50年の屋根の歴史が解るこの一家

屋根葺き替えの為。トタンを剥がして工事が進むと、この家の屋根歴史が見えてきました。


     

写真の屋根は、屋根葺き替えの為、一昔前の主流、長尺蟻掛け葺きを剥がすと、

 

     

六切り葺き(3尺×6尺板を6枚に切り加工)が現れました。この時代の一般住宅の主流は、

稼動率が高い五切り(3尺×6尺板を5枚に切り加工)六切り葺きより1枚あたりの面積が大きいを

貼っておりましたが、父親の話によると、六切り葺きは、この時代 官庁関係、市役所関係、自衛隊

などの使用に使われていたので、この家は、お金のかけた立派な家との事、集合煙突もレンガ

使用で、かつては、立派な家だったようです。

 

     

次に、六切り葺きを剥がすと、最近では、めったに見る事の出来ないマサ葺き屋根が出てきました。

 

     

こんなに保存の良いマサ葺き屋根は、これが最初で最後だと思います。たいていトタンを剥がして

マサ葺き屋根が現れると、足が屋根から突き抜け、歩けない状態の物ばかりでした。

当社創業当時(昭和10年)は、屋根と言えば、マサ屋さん上記の写真の状態で仕上がりです。

この状態で、雨や雪をしのいでいました。その時代の当社ブリキ屋は、トタンで、バケツや薪ストーブ

ジョーロなどプラスチックに変る前の色んな物が、ブリキ製品で作られておりました。その為、金物業

も始めましたが、時代の流れで、お寺などでしか使われなかった鉄板製の屋根が一般住宅にも普及し

屋根工事は、マサ屋からブリキ屋の時代に変り当社は、屋根工事主体の会社になりました。

北海道の各市町村に行くと、金物業を営み屋根工事をしている業者を時々見かけます。

皆さんかつてのブリキ屋時代から現代に続いている会社です。

 

     

マサの一枚は、30cm×10p位で厚みが2o位です。この製品を縦に、3分の2。横に、2分の1ほど重ねて

貼っていきます。現在では、この形式の屋根を見られる場所は、テレビドラマ北の国からのロケ地、富良野の

五郎の家に使われているのしか見たことが有りません。

 

     

          屋根下地材カラーフェルトを貼り

 

     

 現在主流の平成ルーフを葺き、集合煙突も鉄板で包みました。

 この家は、屋根の歴史について勉強になった一家でした。


2005/1/17作成