文書提出命令申立書


原告  澤 功生
被告 阪急電鉄株式会社

                            原告訴訟代理人弁護士  徳井 義幸
                                  同         奥野 京子


上記当事者間の頭書事件について、原告は次のとおり文書提出命令を申立をする。


1 文書の表示

被告阪急電鉄株式会社(以下「被告会社」という)の作成保管に係る下記の文書。
(1)筆跡異同診断結果票(乙21号証)T 「鑑定資料」資料ー1〜7。
(2)同号証U 「対照資料」資料乙。

2、文書の趣旨

被告会社が、被告宛ての一連の文書及び原告同僚の妻宛ての手紙について、これらの文書
の筆跡と原告の筆跡が同一人による筆跡である可能性が高い旨の鑑定結果を得たと主張す
る鑑定資料。

3、文書の所持者

 被告会社

4、証明すべき事実

 上記一連の文書は原告が書いたものではないこと。

5、文書提出の義務の原因

@上記(1)(2)の各文書は、被告が平成15年6月11日付け準備書面1において鑑定結果の
存在を引用しており、かつ右鑑定結果なるものを乙2号証として提出している。そして、同文書
は被告自ら所持しているもんであるから、被告は民事訴訟法220条1号に基づく提出義務が
ある。

Aさもなくとも、上記(1)(2)の各文書は法220条4号イからハまでに上げる文書のいずれに
も該当しないので、被告は提出する義務がある。

Bなお、被告は鑑定資料を提出することによるプライバシーの侵害の危険を理由に提出を拒
んでいる。
しかし、上記文中6通は、被告会社宛ての苦情を申し立てるハガキであり、これを提出すること
によって特に第三者の名誉、信用を毀損するような危険性はない。
また、原告同僚の妻宛てに届いた手紙についても、特に不都合な部分があれば、その部分の
み黒塗りするなどの手当が可能である。
本件鑑定書は、被告が運転士である原告に対して駅勤務を命じた前提事実となっているが、
被告が提出した乙21号証においては、単に資料甲ー1〜7と資料乙は「同一人物による筆跡
であると認められる」という記載があるのみで、そもそも鑑定資料に原告の筆跡が含まれてる
かすら不明であるし、実際に甲ー1〜7と乙が同一人による筆跡であるかどうか認められるか
明らかでない。被告の主張に対する立証としては到底意味をなさない。
上記(1)(2)の文書を原告が書いたか否かについては、右鑑定結果及び資料が唯一の直接
的な証拠方法であり、他にこれに替わるべき的確な証拠の存在は考えがたく、また被告として
も鑑定結果が資料とともに証拠として提出されれば、そのことは一目瞭然であるのに、これを
引用するだけで、前記のような不完全で意味をなさない形でしか提出しようとしないのは公正を
欠くものである。
以上の事情を比較すれば、被告が本件鑑定資料の提出を拒絶することは許されないというべ
きである。(大阪高裁平成元年6月28日決定タ710号247頁参照。)






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