受賞(2009.09)

 

伊勢 真一

 

彼岸花。曼珠沙華は、何故あんなにあやしい赤い色をしているのでしょう?
秋です。

たまには目出たいお話し。
「風のかたち‐小児がんと仲間たちの10年‐」が、文化庁映画賞を受賞。
来月の東京国際映画祭で記念上映されることになった。ヨカッタヨカッタ。
10年間に渡って苦労を共にしたスタッフ、上映を応援してくれている仲間たち、みんなとても喜んでくれている。

ドキュメンタリー映画の賞が送り届けられる本当の先は、何より映画に登場する出演者・被写体にちがいないと思う。「風のかたち」で言えば、細谷亮太医師をはじめとする医療スタッフ、病気を克服し、夢を実現した子供たち、そして、生きることが叶わなかったひとりひとり…
それぞれの生命の輝きが、観る人に共感を与えたのだから。
草や樹や花や虫たち、水や空や雲や星や月、見えない「風」を「かたち」にして語りかけてくれている、生きとし生けるもの全てが受賞者、とさえ言いたい気持ちだ。

何だかんだ批判されることも多いカントクも、たまには誉めてもらうと俄然気合いが入り、その気になる。
プロデューサーとしては、賞金があることが本音で嬉しい。万年、一輪車操業の借金返済に右から左へ消えてしまうけれどもね。
「生きていていいぞ。もう少し頑張ってドキュメンタリー映画を創り続けろ!」
と肩をたたかれた感じかな…

ここが正念場ここが正念場と、自主制作自主上映でドキュメンタリー映画を創り続けてきた。そして又、ここが正念場だ。
「風のかたち」自主上映を何とか広めたい。続いて公開予定の「大きな家‐タイマグラの森の子どもたち‐」(澄川嘉彦監督・伊勢真一プロデュース)を多くの人に観て頂き、私や仲間たちが強いこだわりを持ち続けてきた、ヒューマンドキュメンタリーの存在をもっともっと知ってもらい確かなものにしたい。
必ずしも、無視されてきたわけではないかも知れないけれど、何クソと思う。
このままクタバッテたまるかとも思う。

9月26日(土)から2週間、朝10時半からポレポレ東中野でアンコール上映をやってくれることになった。東京に居て顔を出せるときには毎日劇場へ足を運び、観に来てくれたひとりひとりにお礼を言い、映画を育ててくれるようお願いしようと思う。
祈再会。