本邦各地の山地のやや湿り気のある草地に生える多年草。花期5~7月。根を生薬カノコソウ(吉草根;キッソウコン)として鎮静の目的で用いる。欧州には同属種のセイヨウカノコソウがあり、本種の方が精油含量が高いので良品として欧州に輸出されたことがある。セスキテルペンからなる精油に富むが、微量成分としてマタタビにも含まれるピリジン系アルカロイドアクチニジンを含む。名の由来は開いた花(淡紅色)とつぼみ(赤色)の取り合わせが、鹿の子絞りに似ているからだという。わが国には同属野生種としてツルカノコソウも分布するが、薬用にはならない。