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第17話 朝からどら焼き

うまくできた方のどら焼き

うまくできた方のどら焼きの図

 不器用なくせに、何かやるときには、こだわる。まず格好から入るタイプで、道具、マニュアル本とひと通りそろえ、達人になった自分を想像してにんまり。そんな性格の私の目に、和菓子作りの本が飛び込んできた。和風の装丁と、お菓子の写真が、とてもセンス良くまとめられている。この手の本には、からきし弱い。幸い、道具の方は新たに必要はなし。傷を広げずに済みそうだ。しかも、作り方もあまり難しくもないとあっては、血が騒ぐ。さっそく購入である。

 本を眺めながら、にやけているうちに、製作チャンス到来、休日の朝ごはんに、どら焼きをを作ることになった。子供も、好物なだけに、頭はすでにどら焼きで一杯。パートナーは、けだるい朝に、朝食を誰かが作ってくれるだけで、ありがたいらしい。で、私はというと、休日に早起き、気分壮快、気力充実、チャレンジ精神旺盛である。朝からどら焼きを食べるかというところは、ひとつ目をつぶっていただき、一家そろって、何をおいてもどら焼きなのである。

 さっそく例の本を取り出し、作り方を確認する。お好み焼きにようなものらしい。分量は、げ!、××人分。いくら甘党一家でも、朝っぱらから、どらやきばっかり、そんなに食えるものではない。食欲が減退する前に、頭の中で適当な量に換算して、分量分の材料を用意する。  ところで、今回もこのどら焼き、やっぱり失敗なのである。良くある話だが、ここで分量を間違えたんだなあ、結局。早起きで、気分は壮快だったが、実力の方は希薄だったようだ。

 玉子、小麦粉、グラニュー糖を、計って混ぜる。なにやら、非常に毒々しい色合いの濃いどら焼き色。こんなものかもしれない。フライパンに、おたまでま〜るく広げる。ぽつぽつと、気泡ができてくれば裏返し。気泡を待つ。まだか、まだか、煙? こげてる〜! 急いでひっくり返す。カリカリ言うじゃないか! ありゃりゃ、まっ黒。子供まで「まっくろ? まっくろ?」 だあ〜あ、うるさい! パートナーの方は、「あり? またかい」と、見て見ぬふりを決め込んだらしい。けっこう冷たいやつである。

 一枚だけではどらやきにならんので、とりあえず次を焼いてみる。フライパンへす〜っ。やっぱり煙が出る。「これって、砂糖多くない?」 とはパートナー。ぎくぎくっ。グラニュー糖が多くて、カルメ焼きになったか? 本でグラニュー糖の分量を確認、間違っていない。だけんどもしかし、小麦粉が、半分しか入っていないじゃないか。そうだったのね。あははは、がっくし。

 やってしまったものはしょうがない。気を取り直して、小麦粉を追加、いい色合いである。再度フライパンへす〜っ。ため息が出るくらい、い〜い気泡ぽつぽつと浮かび上がる。こんなに簡単にできていいのかどら焼き、ってな感じである。

 小麦粉追加で良くできたあたりはのどら焼き、もちろん子供へ。にこにこと食べている。そうでないあたりは、私。もちろん、パートナーにもあぢわって頂く。さくさくの歯触りと、どど甘さを楽しみつつ、早起きの壮快さもどこへやら。あの本、今どこにあるんだっけ?

パートナーのひとこと

 血糖値が上がるね

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