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第75話 我らファミリーフィッシング隊

 我が家のアウトドアと言えば、山に出かけることが多い。だけんどもしかし、今年は違う。港町に来たからには、海釣りである。さっそく船で沖合に出て・・・なんてことをいきなりやると、ゲロゲロの船酔い間違いなしなので、まずはファミリーフィッシング、堤防釣りから始める事にした。

 初心者でもお手軽に釣れる、そんな都合のいいやつはないかと、インターネットでパートナーに探してもらったら、「サビキ釣り」というのが出てきた。アミエビという小エビをバラ撒いて魚を寄せつつ、エビ似の針6本付き仕掛けを、バラ撒きエビ煙幕の中で上下させると、小アジやイワシがだまされて針に食いつくというもの。サビキつりには入れ食いタイムがあり、朝6時と午後4時の前後が狙い目。簡単に50匹100匹釣れるとある。これで夕食は魚三昧だ、なあんて期待しちゃったりする。
 こうして、大型釣り具チェーン店でセール品をかき集めたファミリーフィッシング隊は、午後4時の堤防に立つのである。

 最初に釣ったのはパートナーで、名前の分からない桜色10cm魚。パートナーはマダイだと言い張る。それはともかく、割りと簡単に釣れるようだ。次は私。ガザミというやたらとギザギザ甲羅のカニ。へえ、結構釣れるじゃん。
 だけんどもしかし、その後さっぱり釣れなくなった。子供は名前の分からない海藻、私の5cmハゼ。どう料理してよいか分からなかったので、釣られた皆さんには海にお帰り願った。
 食卓が、とてもわびしい。どこが入れ食いタイムじゃ。

 リッチな舟盛りは無理でも、てんこ盛りの唐揚げくらいは食べたい。今度は朝4時起きでファミリーフィッシング隊突撃である。
 パートナーと子供が前回より順調に小イワシをつり上げる中、ついに大物、いや、中物がかかった。サヨリ。細く下アゴがやたらと長い。やけに細長い魚がかかったとキャアキャアはしゃいでいる隣で、名人らしい老人の竿には、次から次へとサヨリが入れ食い。仕掛けが違うから、とポツリと言うあたりに奥深さを感じさせる。そんなサヨリ名人から、ちゃっかり3匹ほど頂いて、計4匹。名人に感謝。

 調べてみると、サヨリは、キラキラ銀色のきれいな魚で、高級な寿司ダネとのこと。そんな高級品とは知らず、頂いたはいいが、どうやってさばいたモノか。なにせ、スーパーのパック詰めされた魚しか買っていないのだから、やり方も知らなければ、出刃や柳刃包丁もない。困った時のマニュアル頼み、「料理の基本」とかいう本を参考にしてみる。頭を落とす、腹を開く、内蔵をかき出す、身を骨から切りはがす、切りはがす、で完成らしい。

 サヨリは、エラに寄生虫が付きやすいとある。あ〜らホント。寄生虫にしては、態度も身体もでかく、小豆大の白いやつがエラにコロッと付いている。むしり取って、よく洗い、サヨリ表面のヌメリを落とす。かなり洗わないと、ヌルヌルがきれいにならない。次に頭を落とし、腹を開いて内蔵をかき出す。少し手間取ったがそれほど難しくはなく、クリア。次、身を骨から切りはがす、いわゆるおろす・・・おろす・・・おりろ・・・、あれれ・・・? 白身がボロボロになっていく。この次に皮をむくのだが、薄くてよく分からない。適当に、皮の方を下にして、包丁を突き立てて、横にスライド。メレメレメレメレ。おおお、皮だ! しかも、向こうが透けて見える程、絶望的に薄い。

 こうして、板前が腕を振るったサヨリの刺身、計8切れが食卓に並ぶ。高級寿司ダネにしては、やはりわびしい。なになに、30cm以上が食べごろサイズで、20cm以下は食べられるサイズではないだとう? サヨリ名人だって、そんなサイズは釣っていなかったぞ。やはり、船で沖合に出て船酔いしないとだめかしらん。

パートナーのひとこと

 次の大潮はいつだ?

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