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第9話 ザラザラかぼちゃケーキ

どうみても平べったい
かぼちゃケーキ
どうみても平べったいかぼちゃケーキの図

 パートナーの誕生日が来る。普通の家庭ではプレゼントを贈り、ケーキを食べて祝うというのが一般的だろう。我が家でもそれにならい、ごちそうを作り、ケーキを用意してパーティーをすることにした。甘党一家の今回のメインはケーキ、それも、パートナーからのご指名で、かぼちゃケーキである。

 自慢ではないが、今までお菓子を作って成功したことはあまりない。焦げたシュークリーム、コリコリのくず切り。過去の過ちが走馬燈のように流れてゆく。にもかかわらず、この大切な日に、無謀にもケーキへの挑戦なのである。

 ケーキ作りのポイントは、なんといってもスポンジのフックラ感である。卵白を泡立てて、プワプワの泡を壊さないように他の材料をまぜるのだが、まぜすぎると泡が壊れ、手加減するとまざらないと言うやっかいものである。

 さらに、パートナーから差し出されたその筋の本で材料を調べてみると、小麦粉ではなく、コーンミールなるとうもろこしの粉を使うという。コーンミールは、ケーキに独特の風味を加えるというが、今までみたこともない。いくらパートナーからのご指名とはいえ、えらいものを作ることになってしまったものだ。まったくとほほ状態である。

 他の材料はさておき、とにかくコーンミールを調達しなければならない。買える場所はと思案して、大手デパートの食料品売場へ行くことにした。デパート内をさんざん探しまわったあげく、妙にザラザラとしたものの入手に成功した。まるでグラニュー糖のような手触りである。プワプワの卵白にザラザラのコーンミール。ひじょうに不安である。

 ついに、誕生日当日。スゲー大量のかぼちゃを裏ごしし、卵白をプワプワに泡立て、コーンミールをザラザラと混ぜる。プワプワの卵白が、かぼちゃでモタモタになり、コーンミールでブツブツである。とにかく型に流してオーブンで焼いてみることにした。だけんども、ぜ〜んぜんふくらまない。どんな時であっても、ケーキたるもの少しくらいはふくらんで欲しいものであるが、その気配すらない。チン。焼き時間終了。どう見ても、流し込んだときの高さそのままである。少しは成長せんかい!

 とにかく、うまければよいのだ。そうなのだ。気をとり直して粉砂糖をふり、マジパンなるアーモンドの粉の水飴練りで飾り付ける。独特の風味があるのだと、その筋の本に書いてあったではないか。

 さっそく、食後のデザートに食べてみる。実に、独特の風味がある。かぼちゃのような、さつまいものような味わいと共に、口の中一杯に広がるドライ感。独特である。パートナーも、複雑な顔つきで食べている。どうやら、自分の指名を後悔しているらしい。

 う〜む。ここぞというときにあやしげなものを作るのは、やっぱ失敗だ〜っ。

パートナーのひとこと

 素朴な健康食品って感じ? って感じ?

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