はじめに
1954 年3月1日のビキニ事件(ビキニ環礁水爆実験とマグロ漁船被爆)から60 年。ビキニ・デーは1945 年、ビキニ環礁でアメリカの水爆実験によって「第5 福竜丸」の乗組員が被爆しました。久保山愛吉船長を始め多くの方が放射能によって殺されました。生き残った大石又七さんたちも放射能禍に苦しみ、子どもを失う辛い目にも遭いました。ヒロシマ・ナガサキの被爆者が経験したと同じ苦しみを強制されたのです。
ビキニ事件は、忘れられていた放射能の怖さを甦らせ、「核をなくせ」の大きな国民的原水爆禁止運動のきっかけになりました。と同時に、この事件の政治結着が「アメリカから日本への原発技術の移転」であったことも忘れてはならないことです。内部被曝を隠蔽した「核の平和利用」という大ウソをついて、日本の原発建設は始まり、54 基も建設された挙げ句、3・11 の大事故を起こしました。
改めて、ビキニ事件60 年にあたり、核と原発を廃絶するため、被爆者の解放をかけて闘う決意を込めて基調を提起します。
<1>いまこそ被爆者、被爆2世・3世は福島と連帯し、階級的労働運動路線の先頭に立とう! ふくしま共同診療所を被ばくと闘う拠点として守り支えよう! 高陽第一診療所を新自由主義と闘う被爆者解放の砦として労働者階級のもとに奪還しよう!
3・11 からまもなく3年、福島の子どもたち74 人から甲状腺がん(疑い含む)という現実、安倍政権によるオリンピックをも使った福島圧殺攻撃、原発再稼働攻撃。この「命よりカネ」の新自由主義をいまこそひっくり返そう!
今日の集会の獲得目標は、ヒロシマの被爆者、被爆2世、3世が、福島と連帯し、新自由主義を打倒する闘いの先頭に立つ、そのために闘いの路線で一致団結することだ。全国被爆者青年同盟は、結成以来「ヒロシマ・ナガサキを絶対にあいまいにしない」と「被爆者解放・日帝打倒」を掲げ、被爆者を救済の対象ではなく自己解放の主体としてはっきりさせ、自らが被爆者抹殺・英霊化攻撃と闘い、そして日帝の戦争と核武装政策に対して絶対反対で闘ってきた。その中で原発についても、「日帝の核武装政策」としてはっきりさせ、絶対反対で闘ってきた。
その上で、3・11 情勢と世界大恐慌の深化、新自由主義の崩壊という情勢の中で私たちはいままでの単純な延長線上ではない、ひとつの飛躍と転換が求められている。問われていることは、本当に新自由主義を打倒し、核も戦争も原発もない社会を作り出すということだ。結論から言えば、階級的労働運動路線の被爆者青年同盟に生まれ変わろうということだ。
3・11 によって明らかになったことは何か? 原発が「命よりカネ」の新自由主義の問題であるということ。そして大恐慌下の労働者階級の「生きさせろ」の闘いと、被ばく下の「命を守れ」の闘いは新自由主義との闘いとして一体であること。そして新自由主義を打ち破る道が労働者階級が階級的に団結し資本と非和解で闘うという階級的労働運動路線にあることがはっきりしたし、日々ますますはっきりしてきている。
何よりも、今福島で行われていることは、ヒロシマ・ナガサキの被爆者に対して帝国主義が行ってきたこと、ビキニ被爆者を始め、あらゆる被ばく者にたいして行ってきたことと全く同じことではないか。いまこそ「ヒロシマ・ナガサキをあいまいにしない」と闘ってきた我々こそが、階級的労働運動路線の先頭に立って闘おう。
このことはいま、高陽第一診療所をめぐって問題になっていることを真に乗り越えるということでもある。
2月15 日、高陽第一診療所において新施設建設のための「職員説明会」が強行された。労働者と地域の仲間による必死の説得と弾劾にもかかわらず、理事会は「説明会」を強行した。そしてさらに22 日、今度は「ひまわり会」向けの説明会を開催し、「待ちに待った新施設の開設」を宣言した。4億1000 万の銀行からの借り入れ、厨房を始め既に始まっている外注化攻撃、職員昼食の廃止に見られる労働条件の切り下げ、そして何と言っても「反対する者には説明しない」という労働組合敵視。これら全てが示していることは高陽病院の「建設理念」を裏切って、新自由主義経営に変質した理事会の姿を示している。許しがたいことに理事会は、「ひまわり会からの要求」などといってあたかも被爆者がこの新施設を求めているかのように描き出し、血債主義的に労働者の仲間に対して「だから認めろ」と主張している。
この高陽病院をめぐる激突が問いかけている問題は、本質的には新自由主義の現実を容認し、それに追随し、尖兵となるのか、それとも新自由主義の破産をつかみ、怒りを爆発させ、新自由主義を打倒する闘いに立ち上がるのかということだ。
破産した新自由主義に未来はない。我々は労働者階級とともに、労働者階級の一員として、断固階級的労働運動路線で闘う道を選択しようということだ。
<2>「命よりカネ」の新自由主義の崩壊が始まった! いまこそ、被爆者・被爆2世・3世は労働者階級とともに立ち上がろう!
「労働者階級こそこの社会の本当の主人公だ」「労働者が団結してたたかう労働組合を取り戻せばこの社会を変えることはできる」「1000 万人の怒りで安倍倒そう!」このことを、このことだけをストレートに訴え、東京都知事選において全く無名の鈴木候補が短期間で1万2684 人と結びついた。
資本主義の命脈は尽き果て、最末期帝国主義の絶望的延命形態であった新自由主義政策は音を立てて崩壊を開始している。広範な労働者階級人民の意識が大流動を開始している。JR北海道に続き2月23 日JR川崎線付近で京浜東北線の回送電車が工事用車両と衝突し、脱線・転覆した。まさに国鉄分割・民営化の破産であり、新自由主義攻撃の核心である外注化攻撃の破産そのものの安全崩壊だ。この事態と昨年の動労千葉鉄建公団訴訟における東京高裁9・25判決は一体だ。日本における新自由主義の出発点だった国鉄分割・民営化が「不当労働行為だった」と東京高裁までが認めざるを得ないところに追い込んだということだ。
「民営化すれば全てうまく行く」「規制緩和でいい社会になる」というのは全てウソだった。安全は崩壊し、労働者の雇用と労働条件は切り崩され、2000 万人が非正規職に突き落とされ、青年労働者までもが過労死に追い込まれている。もはや新自由主義に何の展望もないことが全面的に明らかになった。
それは、何よりも3・11 福島原発事故とその後の事態こそが、「命よりカネ」の新自由主義の「ウソとペテン」を満天下に暴きだしている。
深刻な事故の現状は変わらず、汚染水流出問題に示されるようにむしろますます深刻化している。にもかかわらず「事故収束」を宣言し、原発再稼働と原発輸出に突っ走る政府と資本。事故直後に放射能の拡散情報を隠蔽し、福島だけでなく首都圏も含めて何千万人を被ばくさせ、その事実も明らかにしようとしない。それどころかできもしないペテン的「除染」で放射能汚染地域への帰還を強制し、あまつさえ「ポケモン列車」を走らせてむしろ子どもを先頭に汚染地域に帰還を強制しようとする姿。すでに疑い含め74人もの子どもから甲状腺がんが出始めているにもかかわらず「原発事故の影響ではない」とシラを切り続ける政府・福島県立医大・御用学者。労働者人民の命などつゆほどもかえりみない現体制の姿がここにある。
極めつけは「汚染水はアンダーコントロール」「健康に対する影響は現在も将来も全くない」というとんでもないウソをついてオリンピックを招致した安倍だ。この新自由主義に対して青年労働者を先頭に根底的な反撃が始まっている。東京都知事選は連合東京の舛添推薦、宇都宮の「世界一働きやすい東京」など、あらゆる候補が安倍のオリンピック招致演説を追認し福島圧殺のオリンピック開催を進めるという事態になった。安倍政権は、極右反動の籾井をNHK 会長、百田、長谷川らファシスト分子を経営委員に、さらに内閣法制局長官に小松一郎をすえ、集団的自衛権の行使へ道を開こうとし、その中でファシスト田母神を登場させ文字通り30年代型選挙のもとで総屈服総転向情勢が生み出されようとしていた。鈴木候補の登場は、これと真っ向から闘いを挑み、労働運動の巨大な流動を生み出した。
東水労では1・24 民営化反対スト(1時間)が闘われ、停職4名(停職18 日=2名、停職16 日=1名、停職7日=1名)、訓告28 名の処分を出しながら現場組合員は意気軒昂としている。自治労組合員は昨年の4・26 に続き今年3・14 を全国統一行動として闘おうとしている。ロンドンオリンピックの矛盾をすべて労働者にしわ寄せしようとすることにロンドン地下鉄労働者はストライキで反撃に立ち上がっている。韓国労働者階級は年末から2・25 ゼネストと民営化絶対反対の労働組合を軸として闘い、その闘いが労働者階級だけでなく学生や市民、農民などあらゆる階層を団結させている。これは新自由主義打倒の全世界の労働者階級の反転攻勢を告げ知らせる号砲だ。
動労千葉は青年部先頭にライフサイクル粉砕の闘いを勝利的に闘いCTSの組織化に全力をあげている。1047 名解雇撤回の国鉄闘争は、2.16 労働者集会の成功をもって階級的労働運動の展望を示した。3・11 以来の被ばく労働拒否の動労水戸・国労郡山工場支部の闘いを発展させ、放射能汚染地域帰還強制の常磐線竜田延伸に対して動労水戸の闘いがたたきつけられた。何よりも広島において、青年労働者を先頭にブラック企業粉砕! 新自由主義打倒の闘いが始まっている。
始まった「現代革命の挑戦」に胸躍らせ、被爆者、被爆2世、3世はいまこそ階級的労働運動路線の最先頭に立とう!
<3>被爆者、被爆2世・3世は労働者階級の先頭で
(1)階級的労働運動を国鉄決戦軸とした4大決戦でよみがえらせよう
(2)内部被曝隠蔽、福島圧殺許さず、ふくしま共同診療所を拠点に福島と連帯して闘おう
(3)被ばく労働絶対反対で闘う労働組合をつくりだそう
(4)新自由主義による医療の民営化・市場化・医療破壊と対決し、高陽第一診療所労働組合と団結して、高陽第一診療所を新自由主義と闘う被爆者解放の砦として労働者階級のもとに取り戻そう!
(1)被爆者、被爆2世・3世は国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の先頭で闘おう!
労働者階級自己解放の立場に立てない体制内労働運動指導部、原水禁指導部は、被爆者を労働者階級の一員として、自己解放の主体としてとらえ、団結することができず被爆者を救済の対象としてきた。これと一体のものとして、帝国主義・資本主義に根本的に屈服し、資本の合理化攻撃を「生産力の発展」として容認してきた体制内は、スターリン主義の核武装の容認、「原子力の平和利用」の論での原発の容認、内部被曝問題での屈服に見られるように核に絶対反対の立場をとることができなかった。このことは、体制内被爆者運動がこの間、原発絶対反対で闘えていないことを規定している。体制内労働運動をのりこえ、階級的労働運動派が労働運動の主流派となっていくことと、体制内被爆者運動の限界を乗り越えることは一体である。だからこそ、被爆者青年同盟自身の方針として、国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の再生を第一の方針として実践しよう。
我々の仲間はすでに、自らの職場生産点において、広島連帯ユニオンや広教組をはじめとした労組の内部で新自由主義と絶対反対で闘う労働運動再生の最先頭で闘ってきた。我々自身がプロレタリア自己解放の主体として、職場での闘いも原発や戦争に反対する闘いも労働者自己解放として闘ってきた。このことに確信をもとう。
被爆者、被爆2世・3世はいまこそ国鉄決戦を基軸に、反原発決戦をはじめとした4大決戦(国鉄決戦・反原発決戦・改憲阻止・星野奪還)に自らの存在をかけて総決起しよう。職場に地域に階級的団結を拡大すること、闘う労働組合を作り出すことが、われわれ全体の方針だ。
(2)内部被曝、被ばくの遺伝的影響の抹殺との闘いの最先頭に立とう! 福島圧殺を許さず、福島と連帯して闘おう! ふくしま共同診療所を物心両面から支援しよう!
「核と人類は共存できない」。このことはヒロシマ・ナガサキの被爆者が生涯かけて訴え続けてきた真実である。3・11 以後、このことはますます鮮明になった。特に内部被曝の深刻さ、またそれと並んで被ばくの遺伝的影響の問題は、「核と人類は共存できない」という真実をますます突きつけている。
帝国主義はヒロシマ・ナガサキへの原爆投下以来、世界支配体制の決定的支柱として核政策を位置づけてきた。こうした核支配体制の一貫として、全世界的な原発政策が存在してきた。それは核武装の手段であると同時に、今日においては新自由主義的な金融独占資本の利潤追求の手段となってきた。スターリン主義はこうした帝国主義の核支配に屈服し核武装で対抗した。
こうした核支配体制のメダルの裏表として核による環境と人体への破壊的作用、健康被害について国家をあげた隠蔽が行われてきた。それは特に、内部被曝問題の隠蔽であり、同時に放射能の遺伝的影響についての隠蔽である。それは、核が本質的に労働者階級を絶滅するものであること、その採掘過程から関連する労働者・周辺住民に被曝を強制すること。そしてその影響は世代を超えて被害を与えること。このことが明らかになれば、全世界の労働者階級人民の怒りの前に核支配体制が崩壊することを恐れ、帝国主義はこれらの事実を徹底して隠蔽してきたのだ。
しかし、この間の様々な研究によってヒロシマ・ナガサキの被爆者についても内部被ばくの影響が明らかになりつつある。また、遺伝的影響についても然りである。
1945 年8月30 日、原爆の影響を調査するために科学者のチームを引率したファーレル准将は、同年9月6日、東京の帝国ホテルで連合国の海外特派員向けに「広島・長崎では、死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬現在において、原爆放射能のために苦しんでいる者は皆無だ」とする声明を出した。以後、プレスコードによって被爆者の被害はほとんど報道もされず、被爆者は貧困と放射能による健康被害に対して何の補償も援助もなく見殺しにされた。最初の原爆医療法が制定されたのは原爆投下から12 年も経過した1957 年である。
さらに、帝国主義は一方では核兵器による世界支配貫徹のためのデータとして、他方では金もうけのためのデータとして、ABCC(現放射線影響研究所)を中心に被爆者・被爆2世をモルモットとして調査してきた。これと全く同じことが今福島で行われている。「100 ミリシーベルトまで安全」という山下しかり、県民健康調査での「原発事故と関係ない」しかりである。帝国主義による被ばくの事実の隠蔽とは、単に事実を否定すること、事実を隠すことではない。それは、国家とマスコミ、御用学者を総動員して、被ばく者にたいする徹底的な分断、差別を行い、沈黙を強制していくのである。
私たちは、帝国主義とその手先どもによる「黙らせる」攻撃に対して、真っ向から立ち向かい、内部被曝の真実、被ばくの遺伝的影響の真実、そしてやつらの卑劣な分断と隠蔽の真実を徹底的に暴き、その真実に対して「核と人類は共存できない」ことを明確にし、国家と資本の責任を徹底追及していく。
私たちは、何よりもヒロシマ・ナガサキを決してあいまいにしない。ヒロシマ・ナガサキは終わっていない。原爆を投下し、核を保有し続け、内部被曝を否定し、被爆者を抹殺し続けている帝国主義に対して絶対に責任を取らせる。
そしていま、福島の現地において小児甲状腺がんの多発という事態、「原発事故とは関係ない」「安全だ」というとんでもないキャンペーンの中で、福島の人々に分断が持ち込まれ、沈黙が強制されようとしている。また「子どもを産めるのか」という不安と結婚差別などの事態が始まっている。このような状況に対して我々ヒロシマ・ナガサキの被爆者・被爆2世・3世が階級的な立場と見解を明確に出し切り、福島の人々と苦闘をともにし、共に国家と資本の責任を追及していくことは決定的である。
そして何よりも、そういう福島の人々の拠り所として、被ばくの強制と福島圧殺と闘う拠点として、ふくしま共同診療所の建設を共に担っていこう。ふくしま共同診療所建設をたたかう労働組合の課題として取り組もう。
(3)全労働者階級の正面課題となった被ばくとの闘いの先頭で闘う。動労水戸、国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘いと連帯し、被曝労働絶対反対で闘う労働組合をつくりだす
3・11 福島原発事故によって、膨大な放射能が垂れ流され、いまもその状態が続いている。福島をはじめ、東北・関東の広い範囲が放射能に汚染されている。環境と食品からの被曝・内部被曝との闘いは全人民にとって生きるための死活的課題となっている。何より福島の地で生きざるをえない多くの労働者は全ての労働が被ばく労働として強制されている。
労働者にとって新自由主義と世界大恐慌のなか、外注化・民営化・非正規化に直面し、低賃金で生きていけない、超長時間労働で職場で殺される、解雇によって生活の糧を立たれる、こうした「生きていけない」現実に直面している、そのうえ被曝によって健康が破壊され、殺されるということが現実の問題となっている。
いまや被ばくとの闘い、放射能との闘いは一部の「被爆者」の問題ではなく文字通り全労働者階級の正面課題となった。それはすなわち労働組合運動の課題そのものであるということだ。外注化・民営化絶対反対、非正規職撤廃、8時間労働制守れ・過労死許すなの闘いと並んで、被ばく労働絶対反対、放射能から命と健康を守れということが労働組合運動のテーマそのものとなった。
体制内被爆者運動は「被爆問題」をヒロシマ・ナガサキの被爆者、それも直接被爆者のみに限定し、黒い雨被爆者、ビキニ被爆者、原発労働者、全世界の核実験と核施設による被ばく者、劣化ウラン弾の被害者を「同じ苦しみ、同じ敵と闘う存在」として連帯するのではなく、その違いを強調してきた。それは帝国主義とスターリン主義による戦後の核支配と分断支配に根本的に屈服しているからである。しかし、3・11 はこうしたあり方の根本的破産を突きつけている。
核はその採掘、核燃料としての精製、核施設や原発での運転、点検、さらには実際の核実験・原発事故、そして原爆投下にいたるまで膨大な被ばく者(被爆者、被曝者)を生み出す。帝国主義とスターリン主義、体制内勢力はこの全ての怒りが「核と人類は共存できない」というスローガンのもとで結びつくことを恐怖し、内部被曝問題、遺伝問題を抹殺し、被ばく者の間に分断を持ち込んできたのである。それは何よりも被曝労働を強制されている原発労働者(核関連施設労働者)を分断し、孤立させ、黙らせる攻撃として行われてきた。
しかし、昨年動労水戸と国労郡山工場支部が、内部被曝との闘いを労働組合の具体的闘いに押し上げたことによって決定的突破口が切り開かれた。この闘いは、動労千葉が先頭となって切り開いてきた反合理化・運転保安闘争路線を内部被曝との闘いにおいて実践した画期的な闘いだった。この闘いは、原発労働者をはじめとした被ばく労働を強いられている労働者、さらには汚染地帯への帰還運動によって被曝を強制されている自治体労働者・教育労働者をはじめとした全ての労働者を階級的労働運動路線のもとに獲得する圧倒的展望を開いた。さらには、こうした労働組合の闘いを基軸にして、ヒロシマ・ナガサキの被爆者を始め放射能と闘うすべての人々の団結を生み出す展望も切り開いている。
私たちは始まった「被曝労働絶対反対」の階級的労働運動を軸とした、被曝との闘いを共にその先頭で闘う。
(4)新自由主義と対決し、階級的労働運動・労働組合の団結の力で労働者階級のもとに医療を奪還しよう。高陽第一診療所理事会の新自由主義経営への変質許さず、外注化=非正規化、労組破壊を粉砕しよう! 高齢者・被爆者を食い物にする安倍成長戦略と一体の新施設建設絶対反対! 高陽第一診療所労働組合とともに、高陽第一診療所を新自由主義と闘う被爆者解放・階級的労働運動の拠点として奪還しよう!
今回の新施設建設の計画は、反戦・反核、被爆者解放闘争の砦として被爆者と被爆二世の期待をになって発足した高陽病院の「建設理念」とは全く無縁のものだ。高陽第一診療所は、「被爆者・被爆二世の抹殺をはかろうとする」攻撃とたたかって「新しい医療運動の創造」を約束し、多くの方からの寄付を得て建設された。この約束は守らなければならない。
高陽第一診療所新施設にカネを貸そうとする金融資本の狙いは明白だ。「儲かる」商売として、医療や介護を名目に老人や患者から収奪し、労働者を低賃金で搾取することだ。安倍政権の産業競争力会議で何が議論されているか。「医療・介護分野を成長市場に変え、国民ニーズにかなう質の高い医療介護サービスを持続可能な形で提供できる体制に改革する」と言って「複数の医療法人や社会福祉法人等を社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とする『非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)』を創設する。」(第15 回産業競争力会議配布資料より)などということが議論されている。「非営利」などと言ってごまかしているが、金融資本が直接支配して利益だけを吸い上げようとしていることはミエミエだ。高陽第一診療所でやろうとしていることもそういうことだ。4億円もの銀行からの借り入れをおこせば、その返済を基軸に病院が運営されるようになる。すでに厨房初め外注化攻撃が始まっている。金融資本が直接間接に乗り込んできて、高陽第一診療所が、非正規労働者を低賃金と労働強化で搾取するブラック企業にしようとしているのだ。
◎反戦被爆者の会初代会長・小西のぶ子さんの闘いと精神の継承者としてすでに述べてきたように、「命よりカネ」の新自由主義と対決しこれを打倒し、戦争も核も原発もない社会を実現する道は階級的労働運動路線以外にない。新自由主義と対決する階級的労働運動の拠点として、そして被爆者解放の砦として高陽第一診療所を建設していく道は、労働組合の強化・発展にのみある。
ところが、高陽理事会は、あからさまに労働組合に敵対している。本来労働者党の一員として労働者の側に階級移行し、フクシマの怒りと一体化して、労働組合とともに新自由主義と闘い、福島共同診療所建設をともに担っていくべき理事会が、いまやその真逆のことをしている。3・11 以後の新自由主義攻撃の「激しさ」に屈し、自ら新自由主義経営に純化してきた現理事会のあり方は、反戦被爆者の会初代会長・小西のぶ子さんが忌み嫌った、金儲け至上主義の病院のあり方と何がちがうのか!
あまりにもはっきりしていることは、小西のぶ子さんが生きていたならば、現高陽理事会が建設を強行しようとしている「サ高住」のような「終の棲家」(森師長)など断固として拒絶したということだ! 理事会は医療法人社団「緑雨会」と名乗っているが、小西緑雨(小西さんの俳号)の名を汚すことは断じて許さない。戦後革命期の広島の労働運動を担い、病に倒れる直前まで労組回りを続け、三里塚闘争と動労千葉への支援を熱烈に訴え続け、国鉄分割・民営化決戦の年・1985 年8・6集会で「中曽根打倒!」を生涯最後のアピールとした小西さんこそ、被爆者解放・労働者階級自己解放を貫いた先駆者である。われわれは小西さんの闘いと精神の継承者として、高陽病院建設運動の原点に立ち、高陽第一診療所労働組合とともに、高陽第一診療所を被爆者自己解放・階級的労働運動の拠点として労働者階級の手に必ず奪還する!
◆結語3・11福島へ! そして国際連帯をさらに発展させ、被爆69 周年の8・6ヒロシマ世界大会の成功へ、本日から闘いを開始しよう!
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