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最終話 星の海底王国

(1)

 昨年の11月から続けてきたこの話も、半年以上が過ぎてやっと最後に近づいてきました。
 もともと単行本の下書きのようなものを意図して、軽い気持ちで始めたのですが、なかなかタッチが決まらなかったり、ときには方向が見えなくなって、軸がぶれてきたところもありました。読みづらかったり、おかしなところもあったと思いますが、勘弁してください。

 ホームページはやはりプライベートな面がありますから、自由に書きすぎるところがあるようで、本の原稿とはちょっとギャップがありました。途中からは、締め切りが迫り、本の原稿をそのままこちらに移すような恰好でした。とくに後半部分は、ほぼそのまま同じです。
 ですから、お付き合い頂いた方には、事前に本の内容をお教えしていたような恰好になりました。営業やら販売やら、ビジネス的なことをいい出すと、この方法がよかったのかどうかわかりませんけれども、「まあ、あまり関係ないかあ」と思っています。自分の本はベストセラー本とは、どうも違っているようですので・・・。
 むしろ、お付き合い頂いた方々への感謝の気持ちというか、せめてものサービスにでもなれば、と思っています。

 現在は、やっと原稿を終えて、編集作業に入ることができました。早ければ夏休みごろには刊行できるはずですが、まだ予定はわかりません。そのうち、もし本が目に入ったら、手に取って頂ければ幸いです(タイトル未定)。

 ところで、この最終話は、まとめになるわけですが、なるべく本では書けなかったことを書きたい――。もともと突拍子もない、常識を超えた話をしてきたわけですから、今さら体面を取り繕っても仕方ないですね。恥ずかしいとか何とか、気を使う必要もないわけでして、久しぶりで、独善的にやってみたい――、そんなことを考えています。 (2006年6月24日)

★  ★


 さて、これまでアトランティスやその周辺の事柄について見てきて、おぼろげながらいえることは、アトランティスはどうやら我々が予想していたような文明ではなさそうだ、ということですね。
 農耕や牧畜が始まって以来、文明が誕生してくる過程や、文字が発明され発達してくる様子などからは、アトランティスの存在はどうも想像しにくいように見える。新石器文化の範囲で捉えるにしろ、もっと発達した高度な文明を想定するにしろ、プラトンのいうアトランティスのようなものは想像しにくい。
 しかし、歴史のなかにはいろいろなミステリーがあって、人類の太古史にはたしかに不可解なところがある。それらはどうも水とか海に関係しているようだ。さらにいえば、何か宇宙とのつながりを感じさせる。
 アトランティスというのは、もっと異質な、次元の違う存在のように見えてくる。かつて地上に栄えた文明が今では海の底に沈んでしまった、というのではなく、宇宙的な、いわば異次元の文明なのではないだろうか――。

 これまでに見てきた話は、全部ひとつにつながってきますね。
 プラトンの伝えるアトランティスは海とつながっている。海神ポセイドンの系譜を引く、海洋王国のように描かれている。
 一方、メソポタミアなど古代世界の多くの伝説でも、知識を伝えた不思議な神は、海や水や魚に関係している。海底には未知なる世界、未知なる者たちが存在している可能性を示唆している。
 また、ドゴン族の神話によれば、知識を伝えたノンモは水の主であると同時に、シリウスからやって来た存在でもある。
 浦島を竜宮城に連れて行った亀とは、UFOのことだと考えると、奇妙に話のつじつまが合ってくる。海底のどこか、あるいは海の彼方のどこかには、人間の理解を超えた常世の世界があるという伝説が、古くから世界各地に伝わっている。
 一方で、UFOや宇宙人を思わせる記録が、じつは古くから幾つもある。聖書やインドの古文献だけでなく、『ガリバー旅行記』のようなものさえある。どうも古代史のミステリーは、宇宙と接点を持っているようだ。
 となれば、アトランティスは、宇宙に起源をもつ竜宮城のようなものを想像できるのではないだろうか。いわば、宇宙海底王国だ。
 じつは、人類は遥かな昔から宇宙人との交渉を持っていて、海のなかには、彼らの基地のようなものがあったのではないのか。
 プラトンのアトランティスも、本来、海底に存在したという事実がもとになり、海の底に沈んだという話に創り変えられた、と考えることができる。
 しかも竜宮城、つまり宇宙人の基地のようなものは今も海のなかに存在しているのではないだろうか――。 (2006年7月03日)


(2)

 アトランティスと宇宙人は、必ずしも全然別の話ではなく、深い水脈でつながっているように見える――はっきりいってしまうと、アトランティスという伝説の文明には、宇宙人とかUFOが何か関係しているに違いないと思えるのだ。
 これに近い考え方ができると思われるものに、エドガー・ケイシーのリーディングがある。

 眠れる予言者エドガー・ケイシーについては、すでによく知られているし、当ホームページの「ピラミッドの秘儀」でも紹介したので、多くを語る必要はないでしょう。
 彼にたいする評価はさまざまとしても、ケイシーの残した言葉は、アトランティスについての、もうひとつの興味深い情報源となっている。ケイシー・リーディングが伝えるアトランティスはきわめて具体的で、かつ驚くべきものだ。

 ケイシーの語るアトランティスは超高度な文明である。ガスや電気はもちろん、金属からの放射線エネルギーで動くエレベーター、水陸両用の乗り物、さらには、太陽エネルギーを利用する「水晶体」という装置があり、これの活用によって人体の若さを保つ秘結を発見したアトランティス人は、なんと何百年も生きたというのだ。
 しかも、この装置は誤って用いられると強力な破壊の道具にもなり、これを濫用したことでアトランティスは崩壊したという。「水晶体」が偶発的に高水準に調節されたことが、地球そのものの活動を変えてしまう破壊的な力となったというのだ。
 「水晶体」というこのアトランティスのエネルギー装置は、リーディングでは「クリスタル」、「ファイヤー・ストン」、または「ツーオイ石」などと呼ばれている。

 なかでも注目されるのは、「天空を高く飛んだ」というアトランティスの乗り物についてだ。
「当時の乗り物は、空中も水上も、水中も同じように走行することができた。しかし、その動力は中央の発電所であるツーオイ石で制御されていた。つまり、そこからビームが放出されていたのである」(リーディング2072−10)
 このように水陸空のどこにでも行ける乗り物があったという。これを思わせる乗り物といえば、ただひとつ例のアレしかない。このような乗り物に乗り、驚異のエネルギー装置が稼動し、人々は何百年も生きたというアトランティスの文明は、いわば、現代をもしのぐ超文明といってもよい。むしろ、未来社会について述べているようでさえある。

 ケイシーによれば、かつて大西洋上に存在したアトランティスは紀元前5万年ごろから紀元前1万年ごろにかけて、3回の破局によって海に沈んだという。ひとつの巨大な大陸が、大きな島々に分断され、最後には島々は完全に海没した。
 最初の大陸の大きさは、「ヨーロッパの中のアジア――アジア全体ではなく、ヨーロッパのなかのアジアを含めたヨーロッパの大きさに匹敵する」、つまり、今日のヨーロッパとトルコ(小アジア)を合わせたくらいであったということだ。

 奇妙なことだが、ケイシーのアトランティスは、プラトンが伝えるアトランティスとよく似ている。プラトンは、大西洋上にあったアトランティス島の大きさを、「リビアとアジアを合わせた大きさ」、つまり、アフリカ北部と小アジアを合わせたくらいとしている。ケイシーの「ヨーロッパと小アジア」とよく似ているのだ。しかも、その滅亡時期はどちらも紀元前1万年ごろである。
 アトランティスの崩壊についても、人々から神性が薄れ、堕落し、能力を過信して滅びた、というようなストーリーは同じである。ケイシーとプラトンでは描かれている社会は違うが、基本的にストーリーの骨格が似ているのである。これは何か共通の情報源が存在したのではないかとさえ思えるほどだ。 (2006年7月13日)

★  ★

 ケイシー・リーディングで話される内容は、いったいどこから来ているのか?
 これについてケイシー自身が語ったところでは、宇宙の始まりからのすべての出来事が記録されているというアカシック・レコードを情報源にしているという。ラジオの電波を受信するように、自己を同調させてその情報を受け取るというのである。
 人間が考えたり、行ったりしたことのすべての記録は、このアカシック・レコードに保存されており、それはまた未来とも一体となっているので、未来を知ることもできるという。
 いわば、神のコンピューターのようなものからケイシー・リーディングは来ているというのだ。

 一方、プラトンはというと、前にみたようにサイスの神官の話や、ホメロスの『オデュッセウス』、さらにはエジプトの秘儀、おそらく大ピラミッド内部で行われた秘儀などから得た話が情報源になっているように思える。
 ケイシーにしても、プラトンにしても、神がかり的な情報源といえるかもしれない。
 ところが、彼らのアトランティスについては、すでに根本的な疑問がある。

 現代の地質学によると、大西洋上の海底に巨大な大陸、またはケイシーやプラトンがいうような大きな島が、1万年から数万年前に沈んだ可能性はほとんどないとされている。
 世界中の海底は今では地図化され、海の底はまったく未知の世界ではなくなっている。大西洋の海底には大西洋中央海嶺が南北に縦断し、その海底山脈の頂上の部分がアゾレス諸島などとなって露出している。この海域にアトランティスという巨大な島が海底に眠っている可能性は、まずないのである。
 何百万年というような地質学の年代ならともかく、せいぜい数万年前というような文明史のタイムスパンでは、アトランティスが大西洋上に存在した可能性はどうやらないようだ。

 すでに述べたように歴史や考古学の視点でみても、アトランティスという未知なる文明がかつて存在した可能性は、やはり低いといってよいだろう。少なくとも、ケイシーやプラトンのアトランティスを、そのまま鵜呑みにすることはできそうにない。
 もちろん、地球上のどこかにアトランティスが今もなお、人知れず埋もれている可能性は依然としてあるわけである。我々には知られていない高度な文明がかつて存在し、思いもよらない場所に眠っている可能性はある。
 だが、仮にそのような高度な文明がかつて存在したとしても、私たちの文明は、アトランティスには直接連続していないように見える。これまでに知られているかぎり、私たちの文明は新石器文化との直接的なつながりを示している。アトランティスのような文明を想定すること自体に無理がある、というのが実情だ。

 むしろ、ケイシーやプラトンが語るアトランティスは、別の視点から捉えられるのではないだろうか。
 彼らのアトランティスというのは、象徴的な物語として語られているようなところがある。文明にたいする警告のようでもあり、また、文明の誕生と崩壊というストーリーを、寓話として語っているように見えるところもある。それだけではなく、ケイシーが語るアトランティスの姿は、未来社会のような次元の違う世界を描いているようでもある。
 それは海の彼方にある竜宮伝説と同じといってもよいほどで、どこか幻想的で、宇宙的でもある。つまり、古代の失われた文明というよりも、宇宙文明を感じさせるということなのである。
(2006年7月15日)

(3)

 エドガー・ケイシーによれば、メキシコ湾にあるバハマ諸島付近、なかでもビミニ島周辺は、かつてアトランティス大陸の一部であり、島々に分裂したあとは、ポセイディアという大きな島の一部だったという。しかも、その付近の陸地がふたたび海上に出現してくるというのだ。「ポセイディアの寺院が浮上してくる」という。その時期は1968年から69年とされていた。

 ちょうど1968年、ビミニ島の北1キロほどの沖合い水深6メートルの海底で、巨大な石畳のようなものが発見された。5メートル四方の枕形の石が一列にきっちりと並べられ、長さ600メートルにわたり続いている。
 ビミニ・ロードとして知られるこの海底構造物は、当初、ケイシーの予言とピッタリ重なったので、大きな驚きと論議を呼んだ。すでに写真でもよく見かけるが、ひとつひとつの巨石は砂の上に直接置かれているのではなく、幅30センチほどの支柱に四隅がのっているといわれる。

 近くには、円柱が何本も等間廓に配置されているような構造物もあるようだ。そのなかには大理石の円柱もあるということだが、この付近では大理石は産出しないのである。
 巨石表面の泥炭(ピート)を採取し、炭素14法で年代測定した結果は、8000年以上前と出た。もし、それが事実なら、そして間違いなく人工物なら大変なことだが、構造物の由来や、人工物か否かについては、当時、意見がまっぷたつに分かれた。その後、40年近くたつが、決着がついたとの報告は聞かない。

 バハマ諸島周辺ではそのほか、航空機や漁船、ダイバーらによって、少なくとも十数箇所で海底構造物が目撃されているといわれている。そのなかには、長さ50メートルほどのピラミッド型構造物や、全長90メートルほどの防壁状の構造物もある。道路をそなえた巨大な城砦みたいなものも見つかっているようだ。
 だが多くの場合、このような海底構造物は、発見場所をマークしておかなかったり、発見者が正確な座標を公表したがらないなどの理由で、専門家による確認や調査にまで至っていないらしい。

 仮に人工物だとしても、これらの海底構造物のなかから、明らかにアトランティスの遺構と断言できるようなものは、現在も見つかっていない。ビミニ・ロードにしても、アトランティスの遺構とするにはかなり物足りない印象を受ける。巨石が並んでいるだけなら、他の地域の先史時代の巨石文化と大差がないからだ。
 ただし、何か気になる要素があるのは事実なのだ。ビミニ・ロードが発見された年が、ケイシーの予言と重なっていることなど、彼のリーディングは、偶然とはいえない何かを含んでいるのではないかという気にさせられる。


 ビミニ島周辺の海域は、別の点できわめて不思議な現象が以前から多く知られる場所でもある。
 以前「日記つれづれ草」でも書いたことだが、謎のバミューダ海域と呼ばれるアメリカのフロリダ半島沖から、バハマ諸島付近では、第2次大戦後から1970年代前半にかけて、船や飛行機が急に姿を消す現象が相次ぎ大騒ぎとなった。実際に、そういう事件が数十件(数百件ともいう)も頻発したのである。

 このバミューダ海域ではまた、UFOの目撃情報が異常に多いことでも知られていた。  このような不可解な現象に対して、当時、ありとあらゆる考え方が提出された。そのなかに、エドガー・ケイシーのリーディングをもとに、この海域の海底にはアトランティスの巨大な動力装置が今でも稼動しており、それによって磁気や重力の異常が惹き起こされ、上を通過する船舶や航空機の事故が起きるというものがあった。
 当時の多くのバミューダ仮説のなかでも、最も奇想天外で突飛な説という扱いを受けたようだ。しかし、今となっては必ずしも空想的とはいえないのではないだろうか。むしろ、何かの真実が潜んでいると考える方が、適切に思えるといってもよいくらいだ。

 エドガー・ケイシーのリーディングは、何か真実の一端をカスっているようなところがある。ずばり的中しているともいえないが、まったく外れているようにも見えないのだ。大ピラミッドの記録のホールについても同じだが、彼の予言はある一面では、外れていないのである。ただ、我々が期待するほど的中したこともないのだ。
 ビミニ島周辺やバミューダ海域にしても、ちょっと違うのではないだろうか。アトランティスという巨大な島が沈んでいるというよりも、何か別のものがあるのではないか。いわば、UFOの基地のようなものが存在しているのではないだろうか。 (2006年7月18日)

(参考:『謎のバミューダ海域』チャールズ・バーリッツ著 南山宏訳 1997年 徳間文庫//『海底の1万2000年』ロバート・バージェス著 月村澄枝訳  1991年 心交社ほか)

★  ★

 UFOは遥かに古い時代から地球を訪れていた、あるいは、人類は太古から宇宙人とコンタクトを持っていた――というような考え方は、例のデニケンやシッチンの宇宙考古学で早くから主張されていた。
 1970年代を中心に一世を風靡した彼らの主張は、その後、多くの批判にさらされ、相当に立場を失くしてしまった。今ではいわば「札付き」といった感もあり、まさに「トンデモ系」の代表選手のようになっている。おまけに、UFOだの、宇宙人だのという話自体が、ごく一部のマニアを除けば、どこか新鮮味を失くしたような雰囲気が近頃ではあるようで、あまり旗色はよくないようだ。ところが、アトランティスとUFOという観点では、最近、非常に興味深い話が別の方面から浮上してきている。

 前に紹介した『宇宙人UFO大事典』という本には、驚くべきことが多く述べられているのだが、アトランティスについても新たな指針を提供している。やはり「日記つれづれ草」の「オカルト的なるもの」でも述べたことだが、UFOについてのあらゆる出来事を網羅したこの本のなかで、何といっても面白いのは、米軍の手で訓練された超能力スパイ、つまり、遠隔透視の能力を開発された人たちが、UFOや宇宙人について述べている件(くだり)である。


 遠隔透視(リモート・ヴューイング)というのは、1970年代前半から米情報局と軍が研究・開発を進めていた一種の心霊能力だ。
 最初はアメリカ人霊能力者インゴ・スワンと、スタンフォード国際研究所(SRI)が実験と研究を続けていたが、やがてCIA(米情報局)や米陸軍情報局、さらに国防情報局で実用されるようになったという。インゴ・スワンの指導のもとに、米軍情報将校が遠隔透視の訓練を受け、ついには部隊が組織されるまでになった。
 遠隔透視は、敵の軍事施設やロケット発射場、潜水艦の居場所を探すなどに利用されたという。しかし、軍内部には霊脳力的なものへの偏見が根強くあり、主要な情報源とされるよりも、参考意見のような扱いだったらしい。
 この部隊は1995年中頃まで存在していた。
 透視の結果については、必ずしも「当たり」ばかりではなかったようだが、透視者の数が多いほど正確さが増すことがわかったということだ。


 遠隔透視の先駆者ともいえるインゴ・スワンは、驚くべき実績を残している。1973年、スワンがスタンフォードの研究員とともにさまざまなテストを行なっていたとき、一種の気分転換として、宇宙探査の透視をやってみることにした。ちょうど同年の12月3日にはパイオニア10号から木星のデータが送られてくることになっていたので、それに先立って、木星の様子を透視してみることにしたのである。
 もうひとりの霊能力者ハロルド・シャーマンとともに、1973年4月27日、木星の遠隔透視を実施した。ふたりが記録した木星のイメージはほとんど一致していた。それによると、木星には大気があること、激しい嵐が起きていること、そびえ立つ山脈があり、厚い雲に覆われていること、さらに、土星と同じような輪(リング)があることなど、当時の天文学の知識では考えられないような描写が次々と記録された。

 12月になって送られてきたパイオニア10号からのデータでは、しかし、スワンたちが透視したことはまだ確認できなかった。ところが、6年後の1979年、ボイジャー1号、2号による木星探査では、木星にも輪があることが初めて確認されたのである。木星の輪はあまりにも薄いために、これまでの観測では見ることができなかったのだ。
 その後の宇宙探査によって、スワンたちが行なった木星透視は、95パーセントが正しかったといわれている。
 スワンはまた水星の透視も行なっており、やはり当時の天文学の常識を超える描写をしたが、やはりマリナー10号の探査で同様の結果になったとされている。彼はまた火星の透視も行なっており、それによると、火星の表面や地下には人工的に見える奇妙な構造物があるということである。

 スワンの実験によって、宇宙での遠隔透視が信頼できそうだとなってくると、超能力スパイたち、つまり、政府によって養成された遠隔透視者たちは、しばしばUFOや異星人など地球外の世界を透視するようになった。彼らにとっても、ソ連の原子力潜水艦を探すよりも、その方がたしかに面白かったのである。ところが、彼らの上司はあまりそういう方面の話を聞きたがらなかったらしい。上司に報告してもまともに相手にされなかった彼らは、個人的なファイルとして、記録を蓄積していった。それが「エニグマファイル」と呼ばれる文字通りの『Xファイル』である。 (2006年8月1日)


(4)

 遠隔透視者というのは、遥か遠くの場所を見ることができるというだけでなく、時間や空間に関係なく、さまざまな世界に行き来できるケースもあるらしい。
 これはバイローケーションといって、同時にふたつの場所に存在する現象で、肉体は自宅の居間のソファに腰掛けていながら、精神だか、魂だか、幽体だかは、まったく違う時間の違う場所に飛んでゆき、そこでもまた同時に存在している、というようなことができるらしい。
 したがって、透視している場所にも自分は存在していて、そこにいる誰かとコンタクトを取ることもできるという。

 軍で訓練を受けた超能力スパイたちは、このようにして、いつしか地球を飛び出し、宇宙の彼方まで見るというのか、行けるようになり、そこでさまざまな宇宙人とコンタクトを取ったというのである。
 信じられないような話がたくさんあるのだが、この場合にまず困るのは、遠隔透視の能力を持たない我々一般人にとっては、どれも確めようがないということである。いくら遠隔透視者たちがあれこれと描写したり、説明しても、一般人にとっては夢物語と同じで、「ああ、そうですか」というしかない。
 どの話も裏づけ(フィードバック)の取りようがないのである。嘘か真かの区別がつかないから、信じるか、信じないかのふたつにひとつしかないわけだ。

 ただし、これまでに起きた宇宙の事件に関して、フィードバックに近いものが得られたケースもあるようだ。
 1989年3月、ソ連(当時)の火星無人探査船フォボスU号が、火星の周回軌道に移ろうとしたところで消息を絶ち、行方不明になった。当局からは、地上からの操作を誤ったため、コントロールを失ったという公式見解が出されたが、確信はなかったようだ。
 ロシア宇宙計画の職員は1991年、アメリカの遠隔透視者たちにフォボスU号失踪の原因究明を依頼した。アメリカの遠隔透視者のなかには、軍を退職したあと、「サイテック社」という民間企業を作ったグループがあり、彼らにソ連からの依頼があったのである。

 遠隔透視者6人がフォボスU号を透視した結果は、驚くべきものだった。火星にはなんと異星人による電子防空システムのようなものが働いており、フォボスU号はそれによって撃墜されたというのである。フォボスU号に円盤型の飛行物体2機が順番に近づき、「敵味方識別」のような行動をしたらしい。そして、2機目の飛行物体は粒子エネルギービームを火星探査船に向けて放った。といっても、これは敵対的な行為ではなく、大ざっぱなチェックのようだったというが、宇宙船はこのビームによって電気系統が故障した。
 多くのシステムが機能しなくなり、「自力回復」を試みたが、かえって麻痺状態は進み、おまけに地球から命令を出し続けていたことが混乱に拍車をかけた。フォボスU号は軌道をまったく変えてしまい、さらに「小さな流星がとどめの一撃を加え、宇宙船は壊滅的な打撃を受けた」ということである。

 まったくビックリするような話だが、さらに続きがある。
 1991年12月、ソ連の宇宙飛行士マリナ・ポポヴィッチがアメリカを訪れたとき、彼はフォボスU号が最後に送ってきたという写真を持っていた。その写真には、フォボスU号に接近してくる不思議な形をした物体のシルエットが写っていた。その物体は、サイテック社の遠隔透視者たちがフォボスU号をスケッチしたときに描いた物体と非常によく似ていた。彼らはこの写真を見て、自分たちが透視したイメージが正しかったことを確信したという。

 同様の事件が、今度はアメリカで起きた。
 1993年8月20日、アメリカで打ち上げられた火星探査船オブザーバーが、ちょうど火星の周回軌道に入ろうとしていたところで、やはり消息を絶った。交信が途絶え、その後、同宇宙船の行方はまったくわからなくなった。
 NASA当局は、何が起きたのかを知ることができなかった。ところが、遠隔透視者たちは知っていた。オブザーバーは、ソ連のフォボスU号と同じ運命になったと報告したのである。 (2006年8月8日)

★  ★

 遠隔透視者たちが宇宙を高速で移動する不思議な飛行物体を透視し、その存在を確信するようになると、それらは「ファスト・ウォーカー」と呼ばれるようになった。「ファスト・ウォーカー」はソ連製でもアメリカ製でもなく、決して地球上の誰かが作ったものではないことを遠隔透視者たちは突き止めた。
 どこからやって来ているのかを追跡したところ、月の地下と火星からやって来ており、地球の地下で停泊していることがわかったという。
 また、透視者のひとりモアハウスによると、「宇宙船の数はあまりにも多く、その多くはただ通過してゆくだけだ」とも述べ、「地球外生命体などに大騒ぎするよりも、地球の問題に取り組んだ方が賢明だろう」ともいっている。
 遠隔透視者たちが宇宙のなかで最も魅力的な光景として語るのは、銀河のなかに存在するという塔である。それらは中継用の塔らしく、「超高速の宇宙船を銀河のあるところから別の場所へと時空を超えて飛ばしている」という。

 火星探査船の失踪について彼らが報告したなかで、非常に興味深いのは、火星の表面や、その地下にはやはり何かが存在しているとしていることだ。それはピラミッド型をした高層の大建築物で、宇宙船の航行を支援するような施設だという。その地下にはやはり何かの施設があり、火星人以外のものが訪れ、「管理任務」を行なっているという。
 その場所は火星のシドニア地区と呼ばれるところで、人間に似た「火星の顔」や三つの対称を成すピラミッドなど、これまで何度かNASAの写真やら、遠隔透視者たちの透視やらで問題になってきた地域である。

 遠隔透視者のなかには、火星には太古に文明が存在し、その生き残りが今でも生きている、というものもいる。人間文明の何百万年も前、あるいは、何千万年も前から火星には人間型生物の文明が存在していたが、惑星規模の大惨事によって、火星表面には住めなくなり、地下にもぐった。その生き残りは地球にもやってきているという。
 軍の遠隔透視部隊のメンバーであったエドワード・デイムズと、その指導を受けたコートニー・ブラウンによると、「火星人は消滅しかけている種族で、その一部がアメリカのニューメキシコ州のとある大洞窟で冬眠をしている」とまでいう。
 エドワード・デイムズは前に述べたサイテック社の社長だった人物でもあるが、彼は1992年のある会議で、UFO墜落で知られるロズウェル事件は実在しないと主張した。また、1993年にはニューメキシコの火星人と会談を持ちたいと公然と発表し、かなり信頼をなくしたらしい。

 日本のテレビ番組で「FBI超能力捜査官」としても有名なジョー・マクモニーグルは、やはり超能力スパイの訓練を受けた人物であるが、デイムズの多くの発言に反論し、「デイムズは超能力スパイの隊長ではなく、監視者のひとりにすぎなかった」と述べ、「彼は遠隔透視者ではなかったし、同プログラムの研究部門とも一切関係なかった」と批判している。

 「宇宙を商売にしている」といった非難が、エドワード・デイムズとコートニー・ブラウンには向けられたようだ。そのせいかどうか、サイテック社に集まった軍出身の遠隔透視者は、1996年までに、一人を除き、すべて同社を離れたといわれている。

 しかし、デイムズの極端な火星人説はともかくとして、火星に何らかの施設か機械、あるいは文明の痕跡があることは、上のジョー・マクモニーグルをはじめ、多くの遠隔透視者が認めているところである。 (2006年8月12日)

★  ★

 1996年の夏、遠隔透視者たちによって、エイリアン総合リサーチともいうべきセッションが行なわれた。「誠実な研究者が科学的に洗練された手順を厳密に踏んで」、「遠隔透視を使ってエイリアンの行動計画を見通す」試みである。
 事前に透視能力のレベルがテストされたあと、「7人のベテラン遠隔透視者がUFO問題の透視役に任命された」という。
 同年9月に出された報告書には、UFOに関するまさに信じられないような内容が収められている。
 その詳細は、この話の情報源である『宇宙人UFO大事典』(ジム・マース著 柴田譲治訳 徳間書店 2002年)に譲るとして、興味深い点を幾つか紹介すると――

 遠隔透視者たちの証言によると、地球に来ているエイリアンは「一つの種族ではなく複数の種族が存在する」という。オリオンやプレアデス、シリウスなどからやってきているというのだ。
 その形態も透視されており、人間の姿をした大型の金髪赤目種族、アルビノの種族、より一般的な灰色エイリアン(グレイ)や、黒目種族、さらに爬虫類型もいるそうだ。

 また、宇宙人やUFOというのは、異次元の存在でもある。UFOは時間を越えられるし、物質化することも、物質化しないこともできるという。さまざまな次元を行き来していて、彼らにも神や宗教儀式のようなものがある。宇宙の創造主にたいして祈りをささげているともいう。
 しかも、宇宙人のなかには、肉体を持たない霊的な存在や、エネルギーだけの存在もあるという。彼らは周波数で表すことができるということだ。これは私たち人類の宗教にも関係することかもしれない。だが、なかには邪悪なイメージの宇宙人もいるらしく、ある種の戦争状態が長い間続いているともいう。

 エイリアンやUFOを透視し、コンタクトすることは異次元体験でもある。遠隔透視者たちは、異次元がこの世界と交わっていることをはっきりと知っているという。
 透視者のひとり、モアハウスは次のように語っている。
「おそらく一番理解しがたいのは人間がまったく取るに足らない存在だということだ。人間は、ひとつの次元内のちっぽけな存在にすぎない。次元はほかにもあり、そこには数え切れないほどの世界が存在する。無数の世界だ。私たちの世界は本の1ページにすぎない。永久に巻数が増え続ける分厚い百科事典の一冊の、そのまたごく薄い1ページだ」
 彼は続けて、次のようにも語っている。
「死が存在の終焉でないことを本当に理解すれば、一度わかってしまえば、真に開放され、真の自由が得られる」


 エイリアンたちは、地球の環境悪化と人類の滅亡を心配しているという。地球環境は現在、「野蛮で無知な人間によって」取り返しのつかない状態になっているというのだ。現在のオゾン層の破壊のレベルは、人間の活動が自然のサイクルをはるかに超えてしまっており、破壊を食い止める努力はほとんど効果がないだろう、という。それは「バンドエイド」的な対処療法でしかなく、「臨界点に達するのは2005年から2012年になる」ということだ。

 考えすぎかもしれないが、これに関して気になるのは、マヤ暦による世界の滅亡は、2012年となっていることである。この予言はマヤの『チラム・バラムの書』に書かれているものだが、奇妙に一致する数字が不気味ではある。

 宇宙人たちは地球を征服しようとか、占領しようとは思っていないようだ。もし、それを望んでいれば、とっくの昔に、地球は彼らのものになっていたはずだ。彼らはむしろ、「惑星の自立」を尊重してくれているらしい。
 宇宙人からみると、人間そのものがまさにエイリアンであって、うかつに手を出さないでくれているのだという。

 このような話は内容が内容だけに、どれも真実を確かめることはできない話である。だが、遠隔透視者たちが地球にはすでに宇宙人の基地がある、と証言しているのは驚きである。
「基地はエイリアンの居住区と宇宙船基地を兼ねています。地球の南北両半球の山脈内部や海底、湖底に存在します」
「そのテクノロジーが数千年前から存在したことが感じ取れます。ずっと長いこと存在してきたのです」
「海洋や山岳地の巨大な洞窟、さらには砂漠のような条件のところや、森林やジャングルといった環境に、基地らしきものが存在します」
 すでにエイリアンの居住区が地球上に存在するだけでなく、はるかな昔から彼らは地球に来ているらしい。しかも、彼らの基地は、どうやら山岳地帯の洞窟や海に存在するという。なかでも、複数の透視者が海を有力な場所にあげている。やはり、海である。

 こうした話には、残念ながら裏づけの取りようがない。とはいえ、これまでに見てきたアトランティスの話にも通じることは確かだ。
 アトランティスの伝説は、宇宙に起源を持つエイリアンの海底基地のようなものが元にある、そんな可能性を強く思わせるのだ。

 さらに、最後になったが気になることをひとつ。現在も数多く目撃されているUFOに乗っているのは、おそらく、太古の人類であるアトランティス人ではないのか――そういうことなのである。
(2006年8月16日)




今回をもちまして、「アトランティス幻想」は終了します。
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
なお、「アトランティス幻想」が一冊の本になりました。
『夜空に沈んだアトランティス』 倉橋日出夫著
(学研 ムー・ブックス 900円)9月7日発売予定です。



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