トップページへ

第65話 カボとチャ

 秋。イモ・クリ・カボチャ族にはうれしい季節になった。今回は、その中でもカボチャのお話。

 カボチャの好みでは、家族で意見が分かれている。パートナーと子どもは、中のふわふわのところ、というか、種を取った後の糸のような部分が良いという。私は、少し固い皮と身の両方の組み合わせがよい。まず、黄と緑の色のコントラスト。そして、噛んだときにホコっと口の中で崩れ、甘みと風味が口一杯にふわっと広がる。固い皮があるからこそ、この食感のコントラストが生きるし、甘みが引き立つのだと思う。日本人でよかったなと感じるひととき。

 さて、この固い皮と柔らかい身のコントラストをモチーフにしたお話を、子供のために作ったことを思い出した。寝る前の読み聞かせか、絵本作りかは忘れてしまった。もう何年も前のことで、結局は日の目を見なかったと思う。
 こんなお話である。

 チャという女の子がいた。ふわふわの丸く優しい子だったが、みんなにいじめられ、いつもめそめそと泣いている。そんなチャを見かねて、いじめっ子からかばってあげる男の子がいた。カボという、ゴツゴツのたくましい子だった。チャがいじめられるたびに、カボがかばう。そのうちふたりはだんだん仲良しになっていく。

証拠の絵
かぼとちゃの絵

「いじめられたら、僕が守ってやるよ。そうだ、僕の中に入りなよ。」
「いいの?」
 チャは、カボのごつごつの体の中に入り、いつまでも仲良く暮らした。

 改めて読んで見ても、実にくだらない。が、実にくだらないこの話に、パートナーは半分まじめに絵をつけようとしていた証拠まで出てきてしまった。こんなことで家族みんなで盛り上がっているというのも、ほほえましいのか、おばかなのか。

 話を元に戻そう。カボチャの身は柔らかく、皮は固い。この皮のおかげで味が引き立つのだが、いいことばかりでもなく、料理の時には結構厄介だったりする。
 まず固さだが、カチ割る時に包丁の刃が欠けそうなくらい固い。また、炊く時も煮崩れしないように、面取りと言って、カドのところをチマチマ切り落としたり、皮のところどころをそぎ落として味をしみこみやすくしてやらねばならない。こうして形を整えたカボチャを、砂糖、醤油、出し汁で炊いてやると、それはそれはホッコリのカボチャの煮物になる。

 こうした手間ひまのおかげで、家族みんな、カボチャ好きである。さらに、くだらないお話で盛り上がる親を見て育ってしまったせいか、我が子は最近、「ウオノメ太郎の冒険」とかいう話の絵本を作っている。なんでも、ウオノメが足から離れて、ネスミにかじられるという危険に会いながら旅するという、はらはらどきどきの冒険活劇らしい。

 血は争えないなあ。

パートナーのひとこと

 とっぴんぱらりのぷう

トップページへCopyright (C) 2001 k-ogasa. All Rights Reserved.

たぶん12万