「格言・故事成語」講座(4

 漢詩由来の名言・名句



(その2) 人間到る処青山有り

将東遊題壁     釈 月性

男児立志出郷関
学若無成死不還
埋骨豈惟墳墓地
人間到処有青山


(まさ)に東遊(とうゆう)せんとして壁(へき)に題(だい)す     釈(しゃく) 月性(げっしょう)

男児(だんじ)(こころざし)を立(た)てて郷関(きょうかん)を出(い)
(がく)(も)し成(な)る無(な)くんば死(し)すとも還(かえ)らず
(ほね)を埋(うず)むる豈(あに)に惟(た)だ墳墓(ふんぼ)の地(ち)のみならんや
人間(じんかん)(いた)る処(ところ)青山(せいざん)(あ)


[註]

承句と転句が次のようになっているのもあります。

学若無成不復還
埋骨何期墳墓地

(がく)(も)し成(な)る無(な)くんば復(また)(かえ)らず
(ほね)を埋(うず)むる何(なん)ぞ期(き)せん墳墓(ふんぼ)の地(ち)


[大意]

男子たるもの、ひとたび志を立てて故郷を出たからには、
学業の成就をみなければ、いかなることがあっても、わが故郷に帰るものではない。
自分の骨を埋めるのは、必ずしも先祖代々の故郷を望むものではない。
この世はどこに行っても、自分の墓地となる青く美しい山はあるのだから。
(『漢詩漢文の名句名言』・日本実業出版社)による。


[語釈]

人間:「じんかん」と読み、世の中、世間のこと。
日本語でいう「にんげん」は人(ひと)という。
青山:墓の別名。



人間到る所青山あり

(「人間」はジンカンとも読む) [月性、題壁詩]
故郷ばかりが墳墓の地ではない、人間の活動のできる所はどこにでもあるの意。
大望を達するために故郷を出て大いに活動すべきことをいう。(『広辞苑』)



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