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第19話 気だるい休日

 「ふあ〜っああ」

 休みの日は、さっさとビールを飲んで、昼寝するに限る。特に、夏の午後は、ヤシの葉音か競馬中継を聞きながらである。だけんどもしかし、昼寝していても、やっぱり腹は減る。ビールをグビグビしちゃった体には、外食にでるにはけだる過ぎるし、まずい出前は勘弁してくれろ、って感じである。誰か作ってくれれば、万事まるく収まるのであるが、我が家はリゾートホテルとは行かないし、パートナーは布団を敷いて、本格的に寝ているようだ。

 「なにしとんじゃあ!」と、パートナーをたたき起こすことは、心優しい私にはできるはずもなく、やおら体を起こし、「さて、後片づけの簡単な、お手軽料理は?」と、ぐびぐび頭で考えてみる。・・・・・・・。やっぱり、そんな都合の良いものなんか、出てこない。それでは、今ある材料で作れるものは・・・・・、お好み焼きがある。キャベツよし、肉よし、焼きそばよし。しかも、ホットプレートを使えば、後片づけも簡単簡単。たまにはグビグビ頭もやるもんである。これも、もしかしたら普段の行いのせいかも。パートナーを、たたき起こさなくて良かった。

 作るものが決まったら、気力を振り絞って、一気に作り上げてしまうことが大切である。ここでためらうと、そのまま昼寝に戻ってしまうことになりかねない。頭を使って、眠気を吹き飛ばさないと。作り方を思い出そう。この間食べた広島風お好み焼きの作り方に思いをはせる。

 「うまかった。本当にうまかった」 甘いソースに硬めのやきそば、ボリューム感。うますぎる。職人さんの見事な手さばきも、手に取るようである。よし、あれを真似してみよう。小麦粉の薄皮に、キャベツと焼きそば、玉子をあらよっとのっければ完成。作り方も全く問題ないはず。グビグビ頭の働きもだいぶ良くなってきたようだ。

 しかし、こんな時には、事故も起こりやすい。ビールをグビグビしている時は、気が大きくなって、つい指を切ったり、病院で縫ったりする。用心用心。あと気を付けることと言えば、小麦粉をゆる〜く溶くのと、キャベツから火を通すこと位か。さっそく冷蔵庫を開ける。だけんどもしかし、玉子がない。う〜む、まあいいか。玉子の買い出しに行くほどには、気力は回復していないなあ。

 ほどなく、ホットプレートも温まった。キャベツをどさっ、小麦粉をす〜っ、焼きそばじゅ〜っ、お肉をじゅー。おー! このじゅーじゅー感は、あのお好み焼き屋の臨場感そのまま。気分はすっかり職人さん、グビグビ頭も、今やすっかり作成マシーンとなっている。プレート一杯に広げたこいつらを、あらよっと小気味よくのっけていく。だけんどもしかし、あらよっとが、あららっとキャベツがはみ出すわ、うまくのらないわ、ひっくりかえらないわ。腕前はしっかり素人、にわか仕込みでは、すぐ馬脚を現すということを思い知らされる。

 さあ〜て、やっとこさ完成。グビグビ頭もこれで食事にありつける。と、、さっきまでごろごろしていたはずのパートナーが、いつの間にか皿を持って待っている。もう1回作れってか! この次は、音なしにおいなしのものをつくろうっと。とりあえず、ビールもう1杯、グビグビ。

パートナーのひとこと

 極楽、極楽。

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