土で作る楽しみ 
     平成24年8月の作品     




   平成24年 8月13日 


1 酒器セット:信楽赤土 御深井釉:わびさびの雰囲気を求めて、形や釉調に気を配りました。御深井釉の奇をてらわない静かな雰囲気が良い感じです。注ぎ器に酒が少なくなるとかなり傾けないといけないというややこしさはあるかと思います。注ぎ器:径9.0 高13.0  猪口:径5.5 高4.0
 今回は還元焼成です。還元での渋い焼き上がりを目指しました。
 メインは酒器セットやぐい呑みです。持ち手のあるものを成形し、少し洒落た感じにしました。釉薬は御深井釉(おふけゆう)などを使い、胎土の質感が釉でさらに渋く表現できるとよいなと考えました。しかし単に渋くなるだけでは反面単調になりやすいこともあるので、皿物などは削りの模様を入れ、化粧土で象嵌の雰囲気も出してみました。渋さとは相反する感じもしましたが、まあまあ楽しめる雰囲気となりました。
 錆釉はやはり光沢感がありますが、黒と茶が入り混じり、かなり渋く仕上がりました。光沢感も気にならない焼き上がりとなりました。
 得意の薄作りのぐい呑みシリーズは、酸化焼成では織部を置いた部分を明日香釉に置き換え、還元での明日香釉の緑系や青系の発色を目指しましたが、期待どおりの結果となりました。
 還元焼成については、1150度からガスの炎を窯に入れ、冷却時も1150まで継続し、還元落としの技法で行いました。窯上部の炎は高さ10センチの維持を目指しました。結果として全体的に還元はよく掛かり、木灰透明釉などはグレーにやや青みが射していて渋く仕上がりました。
  今回は落ち着いた雰囲気ですが、こういう雰囲気は好きな感じです。今回はどれがお気に入り? 

2 酒器セット:信楽赤土に赤鉄砂土、はぜ石混ぜ 御深井釉:注ぎ口の形にこだわりました。注ぎ口の膨らみに酒が溜まるとともに、酒の流れも目視できます。注ぎ器:長径7.8 短径6.7 猪口:長径5.0 短径4.6 高5.0 3 酒器セット:信楽赤土 化粧土掛け 御深井釉:削りの部分に溜めておいた化粧土が薄くなりました。渋いですがテカリをもう少し抑えたいように感じます。御深井釉に青みがあります。注ぎ器:径10.5 高13.0 猪口:径6.0 高4.6 4 酒器セット:信楽赤土に赤鉄砂土とはぜ石混ぜ 錆釉:熱燗を楽しむための冬用酒器です。大きめサイズですのでたくさん酒が飲めます。ぐい呑みの発色もよいです。徳利:径9.5 高14.2 ぐい呑み:径7.2 高4.0

5 蕎麦鉢:信楽赤土に赤鉄砂土とはぜ石混ぜ 錆釉:見込みは茶の下地を黒が覆い、表面には細かな銀の結晶が散りばめられています。うまく焼けました。径16.2 高4.8 6 中鉢:土や釉は左のものと同じですが、黒のきめが粗く、結晶も少ないです。もう少し釉を厚掛けした方がよかったのかもしれません。径16.4  高4.8 7 中皿:信楽赤土 御深井釉 化粧土:化粧土は全体に掛けたのですが、薄くなって、予想より胎土が見えています。シンプルで洋食器風な仕上がりになりました。径16.6 高3.4

8 小皿と小鉢:これも7と同様の作りです。御深井釉の少し濁った感じが落ち着いた雰囲気を出しています。小皿:径11.8 小鉢:径9.5 高5.0 9 酒杯:7と同様の作りです。少し厚めに成形して、重厚感を出しました。高台の内側はしっかり削りこんであるので、実際はあまり重くはありません。遊び心が大切です。径6.6 高6.6  10 中鉢:信楽赤土に赤鉄砂土とはぜ石混ぜ 明日香釉:明日香釉がきれいに溶け、枯れた竹の色のように発色しています。高台の中などは緑色が少し見えます。径:13.8  高5.4

11 ぐい呑み:錆釉全面掛け:やはり釉が濃く掛かっている所は黒に発色しています。茶の部分は茶色の見本とでも言えるほどの茶色です。渋いですけどかわいいです。長径7.2 短径6.2 高3.8 12 三角カップ:信楽赤土に赤鉄砂土とはぜ石混ぜ 化粧土掛け 藁灰白萩釉:胴や腰の部分のろくろ目がよいデザインになっています。成形は動きを表現するようにしないといけません。径6.6 高:7.5 13 歪みぐい呑み:織部の代わりに明日香釉をアクセントに置きました。青緑色に発色していて予想通りでした。緋色釉の発色もよいです。木灰透明釉がグレーになっています。径7.0程度  高4.0

14 歪みぐい呑み:13と同じ仲間。木灰透明釉のグレー色はグラデーションにならないほうがよいのかもしれません。この点は酸化焼成とは違う感じです。どれも結構楽しめる雰囲気を持っています。径7.0程度  高4.0程度 15 豆皿:古代呉須 木灰透明釉:くっきりと発色しています。呉須の線描きでは、線の乱れを針先で削って修正してあります。きれいに仕上げる努力をしました。径7.6 16 薬味入れ:白化粧の上に海鼠釉:還元ですので青くはならないだろうとは思っていました。きれいな黒になっています。長径8.0 短径4.3

17 四角大皿:カチカチになった土鍋土の残りを再生。信楽白土も混ぜて成形しました。表面を粗く削り、化粧土と明日香釉でデザインしました。明日香釉が緑に発色していて、まるで織部のようにも見えます。長辺28.0 短辺19.5

 

     還元焼成はガスの火を見ながら焼かないといけないので、余裕がないとなかなかできませんが、
     焼き上がりは渋くてとてもワクワクします。還元の掛け方もかなり要領をつかんできているので、今後も楽しみです。
  
     御深井釉はその渋さを理解してもらえない場合があるかと思いますが、個人的には今後もレパートリーの一つに
     加えていきたいと思います。錆釉は相変わらずテカリがあるので、これは錆の結晶が出るという意味での錆釉なんだと思います。
     テカリがないいわゆる鉄錆の雰囲気を出す釉としての「錆釉」を調合していかないといけないようです。
     良い雰囲気が出るように工夫していきたいと思います。

     明日香釉の還元焼成での緑の発色は安定した発色ではないとしても今後の焼成への参考にはなりました。
     電気窯で還元焼成を連続で行うのは窯を傷めるので、次回は酸化焼成になる予定です。
     再度、削りや「しのぎ」の作品作りになるかもしれません。
     忙しい中でも、少しずつ頑張っていきたいと思います。