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第1話 本格的(?)カレー

 日本人がカレーと言うときは、白いご飯・黄色いドロドロ・赤いにんじん・白いじゃがいもがごろごろと入ったゴロゴロカレーを思い浮かべると思う。私も、もっぱらこのゴロゴロカレーを好物にしていたのだが、他にもスープカレーやらペーストカレーやらがあるらしいと知ると、もはや辛抱がならない。やみくもに本格的なカレーを食いたいという欲望が、ぐあっとわき上がって身悶えしてしまった。で、その手の本から、インドで一番ベーシックであると勝手に推測した物を本格的カレーと決め、さっそく作ることにした。

 本格的カレーの最大の長所は、分量がきわめていい加減なところである。作るに当たって、いくつかのハードルを越えなければならないらしいが、まずはトライ。

 最初にして最大のハードルは、「タマネギのすりおろし」。何のことはない、やみくもに2個分のタマネギをすりおろせば良いのである。しかし、泣いても泣いてもなくならんぞ。く〜。が、ここでくじけては、ぐおっと突き上げる本格的カレーに対する欲望を満たすことはできない。根性をいれてすりおろし完了。

 「タマネギのすりおろし」を乗り越えると、次のハードルがあんぐりと口をあけて待っていた。「タマネギ炒め」である。何のことはないやみくもに炒めれば良いのである。炒めて炒めて炒めまくるのである。延々2時間、しかも、焦がしてはいけない。キツネ色を通りこして、あめ色、さらには紫っぽい黒という悩殺パンティー色になるまで。しかしながら、ただ炒めるだけでは非常につまらん。これはイカンと、ビールをグビッと飲むことにする。うまい。タマネギからたち昇る、何とも甘い匂いにつつまれ、ビールに頬を染め、タマネギを悩殺パンティー色に炒める酔っぱらいなのである。

 こうして「タマネギ炒め」を乗り越え、カレー粉をはじめ、各種材料をいい加減にドバドバと投入していると本格的カレーらしくなる。ここで最後のハードルが、またしてもあんぐりこと待ちかまえている。「味付け」である。ゴロゴロカレーの味にどっぷりと慣れきっている私には、辛いばっかりでどうも味がない。そこで、ケチャップやらタバスコやらをドバドバと投入してみる。それらしい味付けになった頃には、本格的カレーのはずが、極めて邪道的悩殺パンティーカレーの完成である。

 まあ、酔っぱらいの私にはそんなことはもはやどうでもよく、夕食のしたくをさぼれたパートナーの顔をながめつつ、またしてもビールを飲む私であった。

パートナーのひとこと

 脂っこいし、肉がかたい。なんとかして!

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