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編集:大田拓、更新:2019 年 5 月 26 日

水彩画について考えてきたこと(4)


1.王軍先生の描き方

僕はこれまで、何人かの先生の水彩画教室に(短期間)通いました。
その中で最も印象深いのは王軍先生の水彩画教室です。ここは半年で辞めたのですが、気持ちの中では未だに王軍先生のような絵を描けるようになりたいと思っています。
王軍先生の描き方は独特で、紙の裏側に水を塗って10分以上待ち、紙が水分を十分に吸って伸びきった状態にします。さらに机にも水を塗り、この机の面に、伸びきった紙を水で張り付けた状態で描きます。
これには2つの目的があります。
第1の目的は紙が伸びきった状態で描くため、水張りが不要になることです。
第2の目的は、紙の裏側から絶えず水分が上がってくるため、乾きにくくなることです。 通常の描き方の場合、塗った絵具は数分で乾きますが、この方法では絵具が乾くまでに数十分かかります。つまり、その分、ゆっくりウェットで描ける、ということです。
ただし、この方法を採用するだけで、誰でも王軍先生のような絵が描けるわけではありません。
ウェットの状態でコントロールして絵を描くためには、絵具が(チューブから絞り出した直後のように)柔らかいことが重要で、これは滲み過ぎるのを防止するためです。王軍先生の水彩画教室では、毎回柔らかい絵具を持参する必要があり、これが大変でした。
もう一つは「筆さばき」で、あのダイナミックな絵は、独特の筆さばきから生まれます。これだけは、簡単に真似ることができません。

王軍先生の描き方は基本的には屋内用ですが、クラブツーリズムのスケッチ旅行で、王軍先生が屋外で絵を描く状況を見たことがあります。
あのときは、もちろん、紙の裏に水を塗るようなことはなく、先生はブロック紙を使用していました。
王軍先生が樹木を描くのを見ましたが、明るい部分から暗い部分までの色を、予め3色くらいパレットに容易しておいて、塗り始めたらその3色を使って、乾くまでの短時間に(1分間くらい)一気に樹木を描きました。
つまり、屋外の特に日当たりが良い場所では、これくらいの準備をして絵具が乾ききるまでにウエットで描き上げることが必要です。

2.サンフラワーM

たまたまですが、サンフラワーMという紙を使って水彩画を描いている人に出会いました。横浜市在住の、水彩画の先生が務まるほど上手い人でした。
サンフラワーMは、学童用と言ってもよいほどの紙で特に安いのが特徴です。F6サイズ1枚で60円ほどで、White Watson(約150円)、アルシュ(約500円)と比べれば、いかに安いかがわかります。
紙の厚さは 210 gr で、少し薄いので、この方は水張りをして描いているそうです。
僕は試しに買って帰り、水張りをしないで、従来の4辺をテープでとめただけの状態で描いてみましたが、なんとか描けました。

紙が違うと描き味が違い、面白い発見があります。
次の絵は近所にあるお寺のお堂を描いたものですが、描き味は White Watson とあまり違いません。ただし、濃い色が出にくいので、あっさり仕上げました。

3.八ヶ岳スケッチポイント

今年(2019年)はこれまでとは少し違う八ヶ岳を描きたいと考えています。
具体的には、八ヶ岳が裾野の方から見えて、裾野付近に田園が広がっている雄大な絵です。
こういう風景は、たとえば、中央高速の須玉ICで降りて、R141(清里ライン)を北上すると見える場合があるのですが、残念ながら、そこに駐車場があるとは限りません。風景が良いからと言って、道端に車を止めて絵を描くというわけにはいきません。

それで、またスケッチ場所探しに出かけました。 出掛ける前に3か所、おおよその見当を付けて出かけました。
1か所目は北杜市の高根地区です。ここは清里ライン沿いにあり、さらに総合グラウンドや体育館があります。こういうところには大体、駐車場がありますから、そこに車を止めて、その近くに望むような風景が見えれば良いな、と期待して出かけました。
清里ラインから少し離れて体育館を探しながら高根地区を走っていると、水田には水が張られて田植えの準備が進んでいました。これは良いと大いに期待して体育館まで行くと、想定通り、駐車場がありました。ただし、駐車場から見える景色は、手前の森林が邪魔をして八ヶ岳の全貌は見えず、やや期待外れでした。ここから歩いてスケッチ場所を探せば、良い場所が見つかるかもしれませんが、問題は何分歩けば目的の場所が見つかるのかです。

2番目の場所は、清里ラインを北上した道の駅「南きよさと」に隣接する「花の森公園」です。ここは道の駅からケーブルカーで山の上まで移動した場所にあります。 350円払ってケーブルカーで山の上まで移動しましたが、相当高い場所にあるので、当然、八ヶ岳は見えましたが、遠くの森林が邪魔をして八ヶ岳は上の方しか見えませんでした。

3番目は原村地区にある「八ヶ岳自然文化園」です。
事前調査で、八ヶ岳自然文化園の西の端に「まるやち湖」という小さな湖があり、そこから八ヶ岳が見えそうなことは分かっていました。
現地に行ってみましたが、ここの第3駐車場に車を止めると、目の前に「まるやち湖」があり、しかもその近くにトイレがあります。
ここは、手前に湖があり、その向うに美しい森林があり、さらにその向うに八ヶ岳が広がる「絵ハガキ」のような風景になっています。
やや美し過ぎるのが難で、期待したものとは違いますが、友達を誘って来るには悪い場所ではないなと思いました。


この絵は、八ヶ岳で一泊したホテルの庭の白樺を、ホテルの部屋から見て描いたもので、紙はサンフラワーMです。
この紙はあっさり仕上げると面白い味が出るようです。
(2019-5-26)



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