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第57話 チャレンジはやめられない

 「難しい」「膨らまない」と、パートナーにさんざん脅されても、やればできるはずとばかりに、シフォンケーキにチャレンジした。残念ながらパートナーの期待を裏切り、ほぼ完璧にできてしまった。
 確かに、シフォンケーキは誰でも気軽に作ってみましょうという部類のケーキではない。しかも、元々の私は自信のない弱気な人間である。
 こんな私をチャレンジに向かわせるきっかけとなったのは、水泳ではなかったかと思う。浮力のない体型だとか、2回も手術したのだから無理はいけないだとか、とにかく言い訳をいろいろとやってきた。結果、私は30年以上もかなづちのままだったのだ。

 この大きな心の壁をぶち壊し、25メートル泳げるようにしてくれたのは、他ならぬ我が子であった。子供がおぼれたらどうしよう、子供に水泳を教えられない、子供の学ぶチャンスすらつぶしてしまうのではないか、との思いがあった。人当たりの優しい、元水泳部というコーチが近所に住んでいたと言う幸運にも、助けられた。

 30年ものの壁が、終わってみると1年で越えられた。この思いは、やれば結構できるじゃないかとのプラス思考につながり、最近では、やれば何だってできるはずと、少々図に乗っているくらいのチャレンジャーになった。

 図に乗った勢いで、ただのシフォンケーキから、さらに難易度の高いチョコレートシフォンケーキを作ってやることにした。玉子も4個から5個にパワーアップしているとか、チョコレートは泡立てるときにずっしり重いとか、しきりとパートナーは雑音を吹き込むが、な〜に、やればできるはず。がはは。
 手順通り、チョコレートを溶かし、玉子の白身を泡立て、まぜる。今回の玉子は、「花玉子」とか言うやつで、玉子もパワーアップしているらしい。白身もさらっとして、パワーアップ感がある。
 一通りの作業が終わり、ケーキ本の写真通り、うすチョコレート色の生地がいい感じに出来上がった。これをケーキ型に流し込み、余熱したオーブンに投入し、ほどなく焼きあがる。文句ない、しっとりとやわらかな出来映え。ほ〜ら、やれば何だってできるじゃないか。最後の仕上げ、型ごとひっくり返して、3時間ほど冷やす。

 あんや〜〜?
 なんで勝手に型から抜けてるのかな?
 なんでこんなにちっちゃくなっているの?
 か、固ってえ〜〜〜ぞ!
 即、絶対失敗しないケーキ本のQ&Aをチェック。なになに、水分が多いせい。今回もレシピ通りきっちり分量を計ったはずだから、ミスはないはず・・・。
 あれ? もしかして「花玉子」のせいか? さらっとしていたのは、パワーアップじゃなく、単に水分が多いせいだったのか? 玉子の水の量まで計れってか? そ、そんなあ・・・。

 ちょっと上を目指すとこのありさまである。
(1)とりあえずやってみる
(2)とりあえずなんとかなる
(3)とりあえず上を目指してみる
(4)さっそく挫折する
 なるほど。子供はとっくにクロール、背泳ぎ、平泳ぎをマスターしているのに、私はといえば、まだクロールで25メートルしか泳げないし、平泳ぎなんてほど遠い。いつものパターン通りといえばパターン通り。
 だけんどもしかし、少しくらい挫折したって、チャレンジはやめられませんなあ。さあ、スケートボードに挑戦だあ。多少の擦り傷なんてへっちゃらへっちゃら。がはは。

パートナーのひとこと

 ものすごくおいしいドーナツ?

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