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第34話 お盆におはぎ

 世間では帰省ラッシュが続いている。「お盆か。」
 伝統行事に食べ物は付き物。だが、正当派伝統行事食とはまた別に、その時期食べたくなるものがある。節分にはでんろく豆。雛祭りには桜餅。端午の節句には柏餅。邪道と言われようが、菓子屋の陰謀と言われようが、いつのまにかインプットされた記憶は、消せない。逆に「七夕って、何食べるんだっけ?」などという、不埒な発言が飛び出したりするから恐ろしい。

 さて、お盆と言えば、おはぎである。いつもなら、近くの餅屋に自転車をとばすところだが、今回はそうも行かない。家に餅米があるのだ。
 求めて買ったものではない。パートナーの実家から送られてきたのだ。義母も、悪気はないのだが、子どもや孫に食べさせたいと思うと、料理人の技量や経験にお構いなく、やみくもに原材料を送りつけてくるのである。3ヶ月前に送られて以来、手つかずで置いてある餅米の無言の圧力が、私の足を止めている。仕方がない。おはぎ、作るぞ。

 おはぎ作りは、何度か手伝ったことがある。市販の餡を買ってくれば、そう手間はかからない。
 さて、餅米だ。異常はないかな?おや?黒いぞ。これはカビではないか?私の初めてのおはぎ作りは、こんなところで挫折してしまうのか??困ったときの母頼み。実家に長距離電話をかける。
 母曰く、
「黒いのは水を換えながら、米をこすり合わせて丁寧に洗えばよい。」
「餅米の比率が高い方が、時間が経っても硬くならず良い。」
「餡の塩加減が一番難しい。甘さ控えめ、心持ち塩は多め。」
 餡を作るつもりはないので、むにゃむにゃと聞き流す。一番難しいものを、出来合いで済ますのだから楽勝だと、内心ほくそえみ、母の言葉に力を得て再開。ポイントさえ分かれば、作業は単純。餅米100パーセントでレッツトライ。

 米洗う。米炊く。米つぶす。米丸める。餡付ける。以上である。
 なははは、簡単。ゴマおはぎも作ろう。餅を手のひらで平たく伸ばし、餡を包んでゴマ砂糖をまぶす。こんなものが、買えば100円も200円もするんだ。作ろうよ、みんな!

 さて試食だ。餅米100パーセントは、もちもちっと軟らかい。この食感!だがしかし、あま〜い!!とてもお茶なしでは食べられない。小さく作ったつもりだが、2個も食べればお腹いっぱい、胸一杯。市販の餡ではダメってことか。餡から作れと言うのか?この蒸し暑い8月に、何時間も火を使えと言っているのか〜〜〜!!

 やっぱり、おはぎは秋彼岸だよね。

教訓

 冬のあんこを冷凍しよう。

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