「格言・故事成語」講座(4

 漢詩由来の名言・名句




(その8) 少女は言わず花語らず


題太田道灌借蓑図    (伝・大槻盤渓)

孤鞍衝雨叩茅茨
少女為遺花一枝
少女不言花不語
英雄心緒乱如糸


太田(おおた)道灌(どうかん)(みの)を借(か)るの図(ず)に題(だい)す    (伝・大槻(おおつき)盤渓(ばんけい)

孤鞍(こあん)(あめ)を衝(つ)いて茅茨(ぼうし)を叩(たた)
少女(しょうじょ)(ため)に遺(おく)る花(はな)一枝(いっし)
少女(しょうじょ)は言(い)わず花(はな)(かた)らず
英雄(えいゆう)の心緒(しんしょ)(みだ)れて糸(いと)の如(ごと)


[通釈]

太田道灌があるとき供も連れず、一人馬に乗って狩りにいったが、途中ひどい雨にあい、
ある藁屋の戸をたたいて蓑を借りようとした。すると、その家の娘が出てきて、
八重山吹を一枝さしだした。娘はそれきり一言も発せず、道灌は花を見ても、
どういう意味かいっこうに判断がつかない。さすがの道灌も、このときばかりは心の中が知事に乱れて、
まるでもつれてほどけぬ糸のようであった。
(『吟剣詩舞道漢詩集』による)




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