鍼灸は東洋医学の治療法の一つです。伝統医学として数千年の歴史がありますが、陰陽五行論に代表される東洋哲学と気の概念、そして経絡と経穴(ツボ)の概念による体系が確立されることで飛躍的な進歩をとげ現代に至ります。
 鍼灸を現代的に解釈をするなら自律神経の働きを整える施術といえます。

自律神経は意識とは別に身体をコントロールしている大切な神経です。
体の必要な生理活動をコントロールし体内の恒常性(ホメオスターシス)を整え身体を健康な状態に保つ大切な役割を担っています。

鍼灸の刺激は自律神経を何らかの形で調整していることは鍼灸の基礎研究からみて十分に予想されます。体がリラックスし血流が良い状態は体が自然に治る過程では必要なことです。
 
病気や体調不良の時は概ね自律神経のバランスが崩れています。鍼灸は自律神経のバランスを整えることで体の恒常性の回復を促し体が自然に治る状態になるように手助けする施術です。
 
 


当院は東洋医学的なアプローチとトリガーポイントなどの筋筋膜への施術を2本の柱としています。
 

鍼灸治療は人によっては全く痛みを感じない場合もありますが、クライアント様の個々の感受性や症状は全て違いますので時と場合によっては「ひびく感じ」がします。

 
鍼の深さは通常は皮膚から数ミリから1cm程度です。症状によっては数センチの刺入が必要な場合もあります。

個々の状況がそれぞれ異なりますので施術の方法や手順、施術部位、時間は個人差があるものなので、ここでは明確なステップを解説していません。

東洋医学の数千年の歴史は人の身体の観察の歴史でもあります。多くの施術者の経験が一つの体系となって今に伝わっています。東洋医学の検査である脈診と腹診、舌診などで体の状態を把握しつつ背骨などの骨格を見ながら施術をしていきます。必要に応じて理学検査も行います。

使用する鍼や施術に対するアプローチなども異なる事がおおいため施術にかかる時間は個人差があります。そのため施術時間は個人差があります。概ね40〜50分程度とお考えください。

はり治療にはディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使います。主に使う針は0.12mmから0.26mm程度の鍼を使用ますが症状に応じて何種類かの太さや硬さのことなる鍼を使用します。
鍼が苦手な方のために「てい鍼(しん)」という痛くない鍼治療も承ります。

また症状を改善するためにエクササイズや食生活のアドバイスもあわせて行います。
 


鍼灸施術を効果的にするにはある程度の回数が必要です。鍼灸の施術では身体に刺激を加えることで改善を促しますが、症状の程度、個々の感受性、日常の増悪因子の程度などにより数日事に行うこともあれば数週間、数ヶ月に1回で大丈夫な場合もあります。症状の重さと治療頻度は概ね比例します。
 
鍼灸は鍼やお灸の刺激で身体を刺激することで神経を鎮静化させ血液、リンパの循環を促すことで身体の恒常性を平常な状態に保つ手助けをしています。ですから恒常性を崩す生活は鍼治療の効果を相殺してしまいます。
 
運動の有無、食生活のバランスの悪さ、睡眠時間など毎日の当たり前に思っている行動が変調の原因であることも間々ありますので効果を出すためには健康への自覚が何より大切です。

身体の恒常性を保つことで自然治癒力は自然なプロセスをたどることで体を癒して生きます。それらのプロセスを経て身体は良くなっていきますが、それは人により幅があります。

症例にもよりますが当院では一人あたり月平均1回〜4回の施術を行っております。
症状がある程度改善されたり自己管理で改善が望めるまでが施術終了の目安となります。
 


鍼灸は自律神経のバランスを整え体の恒常性を回復させ自然治癒を促す療法です。しかし、万人に同じように効果を示す訳ではなく人によって反応の仕方は様々です。

全日本鍼灸マッサージ師会が上げる鍼灸の効果は…
○ 疼痛の緩和
○ 血液・リンパの循環改善
○ 関節可動域の維持・増大
○ 心肺機能の改善
○ 内臓諸機官の機能改善
○ 残存機能の改善
○ 心理的効果

などを上げています。
 
 


身体を本当に治すのは皆さんお一人お一人が持つ治癒力です。ですから鍼灸はあくまでも補助的な役割にすぎません。治療に頼らずご自身が健康を強く意識することが大切です。

鍼は身体を直接治す施術ではありません…あくまでも治す力を引き出すのが目的です。鍼灸に相性の良い人や、症状によっては即効性があることもありますが鍼灸はそれほど即効性のある治療ではありません。
効果が認められるには短い人は数回で…しかし慢性的なものは年単位で施術をすることもあります。疲労やストレスなど原因が続くものに対しては継続で施術が必要な場合もあります。

鍼や灸で体を刺激することで徐々に体に変化を促していくものです。様々な症状に対してチャレンジしてみる価値はありますがその全てにおいて効果が保障できるものではありません。また効果があっても劇的に変化することは稀です。一定期間、施術を行って改善しない場合は違う手段を考えたほうがよいです。
 
東洋医学の考えとして「未病」というものがあります。病気になる以前に見た目や検査上は何でもないけれど身体の機能が落ちてくる状態の事をさします。症状が出てくるということは体が病に傾いている状態です。傾きが小さければ回復が早く傾きが大きければ回復が遅くなります。鍼灸でアプローチをするなら傾きが小さいほど早く良くなります。

東洋医学は未病の状態に一番力を発揮します。しかし傾きが大きければ手に負えなくなることもあります。その場合、医師など専門家の力が必要です。鍼灸は全てにおいて万能ではありませんが健康維持をはじめ病気などの手助けになります。