SINGLE REVIEW

Strong Enough / Sheryl Crow
収録アルバム:Tuesday Night Music Club(93年) Billboard Hot100 :95年5位
女Vo.マニア度:5 カラオケ難易度:5
90年代後半の女性シンガーの大活躍。大衆レベルでその契機を作ったのはAlanis MorissetteとSheryl Crowであることは異論のないところであろう。

93年に『Tuesday Night Music Club』でデビューした彼女、当初はアルバムは地味な売れ行きであったが、サードシングル「All I Wanna Do」がラジオで支持を集め大ヒット。この曲でグラミー賞のRecord Of The Yearを獲得するとともに、同賞の新人賞にまでも輝くこととなる。

爆発的大ヒットの後いかにヒットを続けるかというのはなかなか難しい。これまで幾多のアーティストが大ヒット曲の幻影に苦しみながら一発屋として消えていった。しかし彼女にそんな心配は無用であった。「All I Wanna Do」での軽快なイメージとは一転、落ち着いた繊細なバラードであるこの曲「Strong Enough」はまたしても大ヒットを記録した。

この曲ではややもすると独善的になりがちな一人の"弱い"女性の姿が描かれている。底知れぬ絶望感に苛まれ、閉鎖的になった人間が、他人に拠り所や救いを求めるというのは至って自然な展開である。更にはそんな自分の弱さを素直に告白出来る人間。自分の弱いところってなかなか正面から認められないものだけど、ここまでストレートに言い切れる人間はものすごく"強い"のではないだろうか。そんな女性に「Are you strong enough to be my man?」なんて言われて、全てを受け入れられる男性もまた然り。それぞれのフレーズはいずれも弱々しいものだけど、曲全体にみずみずしい生命力が宿っているように感じ取られるのは私だけであろうか。

こうした内容に加えてシンプルなコード進行にデビュー時の初々しいシェリルの声が溶け込み、歴史に残る名バラードが生まれた。ライブで聴くと全神経がその歌唱と演奏に集中し、動けなくなること間違いなし。筆者が足を運んだLilith Fair99 ロス公演ではStevie Nicksとのデュエットが見られ、鳥肌ものであった。

サビの例のフレーズだけ聴くと、傲慢な女が生意気なことほざいてる歌だと思われがちだが、そうではない。打ちひしがれつつも、前向きに立ち上がろうとする一人の女性の姿がここにはある。

☆カラオケで歌ってみよう
これまた素人が歌うとただの曲。曲の内容なんてもちろん伝わるはずもない。例え歌うとしてもこの曲を知ってる人がいる場でとかでないとツライ。間違っても合コンなどで歌ってはいけません。
2002/4/7 This Week's Pickupとして掲載
2002/2/16 渋谷パセラにて熱唱
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Everyday Is A Winding Road / Sheryl Crow
収録アルバム:Sheryl Crow (96年) Billboard Hot100:97年11位
女Vo.マニア度:3 カラオケ難易度:6
何故だか分からないが、グラミー賞の新人賞を受賞したアーティストは、それ以降勢いを失ってしまうことが多い。受賞を弾みにして次作以降で更なるステップアップが図れないケースがよく見られる。最近の女Vo.であれば、リリス・フェア期の女Vo.ブームの一端を担ったPaula Coleなどが典型だ。

もちろん例外もある。その一例がSheryl Crow。現時点(2003年12月)で4枚のオリジナルアルバムを発表しているが、安定した人気を保っている。先日も初のベスト盤を発表した。ここ日本でも、女Vo.シンガー・ソングライターの代表格として語られることも多い。

そんな彼女の人気を決定的とするのに一役買ったのが、セカンドアルバム『Sheryl Crow』からの第二弾シングルであるこの曲「Everyday Is A Winding Road」である。本作から既に第一弾シングルとしてカットされていた「If It Makes You Happy」は、彼女にしてはハードめの曲調、そしてビデオクリップで少しケバめの格好を見せたことなどにより、ヒットこそしたものの、従来からのファンの一部にやや引かれていた感があった。一方でこの曲は彼女の魅力をそのまま凝縮したようなナンバーで、爽やかそのもの。世界中のリスナーを安心させることになる。彼女を世界的なシンガーにしたデビュー曲「All I Wanna Do」を更にポップにしたような作りで、サビの疾走感がたまらなく気持ちいい。日本でもCMに使われ、これを機に随分と認知度が高まった。

今でも軸がぶれることなく、活躍を続けている彼女。その地盤を確固たるものとした要素の一つとして、この曲が挙げられることは間違いないだろう。


☆カラオケで歌ってみよう
これぞSheryl Crowといった趣で、気持ちいいです。彼女にしてはやや高音なので注意。サビに気を取られがちですが、歌い出し部分とか結構早口で意外と難しかったりするので、事前準備はしましょう。サビ直前の"Everybody gets high, everybody gets low..."のくだりはライブでも盛り上がるポイントなので、しっかり決めましょう。
2003/12/7 This Week's Pickup掲載
2000/11 渋谷パセラにて熱唱

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My Favorite Mistake / Shery Crow
収録アルバム:The Globe Sessions (98年) Billboard Hot100:98年20位
女Vo.マニア度:5 カラオケ難易度:3
デビュー以来二作連続でアルバムを大ヒットさせたSheryl Crowが98年秋に三作目『The Globe Sessions』を発表。過去の二作品により、どちらかと言えば底抜けに明るいナンバーを歌うイメージが定着しつつあり、抑えた歌唱を見せる印象は薄かったところだが、本作ではかなり落ち着いた作風を見せてきた。先行シングルであるこの曲を聴けば、その雰囲気はだいたい窺える。

予想通り、世間のリアクションはやや鈍かった。体感的な評価になってしまうが、少なくともここ日本においては、彼女のアルバムからの第一弾シングルである割には、相対的に巷で耳にする機会がとりわけ少なかったように思える。前述のように明るい曲を歌うというイメージが強い彼女。本国アメリカより少し遅れてリスナーに広まった日本においては、デビュー作収録でグラミー賞にノミネートされた「All I Wanna Do」、二作目からのシングルである「If It Makes You Happy」「Everyday Is A Winding Road(CMにも使われた)」が代表曲として認知される傾向が強く、この曲はやや違和感をもって捉えられたのかもしれない。

my favorite mistakeとは自らの元を去った恋人を指す。序盤はその相手に対し、去られた後の思いを淡々と語りかける。ギターのパフォーマンスも彼女の歌唱もどこかけだるく、独り残された女性の空虚な心情が鮮明に描かれている。ブリッジ以降から徐々に気持ちを発散させ、それに伴い彼女の張りのある声が垣間見えるあたりが最大の聴きどころ。明るいポップな曲だけでなく、こうした抑えたナンバーでも彼女の魅力が十二分に堪能できることを、改めて我々に気付かせてくれた一曲。


☆カラオケで歌ってみよう
一番注意すべきは、サビで急にテンポが上がる際に、歌詞をちゃんと追える状態にしておくこと。ここさえクリアすれば問題ないですが、逆に最大の見せ場でもあるのでしっかり決めましょう。まあ難しい単語も出てこないし、ある程度曲を聴き込んでいれば、簡単に歌えると思われます。
2003/9/24 update
2003/5/17 渋谷パセラにて熱唱
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Sweet Child O' Mine / Sheryl Crow
収録アルバム:Big Daddy/Soundtrack (99年) Billboard Hot100:not entried
女Vo.マニア度:7 カラオケ難易度:6
2004年春、今こそGuns N' Rosesである。何と言ってもあの「Since I Don't Have You」の大ヒットから今年でちょうど10年という節目の時期である。このBillboard Hot100で最高位69位という特大ヒット曲を基準とすることの是非はともかく、やっぱり今はガンズである。メンバー非公認とは言え、ベスト盤も出たし。

ということで、女Vo.レビューもガンズ関連となるのは必然である。お許しを。

Sheryl Crowは93年のデビュー以来、順調にキャリアを積み上げてきた。グラミー新人賞受賞のプレッシャーもなんのその、98年発表の『The Globe Sessions』までの三作はいずれも高い評価を受けた。その彼女が99年、映画『Big Daddy』の挿入歌として、突然Guns N' Rosesの大ヒット曲「Sweet Child O' Mine」のカバーを発表。多くのファンの失笑を買った。確かに安直な選曲ではあるし、彼女のファン層にHR/HMをも好むリスナーは少なそうだから、ガンズのカバーは逆効果という向きもある。

しかし。よく聴くと意外といい曲なのである。元々は80年代ハードロックの曲ながら、音作りは90年代風に彼女らしく乾いたアレンジで、爽やかな仕上がり。声を張り上げるとややもすればヴォーカルが乱れる場面が見られることもある彼女だが、この曲ではなかなか絶妙の抑え具合。終盤のパートがやや苦しいが、まあ許そう。どうせなら声をぐちゃぐちゃ裏返す部分を、もう少し彼女流にサラリと歌いこなしてくれればよかったのだが。とは言ってもこの曲のブリッジ以降の終盤の部分は(個人的に)オマケみたいなものなのでまあ良し。Aメロ部分の流れるような展開が気持ちいいから良いのだ。

世間の謗りを恐れず、敢えて冒険に出た彼女の姿勢は素直に評価したい。さあ、他の女Vo.シンガーの方々も是非ガンズをカバーしよう!(これが言いたかった)

☆カラオケで歌ってみよう
Guns N' Rosesのバージョンはどこのカラオケにも入っているし、知っている人も多いので気軽に歌えるでしょう。声もそこまで高くないので、歌いやすいです。ただ、歌い手の性別が違う関係で、オリジナルと歌詞が微妙に変わっているので("she→he""her→his"など)その点は注意しないと「Sheryl Crowバージョンではない」などとマニアックな突っ込みを受ける羽目になるので気をつけましょう。

2004/4/25 This Week's Pickup掲載
1997/7 カラオケ@下北沢にて熱唱
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Soak Up The Sun / Shery Crow
収録アルバム:C'mon, C'mon(02年) Billboard Hot100:02年17位
女Vo.マニア度:3 カラオケ難易度:4
Sheryl Crowが2002年春にようやく発表した3年半ぶりの4作目『C'mon C'mon』からのファーストシングル。

「マイ・フレンドは巨乳デース♪」という歌い出し(by 奥村氏)で始まるこの曲は、夏にぴったりの爽快なナンバー。ビデオクリップも浜辺で歌う彼女の姿に加え、サーファー達の映像が挿入されるという、完全な夏仕様。この夏をこの曲を聴きながら過ごした方も多かろう。また、前作が多少重めの曲が多かっただけに、この曲の爽快さにSheryl Crowの醍醐味を久々に感じ入った方も少なくなかったかもしれない。

特別歌唱力に秀でているというわけではないので、持ち前の声の張りの良さを活かすには、このような明るい曲が一番合っているのかもしれない。しばらくインターヴァルが空いたので心配したが、健在ぶりを示してくれて嬉しい限りである。

☆カラオケで歌ってみよう

お腹の底から熱唱できる力の入るパートが多く、歌っていて気持ちのいい曲。一部変則的な部分もあるし(ブリッジとか忘れがち)、ちゃんと曲展開を覚えておこう。
いずれにせよ、有名な曲だし、歌って損はないですよ。
やはりカラオケはこういうみんなが知っている曲を歌うに限るね!(号泣しながら)
2002/10/21 update
2002/6/8 渋谷パセラにて熱唱
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Good Is Good / Sheryl Crow
収録アルバム:Wildflower(05年) Billboard Hot100:05年64位
女Vo.マニア度:4 カラオケ難易度:5
正直、最近のSheryl Crowの曲にはややマンネリを感じていた。確かにそれぞれの曲はそれなりのクオリティを備えているものの、どれも似たような感が否めず、多少飽きがきていたのだ。そして今回も大して期待もせずにぼーっと待っていたら、びっくりするくらいいい曲を作ってきた。素直に謝りたい。完全に侮っていた。

彼女はソングライターとしての能力は疑いようがないが、歌唱力がそれほどあるわけではない。声もそれほど綺麗ではない。そのため、抑えの利いた曲を歌うと単調に聞こえがちで、一方で力強い曲を歌うと雑に聞こえるという難点があった。

今回は違う。
曲の抑え具合が絶妙で、彼女の声が丁度よく適度に張りが利いている。ゆったりした歌い出し部分は流れるように歌いこなし、スムーズに曲の世界へ誘う。サビ部分では雑にならない程度に力を込め、曲の見せ場をしっかり作る。そしてブリッジ以降は強弱をはっきりつけて抑揚を利かせ、サビの歌い方も少しずつ変化を付けて、リスナーを飽きさせない展開。最後に再びブリッジ部分で終わるというのも面白い。曲全体を通して、随所にちりばめられた適度な強弱のバランスが、何より聴く者を心地よくさせる。

その名の通り、まさに「良いものは良い」。そう心から思わせてくれる作品を再度提供してくれたことを嬉しく思う。シングルとしては大してヒットせず、彼女のアルバムからの第一弾シングルとしては5作目にして初めてBillboardのTop40を逃してしまった。しかしそんなことはどうでも良い。彼女の歴史を、そして彼女の魅力を語る上で欠かせない一曲であることだけは間違いない。


☆カラオケで歌ってみよう
スローな曲ながら、上述のようにメリハリが利いているので、歌っていて楽しいし、聴き応えがあるかと。従って、声の強弱をつける部分は外さないよう、出来る限り丁寧に歌うことが必要。音域はそれほど広くないので、歌うこと自体は難しくないはずです。
2006/3/5 This Week's Pickup掲載
2006/2/4カラオケ@下北沢にて熱唱
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