中野武夫(なかのたけのり)氏の東郷鋼(とうごうこう)の犬首鋼(いぬこびこう)を使った鉋が、
武則(たけのり)作東郷鉋です。
犬首鋼は鍛造で伸びにくい鋼と聞いていますが、中野さんはこの鋼の鍛造に慣れておられ、
よく切れる鉋に仕上がっています。
作者は昭和16年1月 新潟県の大工道具の産地鍛冶屋が集まる与板町に生まれる。
年少の頃からよく家業の鉋鍛冶取りの手伝いをしていたが、34年4月に高校卒業を期に実父である中野忠治(鍛冶名武則)に弟子入りする。親方は刃物問屋に、「今日は鉋1枚の注文を下さい。
いづれは百倍の注文にしてみせます」と、自信を語ったそうだ。
平成3年に親方が最後まで手掛けていた鉋の「鋼付け」の工程を譲り、以降全工程を一貫製作する。
平成11年に先代が残していた東郷鋼をもとに東郷鉋の製作を始める。その研ぎ易さと仕上りの良さで、
「欲しかった鉋だ」と高い評価を受けている。
現在東郷鋼の製造は何十年も前の話で、現在は持っている方も少ない希少な鋼です。
武則作の鉋には、小鉋の54ミリもございます。 |