トップページへ

第52話 お助けオーブン料理

 パーティー料理に求められるものはなんだろう。

 珍しい食材、高価な食材、日頃口にしない料理?見た目の華やかさ、美味しさ、おしゃれさ・・・?欲を言えばきりがないだろう。
 我が家では、年に10回はホームパーティーをしている。それぞれの誕生日、クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデー、父の日、母の日、こどもの日、結婚記念日などなど。家族だけの小さなパーティーではあるが、それぞれに思いを込めて、メニューを考えている。
 しかし、ある年の子どもの誕生日に、料理を作るのに忙しく、遊びたがる子どもを待たせて、つまらない思いをさせて以来「パーティーは、主役がよろこばなくっちゃ」と反省し「主役が喜ぶなら、手作りじゃなくても、外食でもオッケー!」になった。

 けれども、この日は手作りでなくては・・・という日もある。それは、パートナーの誕生日。この日だけは、自分の手料理を食べさせたい。しかもしかも、「あなたのためにがんばりました」という料理で「やるじゃないか」と言わせたい。そういうわけで、メニューに一番悩むパーティーになる。

 イベントは重なるもので、年に一度のとっておきのその日に、子どもの学級行事が重なった。パーティー当日に時間がない。しかし、ここで諦めて、お手軽にステーキなどでお茶を濁しては、今後の家庭円満に差し支える。これはなんとかしなければいけない。
 家にある料理本を片っ端からひっくり返し、熟読の末、見つけたのが「鶏手羽先の香草焼き」である。

 手羽先と皮付きじゃがいもをオリーブオイル、ニンニク、ローズマリー、バジル、バルサミコ酢、塩で作ったマリネ液に一晩つけておき、当日はオーブンで1時間焼けば出来上がりである。付け合わせも同時に出来る寸法だ。よっしゃあ。ついでに前日、タルト生地を作って冷蔵庫で寝かせておけば、アメリカンチェリーのアーモンドタルトだって作れそうだ。それにあっさりしたカブのスープとアスパラのサラダを作ろう。タイムスケジュールは完璧である。

 要するにパーティー料理は、気合いである。ゲストを楽しませようと考えて、少しだけがんばってみる。日頃使い付けないハーブや、カラフルな野菜を奮発してみる。料理の取り合わせ、味の組み合わせを考えて、美しくテーブルセッティングする。ホームパーティーは、ホストも楽しまなくてはいけないのだ。

 パーティーの夜。手羽先は皮がぱりぱりで、ローズマリーの風味さわやか。肉は軟らかく香ばしい。香りがきつすぎるかと心配したが、子どもも喜んで食べている。ほこほこのじゃがいもが鶏の油を吸って激うま!タルトも上出来である。ああ、心の底から幸せだ。
 美味しく楽しく飲んで食べて、ほろ酔い気分でふと見ると、キッチンは洗い物の山である。このときばかりは、家でパーティーしたことを心から後悔するのだった。

教訓

 祭りの後は常に物哀しい。

トップページへCopyright (C) 2000 k-ogasa. All Rights Reserved.

たぶん12万