全国・各界からの激励ありがとうございました!!
私たちハンスト予定者と、百万人署名運動広島県連絡会のメンバーが原爆ドーム前でテント設営を していた11時過ぎ。百万人署名運動広島県連絡会事務局から「不採択!」の一報が届きました。
採択は13日〜14日になるであろうといわれていたので、みな小躍りし喜びあい、早速、勝利集会へ。 韓国・中国をはじめアジアの声と、気をゆるめることなく闘いつづけたヒロシマの力がこの勝利へ導いた ここを確認しました。
その後、14時すぎ、「『つくる会』教科書の採択を許さない広島県民集会実行委員会」などの市民グルー プのかたがたと合流し「勝利集会・意見交換」。 ほとんど全員といえるほどの方が意気軒昂に発言。そこでも、二世の発言が次々となされ、被爆者・二世は そしてヒロシマはけっして「アジア侵略賛美・核武装肯定」の教科書は絶対許さないのだ!とその強い決意 を再確認しました。
同時に、2年後の採択の危険性、採択が常盤教育長の専行とされたこと、教科書検定その ものの問題など闘いの課題が提起され、今後も幅広い団体・市民の連携の力で、これからの問題にも取り組ん でいくことが確認されました。
ハンスト予定者のひとりである私も、この勝利にハンスト決行日にいたるまでの署名活動・教育委員会への 抗議・要請と、8・6ヒロシマとの平行の闘いであった「しんどさ」も一気に吹き飛ぶほど感激。
また、「倒れることなく48時間貫徹」をと、高揚第一診療所の吉田院長はじめスタッフのサポートも2日前 から準備していただき、被青同と高揚第一診療との協同の闘いとなり、この勝利はまったく感無量でした。
そして、全国・各界からの激励メールや、県教委への抗議のよびかけに応えてくださったみなさまの支援は 心強く、おおきな励みになっていました。その思いに勝利でお応えすることができたのがなによりでした。 本当にありがとうございました。
私自身、ハンストに起つ決意を後押ししてくれたものは、「つくる会」教科書への怒りと、「7・5被爆者集 会」へと至る被爆者の渾身の決起でした。
この決意を持ち続け、さらなる闘いに臨みます!
2003.8・13
さる8月8日、広島県教育委員会は、新設される 県立中高一貫校の選定教科書に ついて、常盤教育長の決定にまかせるという結論を出したと聞きました。また、委員 会も非公開とされました。このような非民主的な採択のあり方では、ふさわしい教科 書が採択されないのではないかと危惧します。侵略戦争を賛美し、核武装を肯定する 扶桑社の教科書を自らの「使命」として採択しようとしている常盤教育長にたいし て、広島市民として、保護者として、そしてなにより被爆二世として強く抗議いたし ます。
扶桑社の教科書(歴史)の、「聖断下る」記述は歴史の歪曲です。昭和天皇の決断 のおかげで戦争が終わったかのように書かれています。しかし、「ポツダム宣言」を 黙殺する以前の1945年3月、近衛上奏を無視し、「もう一度戦果を」と国体護持のた めに、戦争を引き伸ばしたのは他でもない昭和天皇です。それにより沖縄の地上戦、 ヒロシマ・ナガサキがもたらされたのではありませんか。
さらに、「昭和天皇・国民とともに歩まれた生涯」と題して天皇賛美の記述がありま す。天皇が死んだとき、皇居前で広島で被爆した老女が「ずうっとね、昭和天皇と いっしょに苦労してきた、という気持ちがあるんですよ」と語ったとの記述は怒りな しには読むことができません。戦争と原爆投下の最大の責任者である天皇を、被爆者 が容認したと印象づけるための悪意に満ちています。
扶桑社の教科書(公民)は、「核兵器廃絶の理想を考える」と題して、核兵器廃絶が、 あたかも非現実的な空論であるかのように記述し、長年にわたる被爆者の願いとたた かいをまったく否定しています。許すことはできません。
被爆者である親たちは、私たち二世を命をかけて生み、みずからの命を削りながら 育てあげてくれました。その被爆者は今、「私たちにはもう明日がない」と人類の未 来のための遺言者として核兵器廃絶への「真実の叫びを心の底から」(ヒロシマ・ヒ バクシャアピール)発しはじめているのです。
被爆者の生きざまを受け継ぐ二世として、私たちの子・孫である三世・四世に、被爆 者の思いを踏みにじる、「つくる会」=扶桑社の教科書を手にさせることはできませ ん。
この強い思いで48時間のハンストに入る決意をいたしました。
常盤教育長、このヒロシマに「つくる会」=扶桑社の教科書はいりません。 被爆者・二世のこの声に耳を傾け、採択されないことを要請いたします。
2003年8月12日
広島県教育委員会 教育長
常盤 豊 様
「つくる会」教科書を採択しないよう、要請します
「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)主導の扶桑社『新しい歴史教科書』をめぐって、南北朝鮮政府、中国、台湾をはじめ、アジア―世界各国から、怒りの抗議と糾弾の声が起こっていることは、周知の事実です。
南京大虐殺や軍隊慰安婦などの歴史的事実を塗りかくし、日本の植民地支配と侵略戦争を「アジアの解放のためだった」と偽造して、天皇制と侵略戦争を賛美する教科書は、絶対に許すことはできません。これは、過去の問題ではありません。歴史の偽造をあえてする、「つくる会」教科書の意図は、明らかに「国のために命を投げ出す」ことを子供たちに教えることです。
問題の根本は、歴代の政府が一貫して、第二次世界大戦の戦争責任を拒否し続けてきたことにあります。対外的には「侵略戦争を認める」ようなポーズをとりつつ、謝罪と反省を進めるどころか、国内的には逆に、森・前首相の「日本は神の国」発言や、小泉内閣の首相として初の改憲発言、靖国神社への公式参拝などの言動をとり続けてきています。小泉内閣を支える石原都知事は、「もう一度、世界大戦をやって今度はアメリカを打ち負かすべき」などと露骨な言動をほしいままにしており、言語を絶する惨禍を強いられたアジアの人々が、不信と怒りの声をあげるのは当然です。韓国や中国政府の要求は、アジアの人々にとって最低限の要求というべきです。私たち日本の民衆も第二の「ヒロシマ―ナガサキ―オキナワ」をきっぱりと拒否します。
歴史的誤りを率直に反省し、謝罪することは、「自虐的」でも何でもない、真に人間的な態度です。真理をねじ曲げようとする者は、必ず亡びます。かつて中国侵略戦争を開始した日本は、1933年「満州国」でっちあげ問題をめぐって、「内政干渉」を口実にして国際連盟を脱退しました。この時、政府やマスコミは、「名誉ある孤立万歳」と提灯行列で日本代表・松岡外相を「英雄」に祭りあげましたが――その結果は、中国侵略戦争の泥沼的拡大から太平洋戦争への破局の道でした。
いまもし、「内政干渉」といいつつ、「合法的手続き」だからと、「つくる会」教科書を採用することは、アジアの人々への敵対であり、私たちと子供たちの進路を決定的に誤らせる役割を自ら担うことであり、必ずや歴史の責任を問われざるをえません。
また、この教科書は、内容上多くの問題を抱えているだけではなく、「市販本」なるものが書店に出回るなど、行政手続き的にも違法性が疑われる手法で、「教科書」という形をとった政治運動、出版社の販売利益活動ともなっています。
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」(憲法前文)ために、アジアの人々との連帯と共生の立場に立って、貴教育委員会におかれましては、「つくる会」教科書を採択することがないよう、強く要請いたします。
2003年 8月 12日
緊急事態です。来春開校する広島県立中高一貫校の教科書に、「つくる会」教科書が採択されようとしています。私たちの仲間である被爆二世が、12日正午を期してハンガーストライキにたちあがります。ヒロシマの地で侵略戦争賛美・核武装肯定の「つくる会」教科書を使うことなど絶対許せません。全力で阻止しましょう!!
■毎日新聞の報道へ
■とめよう戦争!百万人署名運動広島県連絡会の行動方針へ
●8月12日(火) 正午より14日(木)正午まで
原爆ドーム前でハンガーストライ キ
(主催;とめよう戦争!百万人署名運動広島県連絡会)
●8月12日(火) 13時半 県庁東館1階ロビー集合 14時より県教育委員会へ要請行動
(主催:「つくる会」教科書の採択を許さない広島県民集会実行委員会)
●8月19日(火) 県議会文教委員会 傍聴行動(時間未定)
●8月19日(火) 18時より県庁前集会、19時よりデモ行進(予定)
(主催:「つくる会」教科書の採択を許さない広島県民集会実行委員会)
〒730-8514 広島市中区基町9番42号
広島県教育委員会
教育委員長 小笠原道雄 様
教育長 常盤 豊 様 電話:082-513-4900(教育長室)
指導第一課(教科書採択の担当課)電話:082-228-0863 ファックス:082-222-1468
メール(意見の広場): http://www.pref.hiroshima.jp/kyouiku/hotline/hiroba.html