         
D:駅前で見かけた女性、風に揺れるワンピースの曲線が美しいので描いてみました。
E:帰宅する女性。もう少し細かったかもしれません。
F:バスを待つ女性。立ち姿が美しいので目に留まりました。
         
(2016-8-14)

3.人物を描くコツ

最近は動いている人物を描くのを面白いと感じています。また(ヌードではなく)服を着ている方が、個性を表現する楽しみがあります。
それで、若い女性を好んで描いているのですが、500人ほど描いてみて掴んだコツは:
・ 一般に、歩行者はやや下を向いて歩きますから、あごの位置は肩よりも下にくる。つまり、肩の線はあごより上から出す。
・描く前に、上半身と下半身の曲線をざっと掴んでおく。
・ 最初に上半身を描き、次に下半身を描く。その後、上半身と下半身にバランスするように頭を描くと自然な人物になります。最初に頭を描くと、身体とのバランスがとれず、上手く描けません。
・ 女性の場合は、なで肩にして、ウェストをくびれさせ、そして、腰のまわりを少し太めに描くと良い。
などです。 (2016-8-14)

4.山下公園

7月上旬に山下公園に行きました。この日は曇り空で涼しかったので、暑さを気にしないで済みました。
中景に氷川丸がありますが、この構図で人物がなかったら絵になりません。また人物のいない公園は殺風景で公園とは言えません。

一般に、風景画の中の人物は逆光にして暗く描くのが普通のようですが、今回はそういう常識を無視して描いてみました。
ストリート クロッキーの練習の成果で、人物はそれなりに描けるようになったと思いますが、さて、このように人物が主体で、風景画として成立するかどうか、これも挑戦です。
(2016-7-30)



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