海外旅行記 vol.14

上海・武夷山
2009年「第2回上海都市杯」将棋国際交流大会

上海・武夷山観光7日間の旅

(2009年8月4日〜8月10日)


1、はじめに

第1回上海都市杯が2006年に開催されてから3年が経過し、今年は、上海万博を来年に迎えるに当たって、さらに盛大に2009年「第2回上海都市杯」将棋交流大会が開催されました。第1回大会の参加は23チーム(69人)、参加国は2カ国(中国、日本)でしたが、今回の第2回大会は、参加チームが32チーム(96人)、個人戦にも64人が参加し、参加国は12カ国と国際大会にふさわしい立派な交流大会でした。各国の代表選手は、主催者の上海市体育局・上海市閘北区人民政府から、将棋交流大会期間中の滞在費、食事などの招待を受けました。

京都府将棋代表団のメンバーは、京都市チーム(前田、小野、本川)宇治市チーム(川崎、岡本、増田)南丹市チーム(吉田航、室、吉田萌)に加えて、随行の増田さんご夫妻と川崎さんご家族の13名です。皆様方のご協力のお陰でたいへんに満足のいく旅でした。13名全員が無事に帰国でき、京都府将棋代表団の団長兼選手兼添乗員としては、ほっとすると同時に安心しました。8月4日〜6日にかけて、開催された将棋交流大会の会場は今年1月オープンの5つ星ホテル「上海銘徳莱星頓広場酒店」です。快適なホテルでの将棋交流大会は、参加者全員が思い出に残る素晴らしい日々でした。

 
 

 

 

2、上海へ訪中、歓迎レセプション

8月4日(木)午前11時に京都府将棋代表団13名が京都駅に集合して「はるか23号」で関西空港に向かいました。お見送りには、日本将棋連盟京都府連の清水幹事長(京都梅津支部・支部長)、吉田さん、本川さんが来ていただきました。今回は、10名以上の団体扱いで日時の変更がきかない格安航空券を手配しましたので、万一の高速道路の停滞を考慮して「JRはるか」で全員揃って行くことにしました。関西空港には12時32分に到着、空港内のレストランで軽食をとってから、搭乗手続きを済ませました。15時35分出発(JL627便)まで時間があったので、早速、将棋の対戦が始まりました。

17時5分に上海浦東空港へ着後、いつもの時間帯と違うので人が少なく、スムーズに入国手続きを済ませることが出来ました。各自荷物を引取り、無事中国に入国して「ほっと」しました。浦東空港では、李君が「京都代表団」の看板を掲げて、出迎えに来てくれていました。18時には、主催者より用意していただいた、専用車に乗り込み将棋交流会場である「上海銘徳莱星頓広場酒店」に向かいました。途中、激しい雨と渋滞のため、本線の高速道路から迂回して上海市内の中心部に向かったため、通常1時間のところ2時間もかかってしまい、ホテル到着は20時になってしまいました。早速、荷物をロビーに預けて、歓迎レセプションの会場へ行きました。許建東さんはじめ、張建敏さん、秦君、湯君などと挨拶を交わし、旧交を温めあいました。その後、各国代表による挨拶がはじまり、日本代表として挨拶を依頼されました。片言の中国語を交え、盛大な将棋交流大会への招待をいただいた御礼を申し上げました。やっと心置きなく、バイキング方式の夕食をいただきました。夕食後、部屋割を決めて、ロビーにある荷物を各部屋に運んでもらったあと、こどもたちは明日の大会に備えての将棋対局を楽しんでいました。

   
   
 

 

 

3、第2回「上海都市杯」将棋国際交流大会・団体戦

8月5日(水)7時に朝食後、8時45分から開会式です。主催の上海市体育局、上海市閘北区人民政府、協催の上海市閘北区教育局、上海許建東将棋クラブ、賛助企業の盈徳気体投資有限公司など、中国政府関係者および来賓者からの挨拶があり、団体戦予選リーグ戦の開始は10時でした。

団体戦の参加チームは、32チーム(96名)で、日本よりは、千葉県5チーム(船橋市・千葉市・四街道市・習志野市・八千代市)、京都府3チーム(京都市・宇治市・南丹市)、東京都調布市、天童市、上尾市、蒲郡市の12チームが参加しました。中国からは15チーム(上海・北京・広州・福建・宇夏・香港)、ヨーロッパからは3チーム(ドイツ・フランス・ハンガリー)南半球からは、ニュジーランドが1チーム参加しました。今回も、事前にTシャツがプレゼントされ将棋交流および観光でも着用しました。対局ルールは、4チーム一組のリーグ戦で、2勝通過、2敗失格です。持ち時間は双方各20分、その後一手30秒の秒読みです。

京都市チームの予選リーグ1回戦は、中国チーム(上海市中学生チーム)との対戦でしたが、開会式の時間が長くて闘志が削がれたところスタートしたため、序盤は本当に苦戦しました。中盤で盛り返し、終盤でなんとか逆転しての白星スタート(チーム成績3勝)でした。予選リーグ2回戦は、南丹市チームとの同士討ちになりました。結果は、2勝1敗で京都市チームが勝ち、午後からの決勝トーナメント戦に駒を進めました。昼食をしていると、まもなく南丹市チームの3名が昼食に合流しました。予選リーグの3回戦を勝ち、チーム成績2勝1敗で決勝トーナメント戦に駒を進めました。宇治市チームは、強豪の香港チーム、優勝した船橋チームに敗れ、残念ながら予選敗退となりました。

13時からは、決勝トーナメント1回戦です。京都市チームは、中国最強チームの「上海許建東将棋クラブ」との対戦です。私は3年前の大会で惜敗した湯順傑五段との対戦になりました。序盤はうまくさせたのですが、中盤に並ばれ、終盤では劣勢に追い込まれましたが、寄せの勝負手が奏功し、逆転勝ちを収め雪辱を果たせました。この一勝が大きくチーム成績2勝1敗で2回戦に進むことが出来ました。一方、南丹市チームの相手は、千葉県四街道市チームでした。結果は、残念ながらチーム成績1勝2敗で決勝トーナメント1回戦敗退となりました。

京都市チームの2回戦は、将棋のメッカ、天童市チームとの対戦です。私の将棋は、序盤、中盤、終盤と完璧な内容で快勝し、残り2局の展開を見守っていました。2局とも手に汗握る熱戦でしたが、結果は指運が相手チームに微笑み、1勝2敗で残念な結果となりました。本当に惜しかったです。団体戦の結果は、優勝、船橋市チーム、準優勝は天童市チームでした。京都市チームは5位、南丹市チームは9位でした。14時からは、決勝トーナメント戦と並行してプロ棋士による指導対局もありました。16時に表彰式があり、18時30分からは円卓を囲んでのパーティーです。その後こどもたちは、部屋に戻って将棋対局を楽しんでいました。

 
 
   
 

 

 
4、第2回「上海都市杯」将棋国際交流大会」個人戦・豫園で買い物

8月6日(木)7時に朝食後、9時からの個人戦(スイス方式・5局指し、上位4名による決勝トーナメント戦)の開始を確認してから、9名で3台のタクシーに分乗し、豫園までお土産品を見に行くことになりました。事前にホテルの名刺を渡して万一はぐれればホテルに戻るように話してはいましたが、豫園で、なかなか合流できなかった時は、少し心配をしました。ほどなく9名が集まり、ほっとしました。豫園では、お土産店でゆっくりと時間をとり、買い物を楽しんでもらいました。次に第一百貨に行く予定でしたが、雨が降ってきましたのでホテルに直行で12時前に戻りました。

会場に戻ると個人戦は、吉田君が5回戦を高橋君(船橋市)と戦っており、観戦で人だかりが出来ていました。結果は、高橋君が勝ち、その勢いで個人優勝を勝ち取りました。吉田君は4勝1敗で5位入賞でした。

午後からは、個人戦準決勝、決勝と並行して、プロ棋士(大内九段、所司七段、有野六段、熊倉女流初段、渡辺女流2級)による5面指し、8面指し指導対局が行われました。個人戦の表彰式が16時30分より行われ、17時には、盛大な将棋国際交流大会の閉会式が行われ、大成功のうちに幕を閉じました。

上海都市杯は3年に1度の大会ですが、今回の大成功を受け主催者が、1年後の11月にも開催の意欲を示しておられることを聞き、ぜひ実現の運びになってほしいと感じました。17時30分からは、またもや円卓を囲んでのパーティーです。その後こどもたちは、部屋に戻って将棋対局を楽しんでいました。

   
   
   
   

 

 

5、上海市内観光・寝台列車

8月7日(金)6時30分に朝食後、ホテルを9時50分にバス2台で出発、これからは、上海市内観光です。最初に、上海博物館を見学し、1時間ほど自由に展示品を観賞することが出来ました。写真撮影はフラッシュを焚かなければOKでした。次に南京路を歩き、途中で昼食をとりました。暑かったので途中デパートに入って涼みました。その後、バスに乗り込みテレビ塔(東方明珠)と上海外灘(バンド)のきれいな景色を見てから豫園に行きました。金曜日の影響か、豫園では人が多くて大変でした。また、すごく暑くて、あまり時間も取れなかったので、前日に思い切ってタクシーで豫園に行ったことは正解でした。夕食をとってからは、上海1日観光のみのグループと別れて、中国、京都、天童、千葉、豊橋、ドイツ、イタリアのメンバーとともに武夷山観光に行くため、上海南駅に行き、20時33分発の1等寝台列車に乗り込みました。1部屋に4名の定員で、私は、所司七段と張兄弟とご一緒になりました。

 
 
 

6、世界遺産・武夷山観光

8月8日(土)7時30分頃に福建省の武夷山駅に到着しました。駅では、熱烈歓迎の横断幕や歓迎の踊りを披露してくれました。その後、バスに乗り込みホテル(su min HTEL)にチェックインしました。

朝食をとったあと9時20分にホテルを出発しいよいよ武夷山観光です。渓流に沿ってのアップダウンのあるコースを歩きました。寝台列車から休みなしでの山登りでしたので少しハードでした。昼食は、農家の家庭料理をいただきました。たいへん美味しかったです。午後からも、滝のある遊歩道を歩き、水遊び広場では、川に入っての水遊びをしました。中国の川とは思えないほど水が綺麗で、日本の渓谷にいるような錯覚に陥りました。

バスに乗り、次の目的地「武夷茶博園」に向かうところで、アクシデントが起きました。ヘアピンコースを過ぎ平坦な道路に出たところの16時ごろ、大きな音がしてタイヤがパンクしたのです。約40分間代替バスが到着するまで、長閑な田園風景を見ながら、ドイツ選手などと話す機会が持てました。代替バスに乗り込み武夷茶博園に到着し、いろんなお茶の試飲をしました。ホテルに帰り、おなかが減っていて夕食がとても美味しかったです。

夕食のあと武夷大劇院まで出向き、武夷山の歴史を綴った芝居を観賞しました。だんだんと疲れがピークになり、ついに観劇の最中にウトウトしてしまいましたが、そのお陰で身体がすっきりしました。22時にホテルに戻ってから、こどもたちは将棋対局を楽しんでいました。将棋を指していると元気です。

 
   
   
 

 

 

 

7、世界遺産・武夷山観光、寝台列車

8月9日(日)ホテルを8時に出発し、武夷山観光のスポット「大王峰」などの素晴らしい景色を見てから、全員で記念写真を撮りました。台風が近づいていて天気が悪く、午後からの「筏くだり」が中止になりました。メインの観光スポットでしたので、本当に残念です。昼食時には、武夷山観光局長などが歓迎にこられました。午後からは、予定を変更して、武夷山文化の代表的な古い建物を見学していたときに雨が降ってきました。そのあとは、蛇類観賞園に行きました。肩こりに効く塗り薬を試してもらい、一つ買いました。

夕食を早めにとってから、ホテルで荷物を受け取り、バスで武夷山駅に向かいました。ホームでスーツケースを持っての上り下りは大変でした。武夷山駅では、19時発の寝台列車に乗りました。部屋は行きと同じところでしたので混乱しなかったです。部屋では、24時ごろまで所司先生のパソコンで写真を見せてもらったり、許建東さんと京都での交流大会実現に向けての話をしたりしていました。別の部屋では、八千代市の小高さんの発案で、京都、千葉、天童のこどもたちによるリーグ戦を開催していました。岡本さん、室さんにお世話をお願いしました。結果は、吉田航君が7勝1敗で優勝でした。こどもたちは将棋を指していると、とにかく元気です。たいへん楽しかったようです。

 

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8、上海浦東空港から帰国

8月10日(月)上海南駅に6時10分に到着しました。そのあと、バスに乗り込み上海浦東空港に向かいました。9時ごろに空港に到着し、許建東さんに御礼とまたの再会を約束しました。

空港では時間がたっぷりありましたので、まず朝食を空港内のレストランでとりました。「牛肉ラーメン」美味しかったです。それから、搭乗手続き、買い物、将棋対局などで時間を過ごしました。偶然にも、アーチェリー銀メダリストで中年の星、山本選手がおられたので、ツーショットで写真を撮っていただきました。13時25分のJL794便で関西空港に向かい16時50分に到着し、無事帰国しました。関西空港からは、はるか46号(18時16分)で京都駅に19時34分に着きました。13名は京都駅で解散です。ほんとうにおつかれさまでした。

 

9、おわりに

岡本さん、室さんには、パスポートの管理などの親代わりを務めていただき、大変に感謝しております。また、増田さん、川崎さんについては、保護者として同行していただき、本当にありがたく思っております。

今回の第2回上海都市杯将棋国際交流大会では、さらに充実した内容の濃い将棋交流と観光が出来たと思っております。また、皆様のご協力のおかげで、団長として、13名全員が無事に帰国できたことは、何事にも代えがたい大役を果たすことができたと自負しています。次の目標は、中国のこどもたちを京都に招待する「京都・上海こども将棋友好文化交流大会」を開催することです。そのときは、皆様のご協力、ご支援をぜひともお願いしたいと思っています。

 

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