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第91話 単身赴任といえども

 仕事の都合で、単身赴任することになった。ワンルームマンションに一人暮らしである。自分のために料理を作るのは、久しぶり。学生時代に戻ったようだ。あの頃は、食べたい料理を作れることが何より嬉しかった。だけんどもしかし、仕事の帰りがこれだけ遅いと、嬉しいという気はしない。ちょっとくらいは料理を頑張ってみないといけないかなあ、というところだろうか。

 時間に追われると、揚げ物・炒め物メインの外食や弁当が多くなり、野菜はキャベツの千切りくらい。もともと体質的に弱いせいか、野菜不足が続くと体調を崩すのではと、不安になる。いかに野菜を取るのかが悩みの種である。
 夜11時過ぎに帰宅、疲れた体にムチ打ち野菜料理を作るのは、辛い。となると、野菜料理の冷凍備蓄しかない。
 引っ越しの時に、ちょっとくらいは料理を頑張ってみないといけないのかなあと、皿やナベはそれなりに準備した。だけんどもしかし、肝心のスーパーが見当たらない。カーナビで検索したら、一番近くて歩いて1時間。う〜む、壁にブチ当たってしまった。料理ちょっとあきらめよっかなあ。

 1ヶ月後、この大きな壁はあっさりなくなった。スポーツクラブをさがしてさんざん歩き回っていたら、なんと歩いて5分のところにスーパーがあるではないか。しかも、品揃えもなかなか。
 俄然、料理結構頑張っちゃう、という気になって来た。さて、何を作るか。備蓄冷凍できる野菜物というと・・・。芋・人参系・・・ダメ、解凍した時にドロドログスグズに崩れてしまう。もう少し野菜のフレッシュ感を出したい。パスタ用トマトソース、ちょっと弱いか。水物・・・野菜沢山スープ・・・ミネストローネだ! シャキシャキとした歯ごたえもフレッシュ。これに決まり。

 さっそく、カーナビで案内されないスーパーに行く。朝食用のフルーツなどを眺めつつ、セロリ、タマネギ、プチトマトにオリーブオイルを購入。気分も乗ってきたので、ついでにトマトソース用のトマト缶やうどんつゆなんかも買い込んじゃったりする。
 ミネストローネは、残り物の野菜を食べるための料理とかで、作り方も簡単。あり合わせの野菜をざくざく微塵に切って、厚手の鍋にオリーブオイルを入れて炒める。もし懐に余裕があるのなら、ベーコンなぞを入れても美味い。プチトマトを入れると、色合いも引き締まる。炒まるほどにオリーブオイルの甘さ、タマネギの甘さ、セロリの甘さが立ち昇る。あとは水を入れて沸騰したらコンソメ・塩・コショウで好みの味付けにすれば、出来上がり。

 さっそく頂く。シャキシャキした歯触りと野菜の甘さ、コンソメ味、うまいうまい。繊維質がなんとなく体の中を綺麗にしてくれるような気がする。
 残りはタッパーに小分けして、冷めたら冷凍開始。同じ日に作ったパスタ用トマトソースやうどんつゆなんかも、同じくタッパーで冬眠して頂く。

 数日後、仕事から帰る。夕食というか夜食の時間。心も体もクタクタ、ミネストローネで明日の元気を補給したい。着替えも半端にして、冷凍庫を開ける。う〜む。並んだタッパーはどれも同じに見える。どれがミネストローネだろうか。解凍したらうどんつゆでは、物悲しい。見た目が同じなら、においで判別・・・これ? かなあ? ツルッ・・・があ! 手が滑った! タッパーの蓋割れちゃったし! でも、割れたところからベーコンのかけらが・・・見えるなあ。これだろうなあ、やっぱり。結果オーライということで、電子レンジにGO!
 蓋の破片は、明日さがそうっと。

パートナーのひとこと

 タッパーって、割れるのかァ。

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