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第63話 冷え性的紅茶

 妙に寒い。
 猛暑の去年は気付かなかったが、今年は普通の夏、家の中にいると、寒くてしょうがない。会社でも冷たいものは飲まないし、食事だって唐辛子、豆板醤、しょうがと、香辛料系である。しかも、家族の中で私だけが体質が違うらしい。例えば、
  ●服装  パートナー:半袖     私    :長袖
  ●寝る時 パートナー:タオルケット 私    :羽毛肌がけ
  ●お風呂 パートナー:37度    私    :41度

 元々寒がりだとは思っていたが、冷え性だとは思わなかった。最近、特にひどくなったような気がする。心当たりもある。年を取ったとか、不摂生で自律神経に自立心がないとか、運動不足だとか、体質が違うと言う理由で離婚したやつもいるとパートナーに言われて、精神的にも大きなダメージを受けている。

 こうなってくると、生きていくためには、早く体を温めて、早く動けるようにならなくてはいけない。特に、お酒を飲んだ翌朝などは体が冷え切っているので、シャワーを浴びるとか、朝風呂に入るとか、小原庄助さんのように身上潰すとか、色々と試してみている。さしずめ、冬眠明けのトカゲのような気分である。
 その中で一番効き目があったのが、紅茶である。
 朝、紅茶を入れながら、香りと湯気を吸い込み、体に刺激を与える。入れ終わった紅茶をゆっくり飲み下し、お湯で体を温める。さらに、カフェイン効果で、喝を入れる。おなかの中にお日様がどどどっと入ったような、とても幸せな気分である。
 
 この幸せが病みつきになると、ちょこっとこだわってみたくなっちゃったりする。
 まずは量。
 白くて丸みのあるでかいカップで、幸せはたくさん頂きたい。どんぶりでは幸せが少ない。と、常日頃思っていると、結構見つかるもので、有田焼の手作り、3000円なりが手に入った。しかも、ソーサーというか皿というか、そのひねりが変で、すわりが悪い。この悪さ加減が、心の琴線に触れるのか、妙にぴたっときてしまう。
 次は味。
 コクのある紅茶が好きで、昔買ったケニア産有機栽培ものが最高であった。残念なことに、名前も分からなければ販売元も分からない。売っていた怪しい雑貨屋もつぶれて、もうお目にかかれないと思う。かといって、何々でなきゃだめだとか言い出すと、異国の地を放浪しかねないので、これ以上わがままは言わないことにしている。
 最後は入れ方。
 私は、適当な茶葉に、香りの強いアールグレイをひとさじだけ加えるのが好きだ。豊かでキリッとした香りになる。入れ方で良く言われるのは、ポットを温め、冷まさないということ。らしいが、私は大雑把な人間なので、ポットカバーなんてものはなくて、気が向いた時だけタオルでぐるぐる巻きにしている。これでも充分幸せになれちゃったりする。
 パートナーに最後のしずく、ゴールデンドロップスをあげようと思っている。だけんどもしかし、なかなかしずくが切れなくて難儀である。困ったものだが、これも幸せの一つなのかも知れない。

 すわりの悪い紅茶カップに名前をつけてやった。スーパーギャラクシーミラクルカップ。直訳はしないで欲しい。今日もこいつで幸せに紅茶を飲み、トカゲから人間に進化している。

パートナーのひとこと

 ポットカバー作ってやるよ。

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たぶん12万