本州、四国、九州の沿海地や山地に生える常緑高木。葉は互生し、長卵形で表面は濃緑色で光沢があって厚い。縁には細かい鋸歯がある。花期は2~4月。種子の脂肪油は良質でツバキ油と称し、軟膏基剤やパスタ剤、毛髪油とする。ツバキ油は海石榴油として遣唐使が中国に献上していたことが史書に見える。公園樹、庭木として植栽するが、園芸品種が多い。名は薮椿で、野生種のツバキという意味である。ツバキの名の由来として、葉につやがあるので艶葉木が訛ったとする説と、葉が厚いので厚葉木が訛ったとする説など諸説があるが、俗説の域を出ない。ツバキの名は万葉集(都婆吉など)にも見え、古代の信仰に由来する説がもっとも説得力がある。詳しくは万葉の花-ツバキ-を参照。