(this and that of cheese)

チーズは体に必要な食べ物なの 動物の赤ちゃんにとって生命の源でもある乳を、ぎゅっと濃縮して作るチーズ。「白い肉」とも呼ばれるほどの良質たんぱく質や、ほかの食品からはとりにくいカルシウムやビタミンB2も豊富。骨粗しょう症や虫歯の予防に効果があり、健康で美しくあるためには必要な食品です。
一日に食べるちょうどよい量はどれくらい 若い女性なら、プロセスチーズで1日にだいたい30g、フレッシュタイプのものなら30〜50gといったところが適量です。これプラス牛乳コップ1杯が、1日に必要な乳製品です。牛乳を飲まない人は、チーズを倍量食べればよい計算になります。
チーズを食べると太ってしまうのでは 栄養がたっぷりというと、すぐ太るのではないかと心配する人が少なくありませんが、これはまちがいです。チーズに脂肪が含まれているといっても、それは燃焼してしまえば太る心配はありません。豊富なたんぱく質が脂肪の燃焼を盛んにし、体に活力がみなぎります。
ダイエット中にチーズを食べても大丈夫 エネルギーは減らしても、ほかの栄養は十分に取ることが正しいダイエット。栄養バランスに優れたチーズは、むしろダイエット中にこそ、しっかり食べて欲しいもの。少しの量でも腹もちがよいので、間食を防ぐのにも効果的。適量のチーズは、賢いダイエットの強い味方です。
脂肪分が多くてお肌のトラブル起こらないの チーズには確かに脂肪が多く含まれていますが、もともと一度に食べる量が少ないので、1食でとる脂肪の量はそれほどでもありません。また、チーズはそのまま食べることが多いため、調理に油脂類を使う肉や魚に比べれば脂肪は少なめです。しかもうれしいことに、チーズは肌を美しく保つビタミンAや、ビタミンB2もたっぷり含まれています。
ナチュラルチーズはしょっぱいけど塩分が多いの ナチュラルチーズは、乳に塩を加えて脱水するので、当然、でき上がったチーズには塩分が含まれますが、少なめのカッテ―ジチーズなら1%、かなりしょっぱいと感じるブルーチーズでも3.3%。大量に食べるものでは、チーズだけで塩分をとりすぎてしまうs心配ないでしょう。
チーズの種類によって栄養成分もちがうの 成分表などを見ると、同じ乳から作られたチーズでも、種類によって栄養量が違いますが、これはチーズに含まれる水分の差によるもの。ハードタイプのものは水分が少ないので栄養分も凝縮されて、100gあたりの栄養価はカマンベールなどのソフトタイプのもよりも高め。でも、このタイプは一度に食べる量も少ないので、結果的に体に入る栄養量に、大きな差はありません。
チーズは1日のうちでいつ食べると効果的 チーズは、3度の食事のいつ食べてもよいので、それぞれに食べ方を工夫してみてはいかがでしょうか。たとえば、朝は手間がかからないチーズトーストやチーズサラダ、昼は外食でグラタンやパスタをチョイス、夜はゆっくりワインとチーズを楽しんだり、チョット凝ったチーズ料理に挑戦したりというふうに。洋食に限らず、チーズは和食に取り入れても意外なおいしさが楽しめるので、ぜひお試ししを。
酒の肴にはチーズベスト お酒を飲むときのおつまみとしても、チーズは理想的な食品です。なぜなら、チーズには肝臓の働きをよくしてアルコールの分解をスムーズにする、たんぱく質とフビタミンB2がたっぷり含まれているから。飲む前に食べれば、チーズの脂肪がアルコールの強い刺激から、胃袋を保護してくれます。また、チーズなどのおつまみを食べることで、お酒の飲み過ぎを防ぐことできます。二日酔いの薬を飲むくらいなら、おいしいチーズを食べたほうがずっと健康的。
チーズにはどんな病気を予防する効果があるの チーズは腸の調子を整えて便秘や下痢を防いでくれますが、これはチーズに含まれる乳化脂肪や乳酸菌の働きによるもの。チーズが肝機能を強化することは、前段でもお話したとおり。また、チーズにはがん細胞の増殖を抑える作用もあると発表され、注目されています。
おなかをこわしやすい人、チーズを食べて平気 牛乳を飲んでおなかの具合が悪くなってしまうのは、牛乳に含まれる乳糖を消化する腸に働きが弱いため。チーズなら、酸素や乳酸菌の働きで消化がよくなっているので大丈夫。心配なら初めはほんのひと口から、少しずつ量を増やしてみては。
どうして欧米人はチーズをいっぱい食べるの 米や大豆を食べる日本人は、それだけで良質のたんぱく質を十分とることができますが、小麦食の欧米人は、小麦に含まれるたんぱく質の質が悪いので、それだけでは十分な栄養をとることができません。そこで赤い肉=牛や羊の肉や、白い肉=チーズがたくさん必要に。カルシウムを取るためには、日本人にとってもチーズが必要です。
栄養的にチーズと食べ合わせのよい食品は チーズは栄養豊富な優れた食品ですが、残念ながらビタミンCと食物繊維は含まれていません。これを補うためには、野菜かフルーツと組み合わせるのがピッタリ。フランスの家庭でデザートにチーズとフルーツが出されるので、味わいのコンビネーションはもちろん、栄養面での相性も満たしてのことなのでしょう。

【参考文献:ERIOシリーズ 日本放送出版 vol.13 チーズ】