trados
「毎日が金曜日」
編集:太田拓、更新:2017年12月15日


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SDL trados 2017 の使い方(2)

1.返却パッケージ

SDL trados 2017を使うようになってから仕事が少しずつ来ています。
思い切ってアップグレードして正解だったのですが、返却パッケージの作成で数回失敗して翻訳会社に迷惑をかけました。
これは大変重要なことなので、失敗事例を紹介します。

(事例1)翻訳会社から翻訳ファイルが送られてき、返却パッケージで納品するよう言われました。送られてきたファイルをざっと見てみると、project file があったので、これをダブルクリックして翻訳を行いました。翻訳が完了して、返却パッケージを作成しようとしたのですが、「返却パッケージの作成」アイコンがグレイアウトしたままで、作成できません。
project file をダブルクリックして作業を始めるのではなく、「プロジェクトを開く」所から作業を始めないと、返却パッケージを作成できるようにならないようです。

(事例2)もう 1 つの失敗は、タグの移動に起因することです。
英文文節が分断されていることはよくあることですが、文節の結合を許可する設定になっていれば、分断された文節を結合して正しい原文に直して翻訳することができます。
一方、プロジェクトの設定で文節の結合が許可されていない場合は、訳文を振り分けることで対処しますが、振り分けた結果、タグが別の文節に移動してしまいました。タグを移動しないままでは、まともな日本語訳にならなかったからですが、このような文節が残っていると返却パッケージを作成できません。それで、やむを得ず、タグを残したまま、訳を振り分けた結果、「我愛する君を」のような文章になってしまいました。
もっとも、これは僕のミスではなく、プロジェクトの設定で「文節の結合を許可する」設定にしなかった方が悪いのですが。

タグに過不足が生じた場合、「品質保証」で検証を行い、各項目に「無視」のチェックを入れておくと、返却パッケージを 作成できます。(2018-7-17: 追記)

2.自動反映

自動反映は便利な機能ですが、自動反映した後で、その訳を再度変更する場合があります。
この場合は、
「確定済みの文節に100%一致を反映する」と、
「次の位置から自動反映を開始:文書内の最初の文節」をオンにし、
さらに、確定済みの文節に自動反映する場合は確認するようにしておくと、間違って該当する全文節に機械的に自動反映されるのを防止できます。

3.不便な面

使い込むに従って、不便だなと感じる面がでてきました。
▲翻訳メモリーを複数使用する場合・・・
翻訳メモリーを複数指定して作業をする場合がありますが、 訳語検索で、どちらの翻訳メモリーのデータかがわかりません。古い翻訳メモリーのデータなのか、新しい翻訳メモリーのデータなのかを知りたい場合がありますが、この区別がつかないので、困りますね。
▲あいまい一致の処理に関すること・・・
今開いている文節と、あいまい一致の文節と、どこが違うかが「一目瞭然」とはならない点です。この違いが非常に分かりにくいのが、最大の欠点です。
この分かりにくさは、ウィンドウが小さく、並列表記になっているためです。 並列表記では目を左右に動かす必要があります。わずかに異なる文節の違いを見分けるには、縦表記の方が便利です。
▲用語集の一致に関すること・・・
用語集に登録された単語の文字列を全部見ていないようです。このため、間違った用語が用語欄に表示される場合があります。
たとえば、用語集では「communication」が定義されているのに、「communicate」の場合も「communication」が表示される、と言った具合です。
▲翻訳メモリーのアップグレード・・・
trados 2007 で使っていた翻訳メモリー(.tmw)はアップグレードすれば、2017 で使える形式に変換できますが、実際にアップグレードしてみると、容量が非常に大きくなります。元の.tmwの場合は数MBしかないのに、これをアップグレードすると40MB 程度の大きさになっている場合があります。理由は不明ですが、困ったものです。
▲タグのコピーに関すること・・・
産業翻訳ではタグが非常に重要です。 Wordfast3 や Translation Workspace では、原文側から訳文側にタグを簡単にコピーする機能がありますが、SDL studio の場合は、「Ctrl + C」でコピーして「Ctrl + V」で貼り付ける方法しかありません。
この程度の機能は簡単にプログラミングできるはずですから、タグのコピー機能を早く付けてほしいものです。

4.グローバル検索

翻訳対象ファイルが 100 個以上あるような場合があります。 また、翻訳のサポート資料に、さまざまな形式のファイルが混在している場合があります。
このような場合、グローバル検索(串刺し検索)できるソフトがあると便利です。

WideGrep・・・これは有料ソフトですが(3400円)、フォルダー内にさまざまな形式のファイルが混在している場合でも、サブフォルダーも含めて串刺しに検索できます。
ファイル形式は、.pdf、.xls、.doc、.txt 、.htmlなど多数で、しかも速いのでお勧めします。
ただし、.sdlxliff はサポートしていません。

Xbench・・・.sdlxliff ファイルをグローバル検索するなら、Xbench がお勧めです。
(2017-12-15)

SDL trados 2017 に「SDL Batch Find and Replace」というプラグインがインストールされていることに気付きました。
「ようこそ画面」の左上に表示されているプラグインの名前をクリックすれば使えます。
検索の対象ファイルは、SDL XLIFF file だけですが、使い方は非常に簡単です。
ファイルまたはフォルダーを選んでから、ソースまたはターゲットで 検索したい用語を入力し、必要に応じて置換をすれば、SDL で多数のファイルを開かないで、検索や置換ができます。
ただし、置換は「Replace All」のみで、1 個ずつ確認しながらの置換はできないので注意が必要です。こういうところにもう少し気配りをしてくれると良いのですが。
(2018-1-12)



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