海外旅行記 vol.10

中国
上海・周庄・将棋交流の旅

(2007年6月1日〜5日)


1・大波乱に満ちた魔都上海

今回の旅は、当初の河南省鄭州大学の日本語学科への訪問から急遽、上海・周庄・将棋交流の4泊5日に変更した経緯もあり、初日から予測しなかった魔都上海での空白の10時間を経験した大波乱に満ちたスタートでした。訪中団のメンバーは、団長に妹背幸男、副団長・渉外に宮内英价、記録・堀井勝英、会計・小野巖、それと海外旅行初体験の牛田寛、80歳の高齢で参加された大西太一の6名で、平均年齢は71歳です。6名全員がMKシャトルを利用したのですが、名神高速が工事中のため通常よりも1時間早い出発で、私は早朝の4時出発になりました。関西空港には6時30分に到着し、搭乗手続き後、9時00分発のCA164便に乗り込みました。上海浦東空港へ10時30分に着後は、いつもと違い、空港バスで移動して、入国手続きをしました。事前に堀井さんが6人分まとめて、入国カード、健康カード、荷物カードを作成していただいていたので助かりました。上海浦東空港では、昨年3月にお世話になった胡小明さんが出迎えに来てくれていて、7名が乗れるシャトルタクシーを手配していただきました。

 

 

2・許建東将棋倶楽部のオフィス訪問

6月1日(金)11時過ぎに上海浦東空港を出発してから、約1時間後の12時頃に今日から4日間宿泊する「上海大都市酒店」に到着し、胡小明さんのご主人胡定維さんと再会、共通経費を「元」に両替するため中国銀行に案内してもらいました。昼食に「家常米銭」(うどんとラーメンを合わせたような麺類)を食べてからは、16時頃までフリータイムでしたが、胡さんと私は、明日の周庄観光料金を払いに、花園飯店にある上海錦江旅遊有限公司へ行きました。16時20分にホテルを出て、胡さんの案内で全員地下鉄に乗り、許建東将棋倶楽部へ約束の17時に到着しました。10ヶ月ぶりに許建東さん、張建敏さんに再会しました。4日(月)に訪問する学校での将棋交流の打ち合わせや許建東さんより7月初旬に関西に訪日の予定との話を聞き、詳細が分かり次第、連絡を依頼しました。18時からは「雲都」で歓迎の会食の招待を受けました。

そのあと、地下鉄に乗り夜景が素晴らしい南京路から外灘に行く予定でした。ところが、20時30分頃に、海外旅行初体験の牛田さんが、南京路の素晴らしさをカメラで撮ることに一生懸命になり、私たちからはぐれてしまったのです。最初はそのうち見つかるだろうと思っていたのですが、時間が経つにつれだんだんと不安になり、何回も手分けして探したのですが見つからず、またホテルにも帰っていないということで、ついには公安(警察)に届けて探してもらうところまで深刻な事態になっていきました。私たちは23時ごろにはホテルに戻り、ロビーで待機していました。牛田さんが携帯電話を持っていたことを堀井さんから聞いたので、私は、0時すぎの夜中(日本時間午前1時すぎ)に、牛田さんの自宅に電話して、奥さんに携帯電話の番号を聞き、電話をしたのですが、残念ながらつながりませんでした。ホテルの部屋に戻っても寝付かれず、初日から身体のリズムが噛み合わなくなってしまいました。早朝に宮内さんと周庄観光はキャンセルしようと話していたところ、団長の妹背さんより牛田さんが無事に戻ってきたとの連絡があり、本当にほっとしました。6時30分頃に堀井さんが探しに行ったところ、後ろから牛田さんが声をかけてきたそうです。まさに10時間ぶりの生還です。領事館まで行かなくて幸いでした。

 

 

3・周庄観光と浦海お茶店

6月2日(土)7時に朝食後、8時からは江南水郷を代表する運河と橋の町「周庄」の観光です。前日はほとんど睡眠を取っていないので、キャンセルも考えましたが、無事生還されたことと、すでに旅行社に観光料金を支払っているので、車のなかで睡眠を取りながら行くことになりました。ところが、高速に入って少し経ってから、交通事故直後の現場に遭遇してしまい、その姿を見て眠気が飛んでしまいました。周庄は上海市内から西へ約80kmに位置していて1時間強で到着しました。昨年の3月に観光した「朱家角」に比べて規模が大きく、整然としていて入り口には関所があり入場料金を取るところは、前回の朱家角とは違いました。ガイドの案内で、大富豪の邸宅や水郷の商都としての面影を印象づけているアーチ型の石橋、それと、お土産店を見ながら、少し急ぎ足で舟の乗り場まで行き、ゆっくりと水路めぐりの醍醐味を満喫しました。12時近くになったのでガイドの案内で関所から出て昼食を取りました。食事を終えてからガイドに午後の予定を聞いたところ「周庄の観光はこれで終わりです。このあとどこか行きたいところがありますか」との事、私は食事のために関所を出たので再入場して、1時間ぐらい買い物の自由時間がほしいと言ったのですが、再入場にはまた入場料金が必要と言われた。疲れもあったので、しかたなくホテルに帰ることになりました。14時過ぎにホテルに到着。ホテルでは夕方まで自由時間があったので、宮内さんとホテルの中にある足つぼマッサージに行き、少しでも疲れが取れるように心掛けました。

夕方よりは、懐かしい「浦海お茶店」までタクシー2台で行きました。昨年3月に宿泊した「上海水産大夏」も取り壊されており、すっかり様子が変わっていて場所が分からず、遠回りしてしまいました。浦海お茶店では、牛田さん、堀井さんがお茶、茶器を購入、私は名刺を依頼しました。夕食は浦海さんの口利きで安くて美味しいお店に案内していただきました。その後、2名はホテルに戻り、4名は近くのマッサージ店で身体の疲れを取りホテルに戻りました。

 

4・豫園商城、新天地、功徳林の精進料理、南京路、外灘

6月3日(日)7時30分に朝食後、この日は当初から、堀井さんは上海の友人との別行動です。代わりに鄭州大学の卒業生で妹背さんの筆友、Sさんが訪ねてきてくれました。彼女を含めて6名で9時にホテルを出発して、豫園商城まで約30分歩いていきました。いろんな店を見ながら私は「五香豆」と龍の帽子にあわせて「龍のTシャツ」を購入しました。有名な小龍包の店「南翔饅頭店」の3階に入り、絶品の味と、落ち着いた時間を過ごすことができました。

その後タクシーで移動して、豫園商城とは対照的な中国らしくない最先端エリアの新天地に行きました。欧米人が多く占めており、ハイセンスが漂う町並みです。クリームコーヒーを味わいながらゆっくりとした時間を過ごすことができました。最高齢の大西さんも大満足の様子でした。ここでSさんと別れて、いったんホテルまでタクシーで戻り夕食まで休憩です。

私は今回の旅の打ち合わせで、功徳林の精進料理がもう一度食べたいとリクエストしたところ、宮内さんからの連絡で胡さんが予約を入れて、加えて、今日の夕食に私たちを招待していただくことになったのです。ホテルから功徳林までバスでの移動です。夕食では、胡小明さんのご両親を含む9名での和やかな会食でした。精進料理の真髄「功徳林」では、魚や肉を一切使わず、野菜や大豆などの植物性タンパク質をベースに作られていて、見た目はもちろん、味さえも似ているのです。なかでもカニ味噌もどきが特有のコッテリ感を見事に再現していて絶品でした。大変に美味しかったです。食後は南京路まで歩いて、記念写真を撮ったのち、胡小明さん、ご両親と「再見」です。南京路では、それぞれがお土産物を購入しました。私はデパートの「第一百貨」でバーゲンセール(50%オフ)開催が目に入ったので、気に入ったシャツを試着して記念に購入しました。それと、初日に牛田さんがはぐれた南京路の思い出の場所で記念写真を撮りました。外灘では幻想的な夜景を眺めてから、露店で北京オリンピックのシンボルマークバッチが点滅しているのが目に入り、10個購入しました。その後、タクシーでホテルに戻り、ロビーでくつろいでいると堀井さんが帰ってきました。いよいよ明日は、午後から将棋交流のための学校訪問です。

 

5・上海尚徳実験学校へ将棋交流訪問、上海雑技団

6月4日(月)7時30分に朝食後、午前中はフリータイムでしたが、9時30分に胡さんがホテルまで来てくれて「周庄」観光は、8時間観光コースの約束なのに、14時にホテルを戻ってきたことに対して、旅行社の責任者に話をするので、同行して事実を話してほしいとのことでしたので、宮内さんと私、それと胡さんの3人が花園飯店にある上海錦江旅遊有限公司まで話し合いに行きました。胡さんとしては、一流の旅行社に私たちの観光を予約したのに、満足が得られていなかったことに責任を感じておられるのです。先方は、責任者を始め、店長、ガイド、書記の4名です。私は、昼食後も、当然、周庄観光があり、お土産を見る時間が取れるものと思っていたこと、1時間ほどお土産を見る時間を依頼した事実を話しました。ガイドは、車の中でスケジュールを話す予定も、みんな疲れて眠っていたので特に話さなかったとの言い分です。最終的には「8時間観光コースの予定が昼までに終わるのが、一流の旅行社と言われている会社の方針ですか」との宮内さんの提言が効を奏し、責任者の素早い決断の結果、600元(約1万円)の返金で解決しました。貴重な意見として、今後の観光に生かしてほしいものです。タクシーでホテルに戻り、「家常米銭」の昼食を取りました。

13時20分に、チャーターしたシャトルタクシーに7名が乗り込み、上海尚徳実験学校へ向かいました。予定の時間より早かったので、ケンタッキー・フライドチキンでコーヒーを飲んでいたところ、偶然に湯順傑君と出会いました。許建東さんの指示で、学校での通訳のため、わざわざ来てくれたのだと感じました。お気遣いありがたいことです。学校の正門には、張建敏さんが出迎えていただき、全員で記念写真を撮りました。さすが私立の実験校だけあって、広くて綺麗な素晴らしい環境でした。今回は昨年の学校のように将棋授業の様子を見学するのではなくて、教室に入ると、2つの教室に分かれて40名ほどの小学生が将棋盤の前に座っていました。私は挨拶のあと、急遽、宮内さん、堀井さん、大西さんに多面指しの依頼をしました。私は、となりの教室で18名と六枚落ちの18面指しを無我夢中で頑張り、何とか格好がつきました。あっという間に予定の時間が経ち、次の雑技団観劇があったので、残念ながら16時すぎには学校を後にしました。

雑技団のあるポートマンホテルでタクシーを降りて、食事の場所を探していたのですが、だんだんと雨がきつくなってきたので、堀井さんが前に行ったことがあるポートマンホテルの向かいのレストランで夕食を取ることに落ち着きました。19時30分から21時まで雑技団観劇です。前から4列目の真ん中で見やすくて迫力がありました。何回見ても人間業と思えない素晴らしい雑技でした。タクシーでホテルに戻り、4名はホテルの近くにある「全身・足つぼマッサージ」に行き、2時間リラックスでき、疲れを取ることが出来、値打ちがありました。(110元+チップ10元・・・1900円)

 

 

   
6・無事に全員帰国

6月5日(火)7時30分に朝食後、ホテル周辺を散策。11時30分にホテルをチェックアウトして荷物を預け、昼食後、13時にシャトルタクシーでホテルを出発して空港へ向かう。空港では、大変にお世話になった胡さんに感謝して、またの再会を約束しました。出国手続きを終え、時間があったので、お土産を見たり、ジュース、ビールを飲んでくつろいでいました。予定通り16時55分発のCA163便で浦東空港を離陸して、20時に関西空港に着陸しました。

今回の旅は、天気には恵まれなかったが、将棋と観光で充実した楽しい交流を持つことが出来ました。また全員が無事に帰国できたことは、何事にも代えがたいことと思っています。帰国後は「ほっと」した気持ちで気が緩んだのか、体調を少し崩しました。土曜日から将棋教室が続きますので、それまでの3日間は無理をせずにゆったりと過ごしました。参加メンバー全員が魔都上海の怖さに遭遇した強烈に印象に残る旅でした。

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